「ちゃんと考えてる」はずなのに「なぜか文章にできない」人がするべき “たった3つ” のこと

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書きたいことはいっぱいあるのに、なぜか文章にできない。そんな状況に陥っていないでしょうか。この商品がどんなにいいものか、伝えたいことが山ほどある。自分なりの企画を練りに練っていて、あれもこれも提案したい。でもいざキーボードに向かうと、書けない。そんなあなたがなぜ書けないのか、そしてどうすれば書けるようになるのか、3つの方法をお伝えしましょう。

書けないのは「考え」になっていないから

いまこの記事を読んでいるあなたは、きっと「自分は十分考えている。だけど、書けないものは書けない」と思っていることでしょう。しかし『「言葉にできる」は武器になる。』著者であり、コーヒーブランド・ジョージアの「世界は誰かの仕事でできている。」など数多くのコピーを手がけたコピーライターの梅田悟司氏は、言葉にできない状態を次のように一刀両断します。

言葉にできないことは、考えていないのと同じなのです。

(引用元:ウェブ電通報|「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。 ※太字は筆者が施した)

梅田氏は、考えと言葉のあいだには「内なる言葉」があると言います。たとえば文章を読みながら「なるほど」と思ったり、「つまりこうなんだな」と考えたりして、頭のなかになんらかの言葉が出てきますよね。これが梅田氏の言う「内なる言葉」です。この時点では、実際の言葉と頭のなかで考えていることがまだ一致していない状態も含まれます。

一方、明確な文章や発言として、他人に伝わるかたちで出てくる言葉は「外に向かう言葉」。梅田氏は、この「外に向かう言葉」を生み出す前には、考えを深め、「内なる言葉」の解像度を高めることが大切だと言います。つまり、考えを文章にできない人は、たとえ考えているつもりでも、まだまだ「内なる言葉」での思考が足りていないということなのです。

そもそも、あなたのなかで言葉にすらならない考えのようなものが渦巻いているとすれば、それは「内なる言葉」以前の “もや” かもしれない――こう述べるのは、文章術に関する多数の著作をもち講演も行なう山口拓朗氏です。山口氏は、頭のなかの “もや” は言葉にして初めて文章に使える材料になると言います。

したがって、私たちが文章を書く際にまずすべきは、“もや” 状態の考えを「内なる言葉」で表現して「外へ向かう言葉」へ整えるための材料を増やすこと。では、あなたの “もや” を言葉にするプロセスを順に追っていきましょう。

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1.「主張」を決める

まず、言葉にすらなっていない “もや” 状態の考えを「内なる言葉」で表現するためには、その考えの中心=主張を明確にすることが重要です。

現役東大生著作家の西岡壱誠氏は、『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』のなかで、次のように指摘しています。

「結局何が言いたいのか」が明確じゃないと、どんなに言葉を尽くして説明しても、どんなに身振り手振りを使って話をしても、「なんとなく」しか相手に伝わらないんです。
なぜなら、話しているほうも「なんとなく」しかわかっていないから。

(引用元:西岡壱誠 (2019), 『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』, 東洋経済新報社.)

たくさん考えているつもりでも、「結局何が本当に言いたいことなのか」がわからなければ、考えはぼんやりしたままで文章になりません。文章を書きはじめる前に「本当に言いたいこと=自分の主張」をはっきりと「内なる言葉」にしておく必要があるのです。

主張を明確にしないまま書き始めた文章は、たとえば次のようになります。 

「みなさんもご存じのように、リモートワークが主流になり、ひとりで集中して仕事ができるようになったという人がいる一方、家のなかでは気が散って集中できない人もおり、そんな人のためにドリンクも頼めるリモートワーク用の個室サービスを提供しています。」

内容があちらこちらに飛んでいて、どこを最も伝えたいのかがわかりませんね。個室サービスのことを言いたいならば、前半は必要だったでしょうか。ドリンクの話も唐突です。

西岡氏いわく、主張を明確にするコツは、以下のふたつの条件を守ること。

  • 未知のものであること
  • 短くまとまっていること

相手がまだ知らない情報、聞いて「そうなんだ!」と感じる情報を、ひとことでズバッと言いきるのです。誰でも知っている情報や、「この商品のここがよくてあれがすごくてあそこが新しくて……」といった多すぎる情報は、主張には適しません。

