“本当に頭のいい人” が勉強でしている4つの「正しい努力」。あなたの間違った努力とどこが違う?

頭のいい人が勉強でしている、正しい努力の仕方01

試験に落ちた。勉強した内容を忘れてしまった。振り返ってみたら意外と進んでいないことに気づいた……。ひたすら頑張って勉強したはずなのに! このようなことがある人は、努力の仕方がよくないのかもしれません。

では、どのような努力をすれば効率よく勉強の成果が出せるのか。超難関大学に合格し、いまもなお活躍を続けるエリートたちは、その答えを知っています。

この記事では、本当に頭のいい人々が勉強でしている、成果につながる正しい努力の仕方を紹介していきます。

1. 具体的な目的意識をもつ

偏差値35から東大合格を果たし、現役東大生でありながら教育事業支援などを手がけ株式会社カルペ・ディエム代表も務める西岡壱誠氏は、頭のいい人は勉強の目的が具体的だと言います。西岡氏自身、一生懸命勉強しても成績が上がらなかった頃の自分と、東大合格につながるような勉強をしていた頃の自分とでは、「目的意識」に差があったのだとか。

たとえば、単に「数学の勉強をしよう」「問題集をやろう」としか考えていない場合、目的は具体的になっていません。西岡氏いわく、こういう意識では絶対に成績は上がらないとのこと。「なんとなく、やった気になってしまう」からです。

一方、「数学のこの問題集を、○ページから×ページまでやろう」という具合に目的をはっきりさせると、実際にそれの達成に向けて勉強することになります。当然、そのぶん成果にもつながるというわけです。

西岡氏によると、目的を具体化しない勉強は、目的地を決めずに車を走らせるようなもの。さまようだけで、時間と労力をロスしてしまいますよね。ですが、目的地を明確に定めれば、目的達成には何が必要か、自分に足りないものは何かがはっきりします。そのため、最短ルートで結果につなげることができるのです。

勉強する際には、ただなんとなく机に向かうのではなく、何をどのくらい、どのように勉強するのかを具体的に決めてから勉強を始めましょう。目的がなければ結果は出ないということを、よく覚えておいてください。

頭のいい人が勉強でしている、正しい努力の仕方02

2. 勉強の記録を毎日つける

京大に首席で合格し、現在はオンライン個別指導塾を運営する株式会社 i Motivations代表の粂原圭太郎氏によると、頭のいい人たちは「勉強するなかでできたこと」を毎日記録して自己分析するのだそう。

記録をして自己分析すると、自分の理解度や進み具合が客観的にわかるため、成果を出すためにこれから何をすればいいのか、おのずと見えてくると言います。また、勉強したその日のうちに記録すれば、「今日はこれだけ頑張れた」という達成感が得られ、勉強に没頭しやすくなるのだとか。

記録の方法は簡単。毎日教材名・ページ・勉強時間を手帳やノートに書き、理解度を◯△✕の三段階でつけるだけでよいのだそうです。さらに、できなかった問題をその場でさらっと解き直せば、「できた!」という感覚がつかめて、より達成感につながると言います。

先ほど、勉強するときは目的の具体化が大切だとお伝えしましたが、それには現状での理解度や進捗具合を把握することが不可欠なはず。自己分析は “頭のなかでたまに” 行なうのではなく、“目に見えるかたちで毎日” 行ないましょう。

頭のいい人が勉強でしている、正しい努力の仕方03

3. 本はサラサラと何度も読む

勉強のために買った参考書や教本。時間をかけて一度読みきったものの、しばらく経つと内容を忘れてしまい、もう一度最初から読み直す……。頭のいい人は、そんな非効率な勉強はしません。彼らは、1冊の本を繰り返し何度も読み、徹底的に理解を深めているのです。

東大法学部を首席で卒業した弁護士の山口真由氏は、同じ本を7回読むという独自の勉強法で結果を出してきたと話します。1回1回をしっかり読もうとするのではなく、サラサラと複数回読み流すことがポイントなのだとか。

まず1~3回目は見出しなどを拾いながら読み流します。これを「サーチライト読み」と呼び、本の全体像をつかんでいく作業。次の4、5回目は「平読み」と呼び、重要キーワードを意識しながら普通のスピードで読んで要旨をつかむ。1~3回目で全体像を捉えているので、内容はより頭に入りやすくなっているでしょうね。そして、6、7回目は「要約読み」と呼び、内容を頭で要約しながら読んでいきます。この方法で1冊の本を7回読めば、その内容を頭のなかに写し取ることができるというロジックです。

(引用元:STUDY HACKER|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】 ※太字は筆者が施した)

サラサラ読むのにかかる時間は1回あたり30分~1時間程度なので、忙しい人にも向いていると山口氏。移動中などにも本を読み進めることができ、じつに効率的ですね。

加えて山口氏は、「集中しなきゃ……」というような気負いは捨てることが大切だと言います。「本は集中して読まないといけない」という固定観念は捨て、もっと気楽に勉強を行なってもいいのです。

頭のいい人が勉強でしている、正しい努力の仕方04

4. 五感を使って暗記する

余計な刺激を遮断して、無機質な部屋にこもってとにかく勉強に集中しようとするのは、じつは非効率的な勉強法。頭のいい人たちは、効率よく記憶するために、五感を刺激しながら勉強しているのです。

受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよし氏によると、屋外で得られるような音やにおい、光や風といった五感への刺激には、脳内のネットワークを強化し、記憶力や思考力を高める効果があるそうです。室内ではなく、花畑や林がある公園で散歩をしながら勉強してみましょう。花の香りや、風で木々がなびく音が嗅覚や聴覚を刺激し、記憶力を高めてくれるはずです。

五感を刺激する方法には、上記のほかに音読があります。東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏によれば、音読には「見る・聞く・話す」の3つの行動がともなうため、大脳の広い範囲が活性化するのだそう。さらに、音読直後の記憶の容量が20~30%も増えることが明らかになっていると言います。

米ハーバード大学を卒業したバイオリニストで起業家の廣津留すみれ氏も、音読することで視覚と聴覚をダブルで刺激し、ハーバード受験に必要な膨大な量の英単語を覚えたのだとか。

自室にこもってひたすら黙読するだけでは、いくらがむしゃらに勉強しても記憶には残りにくいのです。あなたももっと五感を刺激してはいかがでしょうか。

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本当に頭のいい人たちは、やるべきことを明確にしているほか、モチベーションを上げるための工夫をし、あえて机に向かわない勉強法を実践して、学習効率を高めていることがわかりました。これが、勉強における「正しい努力の仕方」なのでしょう。

ご自身に合った方法を取り入れて、がむしゃらで効率の悪い勉強から脱する第一歩を踏み出してください。

(参考)
プレジデントオンライン|全ての「頭がいい人」に当てはまる唯一の共通点-東大生がたどり着いた根本条件
ダイヤモンド・オンライン|【勉強貯金】日々の勉強は裏切らない。勉強にのめり込むシンプルな方法
STUDY HACKER|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】
PHPオンライン衆知|東大首席・山口真由が教える「7回読み勉強法」とは?
大学受験パスナビ|《吉田たかよし先生が解説!》記憶と思考の脳科学的メカニズム
Sankei Biz|子供の頭をよくする音読&褒めワザ 「脳トレ」で知られる川島隆太所長に聞く
プレジデントオンライン|ハーバード流「あれ?」がなくなる暗記術-キレイに書き取っても意味はない

【ライタープロフィール】
武山和正

Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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