究極の自己実現ツール「宝地図」。繰り返し見るだけで“夢”が叶う、その根拠とは

望月俊孝さんインタビュー「自己実現ツール『宝地図』の作り方」01

みなさんには「夢」がありますか? 夢だけに、「どうせ叶いっこない……」と最初から諦めている人もいるかもしれません。でも、書き出した夢を繰り返し見るだけで、夢は叶う!と言われたらどうでしょうか。その自己実現法「宝地図」によって人生を大きく変えたのが、ビジネス書や自己啓発書でヒット作を生んでいるベストセラー作家でもある望月俊孝(もちづき・としたか)さん宝地図で夢が叶う根拠、そして宝地図の作成方法を教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/玉井美世子

多くの人が、時間の80%を「どうでもいいこと」に使っている

みなさんは「80対20の法則」というものを聞いたことがあるでしょうか? イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが発見し、「パレートの法則」とも呼ばれています。その内容は、「成果の80%は、重要な20%の努力や時間から生まれる」「重要な20%に力を入れると目覚ましい成果が挙がる」というものです。ここで、重要な20%の努力や時間が成果を生む効率と、重要ではない80%の努力や時間が成果を生む効率を比べてみましょう。

すべての努力や時間が等しく成果を生む場合、つまり「1%の努力で1%の成果を挙げるケース」と比べると、重要な20%の努力や時間が全体の80%の成果を生む効率は「4倍」となります。一方、重要ではない80%の努力や時間が20%の成果を生む効率は「4分の1」です。「4倍」と「4分の1」を比べると、効率は「16倍」もの違いになります。

私たちは限られた時間のうち、じつに80%を「どうでもいいこと」に使っているのです。「そんなバカな!」と思われたとしても、昨日を振り返って、16倍とまでは言わなくとも、3倍、5倍の「費用対効果」を生んでいる時間がどのくらいあったかを考えてみてください。胸を張って「重要なことに集中していたよ」と言える時間は少ないのではないでしょうか? それでは、なかなか成果を挙げられない、つまり大きな成功をつかめません。

望月俊孝さんインタビュー「自己実現ツール『宝地図』の作り方」02

目標を立てても目に見えなければ意味がない

では、どうすればいいのか。単純に、どうでもいいことに使っている時間を減らし、成功をつかむために使う時間を増やせばいいのです。そのために大切となってくるのが、「目標」や「意図」です。それがなければ、成功をつかむためにやるべきことがそもそも見えてこないからです。

でも、この記事のタイトルが気になったみなさんは、それこそ「自己実現したい」と思っているでしょうから、すでに目標や意図を持っているはず。ところが、その目標をどれだけ実生活に落とし込んで生かせているかとなると、別問題です。

たとえば、年始に立てた目標を今年の手帳の1ページ目に書いたという人はいませんか? でも、1年間のうちに、手帳の1ページ目を何度開くのでしょうか。おそらく、その目標を目にすることはほとんどないはずです。

そうではなく、目標は常に目に見えるようにしておかなければなりません。というのも、「人間が周囲のものを把握するとき、その87%を五感のうちの視覚に頼っている」という研究結果があるからです。つまり、目に見えないものはなかなか認識できないわけです。これが、私が日本で広めている自己実現ツールである「宝地図」のベースにある考え方です。

望月俊孝さんインタビュー「自己実現ツール『宝地図』の作り方」03

未来だけではなく、過去に目を向けることも重要

宝地図の作成方法を解説します。いまお伝えしたように、宝地図では視覚を重視しますので、ビジュアルが重要となります。あなたがなりたい自分、夢を叶えた未来の自分をビジュアルで表現するのです。「こんな車が欲しい」「こんな家を建てたい」という願望があるのなら、その写真も貼りましょう。

もちろん、文字を使ってもかまいません。ただ、やはりビジュアルが大切ですから、文字を使うにも、スーパーや書店のPOP広告のように、ちょっと派手で目立つようにしましょう。そうすることで、より強く脳に自分の将来のイメージを刷り込むことができます。