先ほどの例なら、「自分が一番伝えたいことはひとことで言うとなんだろう……そうだ、『リモートワーク用個室サービスの便利さ』だ!」というようにして、“もや” から主張を導き出していくのです。

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2.「9マス」で洗い出す

文章の主張が決まったら、次はその主張を補強する説明が必要です。これも頭のなかではいろいろと考えているようで、実際に文章にするのは難しいでしょう。対処法を教えてくれるのは前出の山口氏。使うのは9つのマスです。

たとえば、先ほどの主張をもとにこんな文章をつくったとします。

「私たちが提供する個室サービスは、リモートワークが快適にできて便利です。」

どう快適なのか、何が便利なのか。これでは、たくさん伝えたい考えのうちのほんの少ししか書けていません。そこで役立つのが9マス。

まず、真んなかに主張を書き込みます。次に、連想ゲームのようにして周囲の8マスを言葉で埋めていきましょう。これで、頭のなかにある考えを言語化して取り出すことができます。「リモートワークに便利な個室サービス」という主張を中央に置き、まわりの8マスに具体的にどこが便利なのかを書き込んだのが、下の図です。

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(画像は筆者にて作成)

これで、 “もや” 状態だった考えが、説明に使える材料になりました。次に、そろった材料のなかから必要なものを取捨選択して、文章に落とし込んでいきます。実際の文章で8つの情報を全部使う必要はありません。たとえば以下ならどうでしょう。

「私たちは、リモートワークに便利な個室サービスを提供しています。整った通信環境と防音設備で、安心かつ快適。さらに、お部屋からドリンクも注文できます。気が散るもののないひとりの空間で、集中してデスクワークに取り組めます」

伝えたい情報が具体的に伝わる文章になりましたね。

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3. まず書いてから「直す」

ここまできても書けないという人は、不正確でもまとまっていなくてもいいので、とにかくなんらかの言葉で書いてしまいましょう

『メモの魔力』などのベストセラーを手がけた編集者の竹村俊助氏は、書けない人は「作家」ではなく「編集者」のマインドになれと言っています。

人は文章を「ゼロから生み出す」のは難しくても「すでにある文章を修正する」ことはできます。
(中略)
 まず下手でもいいから、何も気にせずダーッと伝えたいことを書きなぐる。そして、そのあと冷静になって「編集者」の立場で文章を見直して、整えていく。
 そうすればある程度の質の文章を一人で作成することができます。

(引用元:竹村俊助 (2020), 『書くのがしんどい』, 株式会社PHP研究所. ※太字は筆者が施した)

頭のなかの “もや” より、いったん言葉になったもののほうが、ずっとはっきりしていて扱いやすいはず。先の9マスの例であれば、まずは8つの情報をすべて使って書いたあと、読み返して「チェアの話はなくてもいいかな」などと思ったら容赦なく削ります。あるいは、まず「リモートワーク用個室サービスは便利です。」という主張のみを言葉にして、どんなふうに便利なのか、あとから説明をつけ加えていくこともできるでしょう。たとえば、次のように。

「リモートワーク用個室サービスを利用すれば、気が散るものもなく作業に集中できます。通信環境が整っており、壁は防音で、安心して快適に仕事が行なえるため便利です。」

最初から完璧に書く必要はありません。いったん書きなぐったあとに、「外へ向かう言葉」へ整えていけばよいのです。何もかも言葉にできないと諦めてしまうのではなく、言葉にできるところを探して、そこから少しずつ文章にしていきましょう。

***
まず一単語でも言葉にすること。これを忘れないでください。言葉にして書き出してみれば、ぼんやりしていた考えが、くっきりとまとまって、文章になっていく手応えがつかめるはずです。

(参考)
ウェブ電通報|「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。
西岡壱誠 (2019), 『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』, 東洋経済新報社.
リクナビNEXT|“仕事の精度”がグッと上がる!文を書くための「9マス文章術」とは?
竹村俊助 (2020), 『書くのがしんどい』, 株式会社PHP研究所.

【ライタープロフィール】
梁木 みのり
早稲田大学文化構想学部在籍。福岡県筑紫女学園高校出身。高校時代から文芸部に所属し、小説を書いている。現在大学では、文芸・ジャーナリズム論系に進むためテクスト論を中心に日々勉強中。

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