あなたも絶対やっている、休日の「脳に最悪」な4つの習慣。“あの行動” が疲れを呼び込んでいる

休日の「脳に最悪」なX個の習慣01

休日はどのように過ごしていますか? 多くのビジネスパーソンに共通するであろう休日の習慣のなかに、じつは脳にとって最悪なものがあるのです。

休日の過ごし方に気をつけなければ、仕事のパフォーマンスや、人生全体の満足度も下がってしまうかもしれません。今回は、やりがちだけどじつは脳に悪影響な休日の行動をご紹介します。

1. 休日も長時間仕事をする

休みの日にも、長時間仕事をしている……。そんなあなたの脳では「ワーキングメモリ」という能力が低下しているかもしれません。

ワーキングメモリとは、短時間、脳のなかに情報を留めておく能力のこと。この能力が高いと、集中力自己コントロール能力が高く、感情のコントロール記憶力にも優れているとされます。『脳を鍛えると生産性が上がる』の著者でプロパズル作家の北村良子氏によると、脳の疲労が、ワーキングメモリの低下を招くそう。休まずに仕事ばかりして脳に情報を処理し続けさせることは、脳の疲労につながります。そのため、ワーキングメモリが低下してしまうのです。

とはいえ、どうしても休日に仕事をしなければならない場合もありますよね。そういうときにおすすめなのは、1日中ダラダラと仕事をするのではなく、制限時間を設けることです。決めた時間内に仕事をこなし、残りの時間で意識的にワーキングメモリの回復を図りましょう

ワーキングメモリを回復させるには、いつもと違う行動をすることが効果的です。たとえば、「普段は行きつけの店でお茶をするけれど、今日は新しくオープンしたカフェに行ってみよう」「朝ごはんは洋食派だけど今日は和食にしてみよう」「自分では選ばない映画だけど、友だちがすすめていたから観てみよう」など。

北村氏によると「普段しないようなことを思いきってやってみる」というのが脳にとってよい刺激になり、ワーキングメモリの回復力が高まるそう。ぜひ取り入れてみてくださいね。

休日の「脳に最悪」なX個の習慣02

2. 遅寝遅起きで寝だめする

平日の寝不足を返上するために寝だめしていませんか? 週末は昼過ぎまで寝るのが当たり前……なんて人は要注意です。

作業療法士の菅原洋平氏によると、平日と休日の起床時間が3時間以上ずれると、脳のコンディションが下がり、イライラ、意欲の低下、頭痛などの症状を招くそうです。これは、起床に関係するホルモンのコルチゾールが適切に分泌されなくなるため。平日7時に起きている人は、休日は遅くとも10時までには起きるようにしましょう。

また、起きる時間だけでなく、寝る時間にも気をつける必要が。これには「睡眠のコアタイム」という考え方が関係しています。睡眠のコアタイムとは、毎日必ず寝ている時間帯のこと。たとえば、平日は0時に寝て7時に起き、週末は3時に寝て10時に起きる人の場合、コアタイムは午前3時から7時の4時間になります。

菅原氏によると、コアタイムは5時間以上確保する必要があるそう。コアタイムが短いと、睡眠のリズムが崩れやすくなるほか、睡眠と覚醒の差が曖昧になり、「夜はぐっすり眠れず、日中は眠い」という状態になってしまうと言います。

脳に悪影響を与えないために、コアタイムは5時間以上確保し、起床時間は3時間以上ずらさないことを意識して、休みの日の睡眠を計画しましょう。

休日の「脳に最悪」なX個の習慣03

3. 疲れているからと「ひたすらダラダラ」する

「休日はゴロゴロして疲れを癒やそう」という考えは、改めたほうがよさそうです。スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクターの山田知生氏によると、じっとしていると脳が疲れを呼び込んでしまうそう。

