“医学博士×ハーバード留学×MBA取得” を実現。勉強の達人が教える「集中力持続法」

猪俣武範先生インタビュー「勉強の達人が教える集中力持続法」01

勉強をするうえで大切な力にはさまざまなものがありますが、最も重要なもののひとつが「集中力」。特に、多忙なビジネスパーソンの場合、仕事の疲労によってどうしても集中力が削がれてしまい、なかなか勉強の成果を出せないという人もいるはずです。

医師として働きながらハーバード大学へ留学し、並行してボストン大学でMBAを取得した眼科医の猪俣武範(いのまた・たけのり)先生は、「目標さえしっかり見えていれば、自分なりの集中力アップ法が見つかる」と言います。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

集中力持続の鍵は「スモールウィン」と「シングルタスク」

集中力が続かない人のひとつの特徴として、「小さな目標」を立てられていないということがあります。これは、スモールウィン(small win)という考え方によるもの。イメージしやすいと思いますが、人は次々に達成感を得られることなら長時間にわたって続けても苦に感じません。すなわち、集中できるのです。

達成感を得るためには、なんらかの目標を設定しておく必要があります。そして、次々に達成感を得られることが大切なのですから、その目標は小さいほどいい。同じテキストを使って勉強するにも、「1カ月でこのテキストを終わらせる」といった目標を立ててしまっては、達成感を得られるのは1カ月後になってしまいます。1カ月ものあいだ、集中し続けるのは無理というものです。

そうではなく、「10分後までに○ページまで終わらせる」「そのあとの10分で△ページまで終わらせる」などのように、1日の勉強時間のうちに何度も達成感を得られるような小さな目標を設定しておくのです。そうすれば、「最初の目標を達成した!」「よし、次だ!」と、常に達成感を得ながら集中力を持続できます。

また、シングルタスクを心がけることも大切。人間の脳は、基本的にマルチタスクが苦手だからです。「あれもこれもやらなければ……」と複数の勉強を並行して進めようとするのではなく、「いまはこれだけをやる!」と決めた勉強だけに集中する。そして、その勉強に飽きて集中力が下がってきたら新たな別の勉強に取りかかる。そうすれば、勉強の切り替えのタイミングで集中力が復活し、結果的に集中力を持続させることが可能です。

猪俣武範先生インタビュー「勉強の達人が教える集中力持続法」02

最終的には、自分なりの勉強法を見つけることが最重要

ただ、これらはあくまで「一般的には」という条件つきのメソッドです。私自身、マルチタスクで勉強するときもありますし、結局のところは、自分自身に合った勉強法を見つけることが、集中力を持続するためにはなにより大切なのだと思います。

そして、そうするために最も大切なのは、先に触れた小さな目標を設定するためにも重要となる中長期的な目標を掲げておくことでしょう。自分のやりたいことがはっきりと見えていたなら、その達成のために必要なことや勉強法はおのずと見えてきますし、「やりたいことを達成したい!」という思いがモチベーションや集中力を生んでくれるからです。

これは、勉強をゲームに例えてみるとわかりやすいかもしれません。RPG(ロール・プレイング・ゲーム)と呼ばれるジャンルのゲームのなかには、敵のボスを倒すためにいわゆる「レベル上げ」という作業が必要なものもあります。自分が操るキャラクターの攻撃力や守備力がある一定のレベルに達していなければ、ボスを倒すのは非常に困難だからです。

ところが、このレベル上げは、ただただ数多くの敵キャラクターを倒すという単調なもの。それこそ「作業」です。でも、「ボスを倒したい!」という大きな目標をもっているからこそ、プレーヤーはその作業に集中することができる。その先の目標をもたないままでレベルを上げることそのものに集中できる人は、そうはいないはずです。

猪俣武範先生インタビュー「勉強の達人が教える集中力持続法」03

休肝日ならぬ「休眼日」で集中力を持続させる

最後に、眼科医として私からアドバイスをしておきましょう。集中力を維持するには、体調管理だってとても大切。スマートフォンやパソコンなどデジタルデバイスを使う時間が増加しているいまは、ドライアイや眼精疲労の増加が問題となっており、それらが勉強や仕事の生産性と集中力を下げることが実証されています。

そこでまずは、勉強や仕事で使うパソコンのモニターの角度、椅子やデスクの高さに注意してほしいと思います。具体的には、視線がやや下向きになる角度でモニターを見られるように設定してください。そうすれば、上まぶたが眼球に重なり、ドライアイや眼精疲労になりにくくなります。

それから、休肝日ならぬ「休眼日」を設けることも考えてほしいですね。特にテレワークが増えているいまなら、これまでは対面で行なっていた会議や面談もZoomなどウェブ会議ツールを使って行なっている人もいるでしょう。また、在宅時間が増えているために、仕事以外の時間もテレビを観たりタブレットなどで動画サービスを楽しんだりしている人も多いはずです。これまでより多くの負担を目にかけている人が増えているのです。

そこで、週に1日でいいので、スマホなどデジタルデバイスを使う時間を極力減らす休眼日を設けてほしいのです。集中力を高めるためということはもちろんですが、ウィズコロナの時代、あるいはアフターコロナの時代にみなさんの目を守るためにも、これまで以上に意識的にアイケアを心がけてほしいと眼科医として願っています。

猪俣武範先生インタビュー「勉強の達人が教える集中力持続法」04

【猪俣武範先生 ほかのインタビュー記事はこちら】
医師をしながらハーバード大&ボストン大で学んだ眼科医が語る「勉強で最も大切なこと」
社会人は「1日48分」を“○○”の勉強にあてよ。超多忙でも時間を確保する工夫とは

【プロフィール】
猪俣武範(いのまた・たけのり)
1981年5月21日、千葉県生まれ。眼科医。2006年、順天堂大学医学部医学科卒業。2008年、東京大学附属東大病院初期臨床研修医修了。2012年、順天堂大学大学院医学研究科眼科学にて医学博士号取得。2012年からハーバード大学医学部眼科スケペンス眼研究所へ留学。留学中にはボストン大学経営学部Questrom School of BusinessでMBA取得。2015年から順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科准教授。2020年5月からは順天堂大学大学院デジタル医療講座准教授を兼任し、臨床、研究、教育、経営に携わる。2016年より一般社団法人IoMT学会を設立。代表理事に就任し、医療とIoTの発展をリードする。2017年から2019年まで厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員も務めた。主な著書に『医者と弁護士が知っている 日本の病院 7つのなぜ』(クロスメディア・パブリッシング)、『限られた時間で最大の成果をあげる 最強の勉強法』、『医師が実行している 最強の休息法』、『ハーバード☓MBA☓医師 働く人のための 最強の休息法』、『ハーバード☓MBA☓医師 目標を次々に達成する人の 最強の勉強法』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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