わかりやすく伝えるために重要な「6つの能力」。鍛えれば超スマートに話せるようになる

「わかりやすく伝える」ときに必要な6つの能力01

社内でのプレゼンテーションや上司との面談、取引先との商談など、物事を「わかりやすく伝える」ことが必要な状況は多々起こります。その際、伝えたいことが相手にうまく伝わらなかったり、自分の意図とは違う意味で伝わってしまったりした経験をもつ人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、物事をわかりやすく伝えるための6つの能力とその身につけ方をそれぞれご紹介しましょう。

1.「辞書」を読んで「語彙力」を鍛える

言葉をたくさん知っているだけでなく、正しい意味で使える能力を「語彙力」といいます。語彙力が高いと表現の幅が広がるため、わかりやすく伝えることができるのです。

語彙力を高めるための方法として、現役東京大学生作家の西岡壱誠氏は、辞書を活用することを提案しています。特に使うべきだと西岡氏が言うのが「漢字辞典」。同氏によれば、聞き慣れない言葉や意味がわからない言葉でも、漢字辞書を使って意味を調べれば「なんとなく意味がわかる」のだそう。

「徒労」と聞いてパッと意味が思い浮かばない場合でも、「徒労の『労』って、苦労の『労』と同じ漢字だな」と思ったら「なんか大変で苦労している感じなんじゃないか?」とぼんやり理解できますよね? つまり、語彙力って漢字力とイコールになる部分が多いのです。

(引用元:東洋経済オンライン|東大生が厳選「語彙力がグングン伸びる」3冊

さらに「類語辞典」を併用することも西岡氏はすすめています。類語を調べれば、おのずと多くの言葉を知ることができ、それぞれの言葉の微妙なニュアンスの違いも理解できるからです。たとえば「便利」の類語を調べてみると「簡便」「実用的」「重宝」といった数々の言葉が出てきます。自社商品の魅力を取引先へ説明するときなど、適切な言葉を選んで伝えるのに役立つでしょう。

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2.「普段の思考」をそのまま言葉にして「伝達力」を鍛える

『あなたのスピーチレベルがあなたの年収を決めている』の著者である鴨頭嘉人氏によれば、上司への報告や取引先へのプレゼンなど、仕事に関する内容を伝える「伝達力」の高さは、人物全体の評価につながるとのこと。

伝達力をアップさせる方法として、鴨頭氏は人前で話す際の「マインド(考え方)」を重視すべきだと伝えています。鴨頭氏の言うマインドとは、気のもちようという意味ではなく「日常的にいつも考えていること」。普段から考えていることを、何も足さず、何も引かず、そのまま言葉にすることがわかりやすく伝えるコツなのだとか。

言いたいことを伝えるとき、言葉をつけ足したりごまかしたりしてしまうこともあるでしょう。しかし、必要以上に脚色された話は相手に受け止めてもらえないと鴨頭氏は言います。たとえば顧客との関係があまりうまくいっていないのに、「いい調子です!」と上司へ伝えても信用されませんよね。「こういう問題点はありますが、このように対策しようと考えています」と正直に話したほうが真意が伝わり、結果として上司からの評価も上がるのです。

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3.「3つの “り” 」を意識して「説得力」を鍛える

ビジネス作家の臼井由妃氏によれば、「ゆっくり」「すっきり」「はっきり」の3つの「り」を意識して穏やかに話すと、相手への説得力がアップするのだそう。

取引先との商談や大勢の前でプレゼンを行なうときなど、緊張してつい早口になってしまいがちですよね。同氏は、「話を始める前に深呼吸し、口角を上げた笑顔をつくる習慣をつける」と、心が落ち着いて「ゆっくり」話せると言います。また、話す内容があまりに多すぎると相手側はうんざりしてしまうことも。そんなときは、本当に伝えなくてはならないことを優先して話すと言葉を「すっきり」させられるでしょう。

