自己肯定感を高めてくれる「10の質問」に答えてみた。“自分の過去” を書き出してわかった大切なこと

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「いつもネガティブに物事を考えてしまう……」
「自分にいいところなんてあるのだろうか……」

こういった悩みを抱えている人には、自己肯定感を高めてくれる「10の質問」に答えることをおすすめします。自分をなかなかポジティブにとらえられない筆者が、実際に「10の質問」に回答してみました。ひとつの例として参考にしてください。

「10の質問」とは?

「10の質問」とは、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会代表理事を務める工藤紀子氏が提唱する、自分のことをポジティブにとらえ、自己肯定感を高めるための自己対話メソッドです。

私たちは往々にして、いい記憶よりも悪い記憶のほうを思い出してしまいがち。工藤氏は、そういった過去と自分自身との関係をよいものにするための方法を考案しました。それが、自分の長所や短所、失敗を含む「等身大の自分」について、過去の出来事を通して自分を客観的に見つめていくための「10の質問」です。

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自分自身に「10の質問」をするときには、質問に対する答えを頭のなかでただ考えるだけではなく、必ず文字として書き出してみることが重要なのだとか。

私たちが普段考えていることのなかには、明確に言語化されておらず曖昧なものもたくさんあります。たとえば、友人とけんかになってしまった場面。けんかをしている際は、主観的に怒ることしかできないため、「どうして自分は相手に対して怒りの感情をもっているのか」について理由を客観的に考えられません。

しかし、時間を空けてから、相手に対して怒っている理由を具体的に書いてみると、その理由自体はもう気にしていなかったり、こんな小さなことで怒っていたのかと気づいたりしますよね。つまり、自分のことを客観視できるようになっているのです。

言語化は、最初のうちは適切な言葉が見つからず難しいかもしれません。しかし、自分自身をうまくとらえるためにも、「10の質問」への答えは紙に書き出すべきなのです。

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実際に「10の質問」へ答えてみた

というわけで、筆者も実際に「10の質問」へ回答してみました。

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普段は自分のよい面にあまり目を向けていなかったため、「10の質問」を実践している最中は、少し恥ずかしく感じました。

自己肯定感は、自分自身の長所や今までの行ないから見いだしていくものです。しかし、他人から見ると、高すぎる自己肯定感は自慢とも受け取られかねません。

オハイオ州立大学のブラッド・ブッシュマン氏の研究では、自分自身の長所を認めすぎると、「自分は優れている=自分以外は優れていない」という間違った認識が生まれてしまう可能性があり、「ナルシシズム」のイメージと結びつきやすいことがわかっています。筆者自身もそれを恐れ、自分のよいところについてあまり考えたことがありませんでした。

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今回「10の質問」を通して、自分の長所や過去の行ないを改めて振り返ったことで、自分の持っている自己肯定感が決して自慢に当たらないこと、さらに、自分が普段どういったことを意識して生活しているのかについても客観的に知れたと思います。

「10の質問」をこれから実践しようと思われる方は、自分の長所を書き出すことに、初めは若干の抵抗を覚えるかもしれません。しかし、一度思いきってやってみることで、今まで知らなかった、もしくは意図的に避けていた自分を知れるいいきっかけになるのではないでしょうか。「10の質問」は「過去の自分を上から見るようなイメージ」で行なうと、より客観的に実践しやすくなりますよ。

***
自己肯定感が低すぎることによる極端な悲観は、自分の気持ちを落ち込ませてしまいます。「10の質問」は、自己肯定感を高めて維持してくれる「あなただけの」メンタルコーチかも。ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか?

(参考)
STUDY HACKER|ポジティブもネガティブも言語化する。自己肯定感を高めるための3つの「紙に書く習慣」
Joshua Morrison Smyth, Rebecca Helm (2003), "Focused expressive writing as self-help for stress and trauma", Journal of clinical psychology Vol. 59, No. 2, pp.227-235.
Brad J Bushman, Roy Baumeister (1998), "Threatened Egotism, Narcissism, Self-Esteem, and Direct and Displaced Aggression: Does Self-Love or Self-Hate Lead to Violence?", Journal of Personality and Social Psychology, Vol. 75, No.1, pp.219-229.
東洋経済オンライン|自己肯定感を高めるための具体的な5ステップ

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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