勉強が捗らない言い訳にしてはいけない。じつは “年齢のせいではない” 4個のこと

勉強を捗らせる4つの方法01

仕事力を上げたりキャリアアップを狙ったりするうえで、私たち大人はいつまでも勉強し続けなければなりません。でも、なかなか勉強が捗らないときってありますよね。そんなとき、その原因を年齢のせいにしてはいませんか。「集中力や記憶力が悪くなったのは、この年のせいだ……」と

でも、それは年齢が原因ではない可能性があります。今回は、“じつは年齢のせいではないこと” を4つ指摘したうえで、勉強を捗らせるための方法をお教えしましょう

1.「記憶力低下」は年齢のせいではない!?

ある程度歳をとってくると、勉強した内容をすぐに忘れてしまうなど、記憶力の衰えをどこかで感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、脳神経外科専門医で北品川クリニック予防医学センター所長の築山節氏は、「それは単に最初から記憶していないだけのケースが多い」と指摘します。

情報は、出力することを前提にして入力しないと使える記憶になりません。例えば漠然と街を歩いたあとで「何を見かけたか」と質問されても、簡単に思い出せないものです。しかし、同じ風景を見ていても、あらかじめ質問されることがわかっていれば、意識して情報を入力するため記憶に残りやすくなる。

(引用元:プレジデントオンライン|築山節・池谷裕二―眠った力が目覚める7の習慣【2】

学生の頃は、毎回の授業で課されていた小テストをはじめ、中間テストや期末テストなど、勉強した内容を出力する機会が嫌というほどたくさんありましたよね。一方で大人になると、テストのような機会は激減。充分な出力がなされず、結果として「知識として入力したけれども使わないから忘れてしまう」という状態に陥ってしまいやすくなるのです。

記憶するという点においては、学生の頃と同様、書籍や参考書を何度も読み直す「入力」だけではなく、問題集を解くような「出力」の機会を意識的に増やすことが大切です。ほかにも、勉強したことをSNSで発信したり、友人や同僚に話したりすれば、良い出力の機会になるでしょう。そういったことの繰り返しで、自らの頭にも深い記憶として定着していくのです。

勉強を捗らせる4つの方法02

2.「集中力が保てない」のも年齢のせいではない!?

「あの頃と違って集中力が続かなくなった……」と感じている人も多いかもしれません。しかし、これもまた、年齢のせいではないようです。『今すぐ! 集中力をつくる技術』の著者で、「行動定着コーチ」として活動する冨山真由氏は、次のように話します。

人間の性質を分析する行動科学の観点では、集中できないのはその人が持つ性質ではなく、集中するための行動ができていないからだと考えます。言い方を変えれば、集中できない人は1人もいないということです。

(中略)

行動科学マネジメントでは、環境設定をとても重要な要素だと考えています。集中できる環境には多少の個人差があります。まずは、自分にとってベストな環境を知りましょう。

(引用元:furi-kake|今すぐ集中できる10のコツ

例えば、学生時代であれば、“同級生とともに勉強に取り組む” という環境こそが、勉強に集中するうえで大きな効力を発揮していました。そこには、自分も熱心に勉強しなければ置いていかれるという心理も少なからず働いていたに違いありません。つまり、学生時代に集中できていたのは、単に若さが理由ではなく、必然的に集中できる環境に身を置いていたからにほかなりません

一方で、大人になれば「独学」が基本となります。また、本業の仕事を抱えながら勉強に取り組まなければなりませんし、勉強場所も自宅が多いのではないでしょうか。思うように集中できないのも、無理のない話です。

そういう場合は、「家だとだらけてしまうから図書館で」「静かすぎると眠くなってしまうから喫茶店で」というように、自分が集中できるベストな環境を見つけてみてください。環境を変えれば、集中力を取り戻せるかもしれませんよ。

集中力を保つ方法については、「勉強に集中する方法まとめ。音楽・場所・食べ物を利用しよう」もご参照ください。

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3.「やる気が起きない」のも年齢のせいではない!?

学生の頃は頻繁にテストがあり、勉強の成果を発揮するための機会が常に存在していました。特に、勉強が比較的得意だった人は、高得点が次へのモチベーションとなっていたのではないでしょうか。一方で大人はどうでしょう。勉強に対するやる気を失ってしまう最大の要因は、そういった喜びがないからかもしれません。

武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部教授で脳科学評論家の澤口俊之氏は、やる気を出すための工夫として「報酬を設定する」ことを紹介しています。

人間はどんなときに「やる気」を出すのか。それは「報酬への期待を感じたとき」に尽きる、と言えます。

「報酬」の中身は、人によってさまざま。お金や地位、評価、充実感など、個々の価値観によって内容は変わってきます。

(引用元:THE21オンライン|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法

大人になるとテストのような機会が極端に少なくなりますから、自ら意識的に報酬を設定していく必要があります。例えば「勉強を1時間頑張ったらスマートフォンで動画を観る」「1日頑張ったら夜は飲む」など、自分にとって楽しいことを用意してあげましょう。勉強を頑張る自分には、頑張ったぶんの報酬を。それが、やる気アップの秘訣です。

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勉強は何歳になってもしていくべきもの。だからこそ、「記憶力がなくなった……」「集中力が保てなくなった……」「やる気が見出せなくなった……」ときに、それらを年齢のせいにするのはナンセンスです。正しく対策を立て、今後の勉強を2倍も3倍も捗らせましょう。

(参考)
プレジデントオンライン|築山節・池谷裕二―眠った力が目覚める7の習慣【2】
furi-kake|今すぐ集中できる10のコツ
THE21オンライン|脳科学から見えてきた!やる気を高める4つの方法
東洋経済オンライン|集中力アップには「3大欲求」をうまく使え

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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