【チャートですぐわかる】いまのあなたに最適な「記憶術」はどれ?

チャートでわかるおすすめ記憶術01

資格や試験の勉強をする際に、参考書を広げて「記憶力が悪いから、なかなか覚えられない……」と途方もない気持ちになったことはありませんか。もしかしたらそれは、記憶力そのものではなく「記憶の仕方」に原因があるのかもしれません。自分に合った記憶の仕方、知りたいですよね?

試しに、以下のチャートをやってみてください。

チャートでわかるおすすめ記憶術02

たどり着いた先が、いまのあなたに最適な記憶の仕方です! 詳しく見ていきましょう。

【1】絵で覚える

「単語や数字など細かい項目を覚えないといけなくて」「比較的勉強時間を確保できる」人には、「絵で覚える」という方法をおすすめしましょう。覚えにくい単語や年号などを語呂合わせしたのち、それをイラスト化するのです。

たとえば、昨夜食べた料理を思い出すとき、料理名の文字ではなく、食卓に並んだ皿の様子や、食べている状況などが先に思い浮かびますよね。トレスペクト教育研究所代表の宇都出雅巳氏によると、このように私たちは、普段から “イメージ” を使って物事を記憶しているのだそう。ところが勉強となると、イメージに結びつきにくい言葉がたくさん出てくるため、慣れ親しんだイメージによる記憶方法を使わなくなってしまうのだとか。そこで、なかなか覚えられない事柄を記憶するために、本来の記憶の仕方に戻ることが必要なのです。

カナダのウォータールー大学の研究によれば、学習対象を絵に描くことで記憶しやすくなるとのこと。比較的時間をとれるのならば、覚えづらい事柄は絵に描いて覚えてしまいましょう。

たとえば、593年に聖徳太子が推古天皇の摂政になったことを覚える際、「コックさん(593年)だよ、聖徳太子」という語呂合わせがありますよね。それだけでも記憶に残りやすいですが、聖徳太子の絵にコック帽をかぶせてみるとどうでしょう。思わずクスっと笑えて、強く印象に残るのではないでしょうか。

この記憶術を実践する際の注意点は、イラストを描き込みすぎないこと。ついつい描くことに没頭してしまうと、覚える絶対数が減ってしまいます。楽しみながらサラッと描く程度がよいでしょう。

チャートでわかるおすすめ記憶術02

【2】イメージ変換

「単語や数字など細かい項目を覚えないといけなくて」「勉強時間をあまり確保できない」という人には、「イメージ変換」がおすすめです

前述したとおり、人間の脳には「文字や言葉よりもイメージで記憶しやすい」特性があります。この特性を使ったのが、言葉をイメージに切り替えて覚える「イメージ変換」という記憶術。日本記憶力選手権大会で6回の優勝経験を持つ池田義博氏は、「単語も数字も人の名前も、文字ではなく映像に変換して覚えるのが記憶術の基本」とし、記憶力とは ”イメージの力” だとも述べています。

前出の宇都出氏によると、「イメージを突拍子もないほど強烈にすること」で、記憶をより強固なものにできるとのこと。たとえば、「declar」=「(税関の)申告」という英単語。これを、人間並みに大きいエクレアをイメージし(デッカいエクレア=declar)、そのエクレアを持って税関の申告をするという場面を想像するとどうでしょう。想像するスケールが大きくて非日常的になるほど、インパクトも強くなりますよね。

先ほどご紹介した絵を描くという方法に比べれば、より気軽に実践できるでしょう。宇都出氏いわく、とにかく浮かぶイメージをとらえることがコツなのだとか。一見意味がわからないものでもかまいません。イメージを活用して記憶を楽にし、学習効率を上げてみましょう。

チャートでわかるおすすめ記憶術04

【3】3サイクル反復速習法

「広い範囲の知識を覚える必要があって」「書くより読むのが好き」という人には、前出の池田氏が提唱する「3サイクル反復速習法」をおすすめします

池田氏によれば、これは学習心理学の「分散効果」をベースにしているとのこと。分散効果とは、長時間続けて学習するよりも、適度に回数を分散させて学習するほうが記憶に定着しやすいという効果を指します。これを利用し、薄い記憶を繰り返し重ねていくイメージで厚くしていく学習方法が、3サイクル反復速習法です。

コツは、スピードを維持すること。最初から全部理解しようと読み進めるのではなく、「ざっと読む」を心がけて回数を重ねると、長期間残りやすい記憶になるのだそう。さらに、範囲の広い勉強では「1歩下がって2歩進む」の要領で読むことを池田氏は提案しています。つまり、参考書を1ページめから読んでいくとすれば、「1、1、2、1、2、3、2、3、4、3、4、5……」といった具合になりますね。

何度も繰り返し読み返すことで、記憶を確かなものにしていきましょう。

チャートでわかるおすすめ記憶術05

【4】1分間ライティング

「広い範囲の知識を覚える必要があって」「読むより書くのが好き」という人には、「1分間ライティング」をおすすめします。これも池田氏が提案する記憶術のひとつ。1分という制限を設けて、覚えている事柄に関する要素をできるだけ書き出すのです。

この方法のメリットは、まず頭の中身を見える化できることにあります。「覚えたはずだ」と自信があったのに、いざ試験当日になったら記憶が曖昧で答案を埋められなかった……という経験をしたことのある人もいるはず。覚えたことを書き出して見える化することにより、「なんとなく」ではなく、きちんと記憶しているのかを確認できます

また、1分という制限時間を設けることにも意味が。仮に覚えたとしても、長い時間をかけないと思い出せないようでは、限られた試験時間内で使える有効な記憶とは言えませんよね。使える記憶にするためには、1分という短い時間内にすぐ書き出せるようにしておくことが大事なのです。

仮に書き出せなかった場合でも、記憶から抜け落ちていたことを客観的に把握できるため、復習ポイントのあぶり出しにつながりますね。知識が確実に身についているか最終チェックしたいタイミングでも使える方法と言えそうです。

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いまの自分に合った記憶の仕方を選べば、より勉強の成果を上げやすくなるはず。ぜひ参考にしてみてください。

(参考)
All About|記憶術基本講座1——イメージ記憶術
SAGE journals|The Surprisingly Powerful Influence of Drawing on Memory
東洋経済オンライン|忘れっぽい人でも「記憶力」をぐんと伸ばすコツ
宇都出雅巳(2016),『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』, マガジンハウスダ・ヴィンチニュース|“declare”は「デッカいエクレア」で覚える!? イラスト&語呂合わせで英単語をマスター
STUDY HACKER|“記憶力日本一” の男の記憶術「3サイクル反復速習法」「1分間ライティング」がシンプルだけどすごい。

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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