「週末勉強vs平日勉強」学習効果の違いや向き不向きってあるの? 徹底的に考えてみました

週末勉強と平日勉強の使い分け方01

「平日は忙しいので、週末にまとめて勉強する」という週末勉強。「週末はパーッと遊びたいから、平日のうちに勉強する」という平日勉強。両者のあいだには、学習効果にどんな違いがあるのでしょうか? 今回は、週末勉強と平日勉強それぞれのメリットをお伝えします。あなたに本当に合った勉強スタイルを見つけてください。

週末勉強のいいところ

週末勉強のいいところは、なんといってもまとまった時間がとれること。忙しい合間に行なう平日勉強の場合、じっくり机に向かうのは難しく、せいぜい本や単語帳をめくるのでせいいっぱいといったところでしょう。その点、長い時間机に向かえる週末勉強では、平日勉強ではできないような、学習効果を高めるための勉強をすることができます

たとえば、「アウトプット中心の勉強」というのがその一例。パデュー大学教授のJeffrey D. Karpicke氏が、ワシントン大学の学生にスワヒリ語の単語を40個覚えさせ、その後複数回テストをするという実験を行ないました。学生たちは、2回目以降のテストで「前回間違った単語だけ」が出題される2グループと、「すべての単語」が出題される2グループの、計4グループに分けられたそう。

その結果、40単語すべてを覚えるのにかかった時間はほぼ一緒だったのですが、1週間後にどれだけ覚えているかをテストしたとき、大きな差が現れたとのこと。前者のグループは35%ほどの点数だった一方で、後者のグループの点数は約80%だったそうです。この実験から、一度覚えたことでも、アウトプットをしなければ長く記憶に定着しないということがわかります。

平日に本や単語帳をめくってインプットした知識を、週末のまとまった時間を利用して、テストしたりノートに書き出したりしてアウトプットする。それによって、記憶の定着度合いを高められるのが、週末勉強のよさだと言えるでしょう。

週末勉強と平日勉強の使い分け方02

平日勉強のいいところ

平日勉強のメリットは、勉強を習慣にできるという点です。ビジネスパーソンが平日に勉強するとき、日常のスキマ時間を使うケースは多いもの。たとえば、通勤電車のなかやランチ後の空き時間で、新聞を読んだり動画教材を見たりするようなことです。

習慣化コンサルタントの古川武士氏いわく、「電車では○○の勉強をする」「ランチ後には××を読む」といった具合に「いつ、どこで、なにを勉強するのか」を決めることが勉強の習慣化には効果的とのこと。平日の日常生活に勉強を取り入れることで、おのずと勉強が習慣になるというわけです。

しかも、勉強の習慣化は「1分単位」でも可能。脳科学者の茂木健一郎氏は、勉強を習慣化するには、「勉強するなら30分はやらなきゃ」ではなく「1分あれば単語を1つ覚えられるな」という考え方で取り組むといいと言います。

たとえ数分しか確保できないとしても、その時間は勉強すると決めて、勉強を毎日の習慣にする。それができるのが、平日勉強のよさだと言えるのです。

週末勉強と平日勉強の使い分け方03

平日or週末、使い分けるなら「目的」を意識して

週末勉強と平日勉強のメリットをお伝えしましたが、もちろんデメリットもあります。たとえば下記のような点は容易に考えられますね。

  • 週末勉強:長時間の勉強が苦手な人だと、集中力が続かない。週末に予定が多く入りがちな人だと、そもそも勉強時間が確保できない。
  • 平日勉強:急な仕事が入って勉強の予定が狂う。電車のなかで勉強すると決めていても、疲れて寝てしまい勉強できなくなる。

上記のことに加え、勉強の目標によっても、週末勉強と平日勉強には向き不向きがあるようです。

作業療法士の菅原洋平氏によると、まとまった時間に集中的に勉強する場合(この記事で言う週末勉強)と、コツコツ積み重ねるように勉強する場合(平日勉強)における、学習成果の違いを確かめた実験があるとのこと。それに基づくと、次の結論が導けるそうです。

  • 試験に合格しさえすればそれでいい場合(例:定期テストや受験など)
    →週末勉強でも平日勉強でも、どちらでもよい
  • 試験後も、知識を仕事などで長く使う場合(例:業務知識、仕事のスキルなど)
    →平日勉強でコツコツ学ぶほうがよい

ビジネスパーソンの多くは、長い目で見て仕事力を向上させるために勉強するわけですから、平日のコツコツ勉強を決して疎かにはしないほうがよいということ。菅原氏は、まとまった時間にだけ勉強しようと考えるのではなく、時間があるタイミングで少しずつ勉強を積み重ねることが大事だとまとめています。

週末勉強と平日勉強の使い分け方04

週末勉強と平日勉強、あなたにはどちらが合ってる?