そして「はっきり」話すとは、声を張り上げることではなく、曖昧に聞こえる表現を避けること。たとえば、相手に納期を伝えるときは「早めに取りかかります」よりも「1週間以内に完成させます」と答えたほうが、聞き手にとってはわかりやすいはず。このように、3つの「り」を心に留めて話すようにしてみてください。

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4.「1分間朗読」で「発声力」を鍛える

フリーアナウンサーの魚住りえ氏は、発声力を鍛えるために、毎日文章を声に出して読む「朗読」をしているのだとか。行なう時間はたった1分。この1日1分朗読」を続けるだけで、話し方や声をよくすることができるのだそう。

魚住氏によれば、朗読には、舌がよく動くようになったり、口のまわりの筋肉がほぐれたりして、自然と滑舌がよくなる効果があるとのこと。さらに、 朗読には「相手に聞かせる」 という目的があるため、「大きく通る声」や 「つやのあるいい声」を出そうとする意識が芽生えると言います。

またボイストレーナーの秋竹朋子氏によれば、よく通る声には、話し手に説得力のある印象をもたせる効果もあり、仕事での評価につながりやすいとのこと。朗読の習慣で発声力を鍛えれば、営業やプレゼンで自分の主張の説得力を高めるのに役立つはずです。

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5.「テンプレップの法則」で「整理力」を鍛える

経済入門書作家の小暮太一氏は、多くの情報をコンパクトにまとめる「整理力」を鍛えるため、TNPREP(テンプレップ)の法則」を用いて話すとよいと伝えています。テンプレップの法則とは、「Theme」「Number」「Point」「Reason」「Example」「Point」の頭文字をとったもの。たとえばプレゼンで新事業について話すとしたら、次のような順に話すことができるでしょう。

  1. 話のテーマ(Theme)「これから新事業についてお話しします」
  2. 内容の数(Number)「お伝えしたい内容は3つです」
  3. 話の要点(Point)「結論から言いますと、店舗数の拡大を行ないます」
  4. 結論を裏づける理由(Reason)「なぜなら、既存店舗の売上が好調だからです」
  5. 具体的な事例(Example)「新たに出店予定の〇〇地区は人口が急増しており、新規顧客が見込めます」
  6. 結論(Point)「したがって、新店舗を設置し事業をさらに拡大していきます」

このように整理して話せば、伝わりやすさは格段に増すはずですよ。

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6. 「一文一義」で「情報力」を鍛える

相手へ伝えるポイントを絞る「情報力」を養うにあたり、伝える力【話す・書く】研究所所長の山口拓朗氏は、一文につきひとつの情報を入れる「一文一義がポイントだと伝えています。

一文一義のコツとして作家の安田正氏は、伝えたい情報をトピック別に分け、それらを箇条書きにするとよいと言います。たとえば、イベントで新商品をPRする説明をする場合。文を区切ることなくダラダラと話すのではなく、事前に「製品のコンセプト」「性能」「値段」「発売時期」など情報を個別に分け、箇条書きで整理してから話すようにしてみてください。そうすれば、おのずと一文一義になり、まとまりよく相手へ伝えることができますよ。

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これまでにご紹介した6つの能力について振り返ってみましょう。

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今回ご紹介した方法を実践すれば、あなたの話はぐっと伝わりやすくなるはずです。

(参考)
東洋経済オンライン|東大生が厳選「語彙力がグングン伸びる」3冊
weblio類語辞典|便利
Precious.jp|評価アップの鍵は伝達力!「年収が上がる」話し方習慣
Bizコンパス|ジョブズに学ぶ、優れたパブリックスピーキングとは
日経電子版|穏やかな話し方のコツ 3つの「り」で説得力増す
東洋経済オンライン|「1日1分朗読」で、会話がみるみる上達する5理由
リクナビNEXTジャーナル|早口、カミカミ、小声…ビジネスで損しないために「声トレ」やってみよう!
プレジデントウーマン|「言いたいことが伝わらない!」を劇的改善させる方法
リクナビNEXTジャーナル|「ダメな文章」が「伝わる文章」に激変する3つの基本!
日経XTECH|一文一義にする

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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