山田氏いわく、脳をはじめとする中枢神経は、もともと体を移動させるためにできているもの。体を動かさずにダラダラすることは、そんな脳の本来の性質に背くことになるのです。また、昼にじっとしていると交感神経を優位にさせられず、夜になってから副交感神経を優位にさせる切り替えがうまくできなくなる結果、よく眠れなくなってしまうのだとか。疲れをとろうとダラダラしたにもかかわらず、余計に疲れがたまった状態で週明けを迎えるのはもったいないですよね。

そこで、疲れをとるための休日の過ごし方として「アクティブレスト」がおすすめです。アクティブレストとは、あえて体を動かすことで疲労回復を促すこと。

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの西村典子氏は、アクティブレストの例として軽いウォーキングやストレッチ、スイミングなどをすすめています。息切れするほどの運動だと疲れてしまうため、心地よい程度に体を動かすといいそう。

いつもダラダラして休日が終わってしまうという人は、体を軽く動かしてみてくださいね。

休日の「脳に最悪」なX個の習慣04

4. 平日のストレスを解消せずに放置する

仕事中は、誰しも多かれ少なかれストレスを感じていることでしょう。ストレスは必ずしも害ではありませんし、生きていれば避けられないものです。しかし、たまっていくストレスを長期間放置するのは、心身の不調を招くもと。生理学者で京都大学名誉教授の久保田競氏によると、ストレスが異常なほど強くなり、長く続く場合は、脳に悪影響を及ぼしてしまうそう。

ストレスを長く受けすぎると、ストレスホルモンでもあるコルチゾールが過剰に分泌されます。それが脳にも作用し、神経細胞の減少による問題解決能力の低下や、海馬の萎縮による記憶力の低下など、さまざまな不調を招くことに。ストレスを放置すると、脳の働きは悪くなってしまうのです。

ストレスは、一定の度合いを超える前に対処していくことが大切。休日に意識的にストレス発散しましょう。そのためには、自分なりのストレス対処法をもっておくことがポイントです。ベストセラー『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者ムーギー・キム氏によると、一流の人ほど、自分に合ったストレス解消法を見つけているそう。ストレスへの対処法をもっているかどうかは、長期的に健康に働くために重要なのだとか。

打ち込める趣味などがない人におすすめなのは、「グリーンエクササイズ」です。方法は簡単で、緑のなかで軽く体を動かすだけ。

英国エセックス大学の研究者らが、1,250名の被験者を対象に行なった調査によると、たった5分間、自然のなかで運動するだけで気分がよくなり、自信を得る効果が見られたのだとか。運動を始めて最初の5分間でメンタル面に大きな変化が見られ、その後も緩やかに状態がよくなっていったそう。

また、千葉大学環境健康フィールド科学センターの研究チームが、被験者を「森を15分散策するグループ」と「都市の中心部を15分歩くグループ」の2つに分けて調査したところ、森を散策したグループはコルチゾールが16%減少し、血圧は2%、心拍数は4%低下したのだとか。

ストレスを和らげたい人にとって、緑は非常に効果的なのです。休日に近所の公園で散歩するだけでも、効果的なストレス発散になるでしょう。

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平日は頑張っているけれど、休日の過ごし方にはあまりこだわらない。そのような人は多いかと思います。しかし、脳に悪影響を及ぼす習慣には要注意です。今回ご紹介した項目で心当たりのあった人は、ぜひ改善してみてくださいね。

(参考)
Mentalist DaiGo Official Blog|努力や練習が報われない理由と【唯一の科学的に正しい努力の方法】
マイナビ転職|生産性の高い人材育成に効果的!ワーキングメモリを鍛えるといい理由
プレジデントオンライン|"6つのお悩み別"あなたの「睡眠問題」解消法
Lightworks Blog|疲労回復のカギ握るアクティブレストとは デキる人は休むのもうまい
All About|アクティブレストとは…疲労回復に効果的な積極的休養
東洋経済オンライン|休日に動かない人ほど疲れが取れないワケ
Wedge Infinity|「脳に良い習慣」で人生を活性化しよう!
東洋経済オンライン|休日にバレる「仕事も人生も二流の人」の末路
BBC News|'Green' exercise quickly 'boosts mental health'
ナショナルジオグラフィック日本版サイト|自然に癒される

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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