以上のことを踏まえつつ、週末勉強と平日勉強のおすすめのスタイルを提案したいと思います。

週末勉強をするなら……

週末にある程度時間が確保できて、長時間勉強することが苦にならない方は、パナソニック創業者・松下幸之助氏による1日教養・1日休養を実践してはいかがでしょうか?

じつは松下氏は、日本の企業に初めて週休2日制を導入した人物。その狙いは「1日教養・1日休養」のため、つまり、休日を単に休むためだけでなく、自らの向上のためにも使うことができるようにするためだったそうです。松下氏は、自己研鑽が仕事で成果を出すための義務だと考えていました。ですからみなさんも、2日間ある週末のうち少なくとも1日は、自己成長につながることを学ぶといいと思います。

また、学習効率を上げるために、ときには家以外で勉強してみるのも一手です。イリノイ大学教授のRavi Metah氏らの研究により、カフェなどの適度な環境音がある場所で勉強すると集中力が増すことが明らかになっているとのこと。

ただし、週末に勉強するからといって平日に勉強しなくていいわけではありませんから、その点は忘れないでください。

週末勉強と平日勉強の使い分け方05

平日勉強をするなら……

週末にまとまった時間がとりにくい人や、毎日の勉強を習慣化したい人は、ぜひ平日勉強をしましょう。ここでご紹介したいのが、ビル・ゲイツ氏ら世界の名だたる一流が実践する5時間ルールです。

これは、学習のための時間を平日1日あたり1時間、1週間で合計5時間確保するルールのこと。ゲイツ氏らは、仕事の時間をやりくりして短くし、時間を捻出しているそう。その時間で、読書をして新しい情報をインプットしたり、思考を深めてアイデアをつくり上げたり、そのアイデアを実際に試したりしているのだとか。

長く使える知識を得たい場合、コツコツ勉強を積み重ねるべきであることは先述のとおり。ビジネスで生かせる知識やスキルを得たいという目的があるなら、この「5時間ルール」を意識して、学びを積み重ねていきましょう

1日1時間を確保するには、先に述べた「いつ、どこで、なにを勉強するのか」を決めることに加えて、スキマ時間の長さに応じてするべき行動を事前に決めることも有効です。これは、元トヨタのメカニックで、トヨタ式の時短術を説いた著書をもつ原マサヒコ氏がすすめること。スキマ時間が5分できたら用語集を開く、10分なら参考書を開く、といった行動を決めておくと、不意に生まれたスキマ時間も有効活用できるでしょう。

加えて、週末に少しでもいいので時間をとり、平日にインプットした知識を必ずアウトプットするようにしましょう。平日と週末の両方の勉強が大切ですよ。

***
勉強の目的やライフスタイルに合わせて、週末勉強と平日勉強を上手に使い分け、組み合わせてください。平日も週末もちょっとでも勉強して、優秀なビジネスパーソンになりましょう。

(参考)
Karpicke, Jeffrey D. and Henry L. Roediger III (2008), "The Critical Importance of Retrieval for Learning," Science, 319, pp. 966-968.
STUDY HACKER|勉強・読書……インプット行動を習慣化するテクニック——習慣化コンサルタント・古川武士さんインタビュー【第3回】
THE21オンライン|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方
新R25|「1つの勉強をじっくり」VS「違う勉強を同時進行」…脳をうまく使った効率的な勉強法は?
ダ・ヴィンチニュース|3年後「成功する人」と「しない人」の“週休2日の過ごし方”の違いとは? 【松下幸之助に学ぶ「ワークライフバランス」の本
NewsPicks|ビル・ゲイツも実践、成功者の「5時間ルール」を手に入れる5つの習慣
Chief Learning Officer Magazine|The mindset of a lifelong learner
東洋経済オンライン|デキる人は5分の「スキマ時間」をこう使う
Ravi Metah, Rui Juliet Zhu, et al. (2012), "Is Noise Always Bad? Exploring the Effects of Ambient Noise on Creative Cognition", Journal of Consumer Research, Vol. 39, No. 4, pp.784-799.

【ライタープロフィール】
渡部泰弘
大阪桐蔭高校出身。テンプル大学で経済学を専攻。外出時は常にPodcastとradikoを愛用するヘビーリスナー。

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