ただ、あまりに遠い未来のことだったり壮大な目標だったりすると、実際の行動になかなか落とし込めないということもあります。そこで、付箋を使ってみましょう。たとえばアスリートの場合なら、その週、あるいはその日にやるトレーニングを付箋に書き込み、宝地図に貼りつけるのです。宝地図が長期目標、付箋が短期目標というわけです。

それから、「過去の嬉しかった瞬間の画像」を貼っておくことも大切です。なぜなら、それが自信を高めることにつながるから。どんな人にも、過去にすごく頑張ったときや輝いていたときがあるものです。でも、時間が経つうちにそのことを忘れてしまう。特に、仕事熱心なビジネスパーソンの場合、なにか実績を出したときにはよろこんでも、すぐに忘れて「よし、次だ!」と考えがちですよね。そして、それを繰り返すうちに燃え尽きてしまうこともあります。

そうなることを防ぐため、「いますでに持っている宝物」に目を向けるのです。それが、過去のすごく頑張った自分。輝いていたときのことを思い出せば、「あの頃の自分でもあんなに頑張れた」「いまの自分は、あのときより経験もスキルも上がっているんだから、もっとやれる!」と思えて自信を持ち、モチベーションを持続させられるのです。

望月俊孝さんインタビュー「自己実現ツール『宝地図』の作り方」04

「BE、DO、HAVE」の視点で「よろこび」に着目する

みなさんのために、もう少し具体的に解説します。たとえば、「いまの会社でなるべく早く昇進したい」と思っているビジネスパーソンの宝地図を考えてみましょう。このとき、昇進することで得られる「よろこび」に目を向けることがポイントです。そのよろこびは、「BE、DO、HAVE」という3つの視点で考えると見つけやすいでしょう。

つまり、昇進することでどんな自分になりたいのか(BE)、なにをやりたいのか(DO)、なにを手に入れたいのか(HAVE)と考えるのです。そうすると、昇進して「部下から尊敬されるリーダーになりたい」「収入を増やして海外旅行に行きたい」「家を建てて自分の書斎を持ちたい」というふうに、具体的なよろこびが見つけられるはずです。それらをビジュアル化して、紙やボードに貼りつけ、宝地図を作成しましょう。

そして、その夢を叶えた自分が持っていそうな超一流品の小物を身につけておき、「いずれは、これが似合う人間になるのだ!」と思うのもいいですね。その小物を宝地図の代替品にするのです。というのも、いくら宝地図を作成して自宅の目につきやすいところに置いていても、外出中は見られないからです。私の場合は、宝地図をスマホケースにしていつも見られるようにしていますけどね(笑)。宝地図をスマホの待ち受け画面にしている人も多いですよ。

さて、その小物ですが、腕時計となるとさすがに高価でしょうから、男性のビジネスパーソンの場合ならタイピンなどがいいかもしれません。ちょっと奮発していいタイピンを買ってみるのです。実際のところ、いまの自分にはまだ似合わないものかもしれません。でも、それを目にするたびに「このタイピンが似合う人間になろう!」と思うことができる。そうして、宝地図やその代替品の小物を繰り返し目にすることで、夢の実現は着実に近づいてくるのです。

望月俊孝さんインタビュー「自己実現ツール『宝地図』の作り方」05

【望月俊孝さん ほかのインタビュー記事はこちら】
「0.2秒の脳の判断」が目標実現の邪魔をする。“行動できない自分”を変える2つの方法
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【プロフィール】
望月俊孝(もちづき・としたか)
1957年生まれ、山梨県出身。ヴォルテックス有限会社代表。上智大学卒業後、自動車販売会社、セミナー会社への勤務を経て独立するも大失敗し再就職。しかし、多額の借金を抱え、長男誕生後にリストラに遭う。そこから、「宝地図」を活用し、どん底からV字回復。現在、宝地図を主体とする人材教育にかかわり、30年間で62万人以上に直接指導。ベストセラー『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』(ゴマブックス)の他、『ジェームス・アレン 人生を変える幸せの黄金法則』(ゴマブックス)、『癒しの手 運命を一日で変える「レイキ」活用法』(PHP研究所)、『「やりたいこと」を先送りしてしまう自分が変わる本』(フォレスト出版)、『癒しの力 お金・時間・他人にコントロールされない生き方』(PHP研究所)など、著書は30冊以上、累計80万部を超える。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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