「いまの仕事、あまりおもしろくないなあ……」
「かといって、やりたいことが特別あるわけでもないし……」
こんなふうに、「自分のやりたいことがわからない」とモヤモヤしてしまうのは、よくある悩みですよね。
あとで人生を振り返ったときに後悔しないためにも、やはりやりがいを感じられることに関わっていきたいもの。また、どうせ毎日仕事をするのであれば、興味関心の高いことのほうが熱意をもって飽きずに取り組めますよね。そこで今回は、やりたいことを見つけるために自分に投げかけてほしい「3つの質問」をご紹介しましょう。
【質問1】時間を忘れて/我を忘れて没頭していたことは何か?
「やりたいことができていない」と感じる日々を過ごしていたとしても、我を忘れて何かに没頭したという「フロー状態」に入った経験をもっている人は少なくないはず。メンタリストとして活躍するDaiGo氏は、人は “好きなこと” に取り組んでいるときに比較的簡単にフロー状態に入れると指摘します。フロー状態に入ったという経験が、自分の好きなことを発見するヒントになりうるのです。
たとえば、「上司から頼まれた市場リサーチ作業をした際に、時間が経つのも忘れるぐらいだった」という経験をおもちならば、情報収集や分析がかなり性に合っているのかも。あるいは、「スライドを作成している最中は、人に話しかけられても聞こえないほどだ」というのであれば、じつは資料作成が天職なのかもしれません。そして、その背後には「自分はこのタスクがわりと好きだ」という気持ちがきっと隠れています。
こういった示唆が得られれば、周囲へ積極的に働きかけて、抵抗なく取り組める自分に合ったタスクを自ら取りに行くといったこともできそうですね。仕事を好きなことに寄せていきやすくなるはずです。
【質問2】嫉妬の炎が最も燃え上がるのはどんなときか?
嫉妬心と向き合うのは、自分のなかのどろどろとした部分を見ることになるため、大変な作業かもしれません。しかし前出の中越氏は、これを行なうことで自分が本当に欲しいものに気づけると述べます。
そもそも人間は、現実感がなく絶対に無理だと思うものには嫉妬しません。デキる同僚に激しく嫉妬することはあれど、年齢もキャリアもかけ離れているデキる大先輩に嫉妬するケースはあまりありませんよね。中越氏は、実現可能だと無意識的に感じるものに嫉妬すると指摘します。つまり嫉妬心は、どこかで「自分もそれができたらいいのに」「自分もそれをやりたいのに」と感じている証拠だというわけです。
普段仕事をしていて嫉妬を感じるのはどんなときでしょうか。たとえば、プレゼンをばりばりこなしている同僚に嫉妬するのであれば、自分もプレゼンをしたいと心のどこかで思っているのかもしれません。文章作成を任されている後輩に嫉妬するのであれば、じつは普段の仕事でもっと文章を書きたいと思っているのかも。嫉妬のなかに自分がやりたいことが隠れていないか探してみてください。
【質問3】やり残したことはないか?
中越氏は、やりたいことを見つけるには、精神科医フレデリック ・パールズ氏が提唱する「未完の行為」に注目することをすすめています。ここでの「未完の行為」とは、ひらたく言えば人生でやり残したこと。
過去を引きずっている状態では、まったく新しいやりたいことを見つけるのはそもそも困難――中越氏はこう示唆しています。いまのあなたがやりたいことを見つけられないのは、過去に置き忘れてきた夢や願望がそのままになっているからかもしれませんよ。
たとえば、学生時代に海外留学したかったけれどもできなかったことが心残りなのであれば、英語を勉強し直して海外赴任のチャンスをうかがうのもありですね。マスコミ系の仕事に就きたかったのに採用倍率が高く叶わなかったのであれば、普段の仕事で情報発信できる機会がないか探してみるのも手でしょう。やり残して後悔しているものが、そのままいまのあなたにとってのやりたいことかもしれないのです。
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やりたいことを見つけるための3つの質問をご紹介しました。最初は漠然としていても大丈夫。ざっくり方向性を定めて行動に表していけば、やりたいことの像は徐々に具体的になっていくはずです。日々の仕事をもっとやりがいのあるものにするためにも、「やりたいことがわからない」状態から脱出しましょう!
(参考)
メンタリストDaiGo(2019),『「好き」を「お金」に変える心理学』, PHP研究所.
中越裕史(2016),『好きなことが天職になる心理学』, PHP研究所.
中越裕史(2019),『やりたいこと探し専門心理カウンセラーの 日本一やさしい天職の見つけ方』, PHP研究所.
【ライタープロフィール】
SHOICHI
大学院修了後、一般企業に就職。現在は会社を辞め、執筆活動をしている。読書、音楽、YouTubeが好き。