勉強エキスパートは「スキマ時間」の使い方がすごい。“要約の繰り返し” で勉強密度が大きく上がる!

スキマ時間でできる効率的な勉強法01

仕事で必要な知識を仕入れたり、資格取得に向けて勉強したり、学校の試験に備えたり。私たちには、勉強しなければならない機会がたくさんあります。一方で、「勉強する時間がない……」と悩んでいる人も多いはず。日中に仕事や学校があると、まとまった勉強時間がなかなか取れないのが現実ですよね。

そんな人は、ぜひ「スキマ時間」を活用してください。職場や学校との行き帰りの時間や、帰宅後のちょっとしたタイミングをうまく使い、“スキマ時間仕様” の効率的な勉強をするのです。現役東大生などの話を参考に、その方法を紹介していきましょう。

1.「短いスキマ時間」と「長いスキマ時間」で勉強内容を変える

現役東大生で作家としても活躍する西岡壱誠氏によれば、東大生は高校時代に部活動や生徒会活動に打ち込んでいた人が多いとのこと。勉強する時間が削られそうですが……西岡氏いわく、彼らは限られた時間を有効活用する術を知っているからこそ、勉強で成果をあげられるのだそう。つまり、時間がないぶん、たとえば家から学校への行き帰りのスキマ時間を使って、英単語を暗記したり過去問演習に励んだりしているのです。

IT企業役員という面も持つ、お笑い芸人の厚切りジェイソン氏も、働きながらMBAなどさまざまな資格を取得した実績を持ちます。彼もまた、忙しい仕事の間のスキマ時間を見つけて勉強したのだそう。「時間がない」というのは、もしかしたら私たちのただの幻想なのかもしれませんね。

では、スキマ時間をどう使うのがベターなのでしょうか。厚切りジェイソン氏は、スキマ時間の「長さ」によって勉強内容を変えることをすすめています。

たとえば、働きながら資格勉強をしたい場合。電車やバスを待つ数分~10分程度の短いスキマ時間には、参考書のチェックポイントに目を通したり専門用語を見返したりするなど、ある程度手軽にできるもの。対して、昼休みなど長めのスキマ時間には、参考書を読み込んだり問題集を解いて答え合わせしたりするなど、じっくり取り組みたいもの

このように勉強内容を分ければ、時間を無駄にせず、細切れに勉強にあてられそうですよね。

スキマ時間でできる効率的な勉強法02

2. 「要約メモ術」で勉強密度を上げる

スキマ時間を使っていつも通り勉強するのもよいですが、もうひと工夫欲しかったら「要約」を取り入れるのもおすすめです。前出の西岡氏も、要約というアウトプット作業を通して理解が深まると語っています。

物事の理解度を一番きちんと測れる問いとはどんなものかと考えると、やはりその物事に対する「要するになに?」という問いだと思うのです。それに的確に答えることができれば、理解すべきことを理解していることになるわけです。

(引用元:StudyHacker|勉強効率の黄金比「3:7」が示すアウトプットの重要性。“インプットして満足” は圧倒的に時間のムダ

要約のコツはキーワードを探すこと。例として、西岡氏が著した『東大読書』(東洋経済新報社)内の以下の一節を要約してみましょう。

早速ですが、みなさんに1つ質問です。みなさんは普段本を1冊ずつ読んでいますか? それとも同時並行で複数の本を読んでいますか? 多くの人は、1冊ずつ、つまり「1冊読み終わってから次の本を読み始める」という読み方をしているのではないでしょうか。たしかに、複数の本を同時に読むのはちょっと大変そうですし、1冊終わってから次の本に移る……というほうが、本の内容は頭に入ってきそうです。しかし、1冊の本からより多くのインプットが得られるのは、「同時並行で複数の本を読む」読み方なんです! 僕はこの読み方を「検証読み」と名付けました。
(※『東大読書』より引用)

これを要約してみると「本は1冊ずつ読むのが普通だが、同時並行で複数の本を読んだほうが多くのインプットが得られる。これを「検証読み」という」といった具合でしょうか。ここでのキーワードは「検証読み」ですね。

たとえば、短いスキマ時間に目を通した参考書やテキストの内容を、長いスキマ時間でノートや手帳などに要約してみる、というのはいかがでしょうか。もし要約文がスムーズに浮かんできたら理解できているといえますし、浮かんでこなかったら大切なポイントが拾えていないということ。知識定着具合のチェックにもなりますね。

スキマ時間でできる効率的な勉強法03

3.「インターリービング」で効率を上げる

みなさんは「インターリービング」という言葉を聞いたことがありますか。もともとは、コンピューターシステムの複数台の装置の動作をずらして、並列処理を行うアクセス方式のことを指しています。そこから転じて、作業の際に、異なる内容を交互にこなすことを指すようになりました。

このインターリービング、勉強で大きな効果を発揮します。南カリフォルニア大学のロバート・ビューク教授の実験によると、ひとつの内容を長時間学習した人とインターリービング学習を行なった人とで試験の点数を比べたところ、後者のほうが高かったのだといいます。

ただし、インターリービング学習を行なう場合、内容が別々とはいえ、まったく関係ないことを勉強するのはNGとのこと。“法律の勉強” と “薬学の勉強” など、あまりにもかけ離れていてはいけません。関連性があることが大事なのです。

たとえば、社会労務士(社労士)の資格試験では、暗記問題だけではなく計算問題も出題されます。短いスキマ時間であればインターリービング学習をするまでもないですが、多少長いスキマ時間の場合は、最初に専門用語の確認、次に計算練習――など、勉強内容をこまめに変えてみるのもいいかもしれませんね。

***
スキマ時間を上手に活用し、効率よく勉強していきましょう。

(参考)
東洋経済オンライン|「文武両道の東大生」の勉強法が効率的すぎた
プレジデントオンライン|厚切りジェイソン「年収2000万の勉強法」
StudyHacker|勉強効率の黄金比「3:7」が示すアウトプットの重要性。“インプットして満足” は圧倒的に時間のムダ
西岡壱誠(2018),『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 』, 東洋経済新報社.
goo辞書|インターリーブ の意味
ダイヤモンド・オンライン|反復学習よりも効果大!学習に変化を取りいれる「インターリーブ」のすごさ

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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