「いるだけでチームの雰囲気をよくする人」の口癖4つ。“ど” から始まるあの言葉がかなり使える

いるだけでチームの雰囲気をよくする人の口癖01

「この人がいると楽しく仕事できる」「職場で一番話しやすい人だな」――そんな好印象を与える人が、あなたのまわりにいませんか?

仕事のモチベーションは、対人関係の良し悪しに左右されがち。できることなら、チームの雰囲気がよい状態で仕事をしたいものですし、自分がその中心人物になれたらなおいいですよね。

じつは、「いるだけでチームの雰囲気をよくする人」たちがよく使う言葉があります。4つお伝えしますので、ぜひあなたの日々のコミュニケーションに役立ててください。

口癖1.「ちょうどよかった」

いくら慎重に進めても、仕事ではミスやアクシデントはたびたび起こるもの。そんなとき、好感のもてる人は他人のせいにしたり、不機嫌になって職場の空気を乱したりはしません。

問題が起きて「ちょうどよかった」。この言葉で、チームの雰囲気を変えるのです。

経済ジャーナリストの夏目幸明氏によると、多くの経営者らが、物事がうまくいかないときにこう言っているのだそう。アパホテル株式会社社長の元谷芙美子氏がそのひとりです。夏目氏は元谷氏について、「社員を元気づける “母親的” な役割を果たしている人だ」と述べつつ、以下のような取材エピソードを明かしています。

 自分の顔が印刷されたレトルトの「アパ社長カレー」を筆者へのお土産にと渡し「厄除けになるわよ」と笑う彼女の懸命な明るさに少し胸打たれ、思わず「自分の顔を出し、悪く言われたこともあるでしょう。腹が立ったり落ち込むことってないんですか?」と聞いた。彼女は数十秒、黙って考えをまとめ、こう口にした。

 「そうね。今考えれば、(批判や困難な出来事が降りかかってきたことが)、ちょうどよかったのよ」

(引用元:ITmedia ビジネスオンライン|経営者の口癖には共通点がある ※太字による強調は編集部が施した)

元谷氏は、よくない状況のなかにも自分の成長につながる何かを見いだしてきたのだ――と、夏目氏はまとめています。

不都合な出来事が起これば、誰しもが混乱するでしょう。心に余裕をもてず、いらだったり嘆いたり、外部に原因を求めたりして、チームを嫌な雰囲気にさせることもあるかもしれません。

しかし、「ちょうどよかった」というセリフは、その思考を楽観的な方向へと転換させてくれます。失敗からは次への教訓を学び、批判からは新しい意見を得る。このフレーズひとつで、チーム全体が、ネガティブな出来事に潜むポジティブな側面に目を向けられるようになるのです。

いるだけでチームの雰囲気をよくする人の口癖02

口癖2.「ありがとう」に添える “あのひとこと”

「ありがとう」を言うことは当たり前の礼儀。そう思っていても、実際に発した感謝の言葉が、相手には充分に伝わっていないことはよくあるものです。周囲に好印象を与える人は、感謝の言葉を多めに伝える習慣があります。

脳科学者の中野信子氏は、欧米人と日本人のもつ幸福感には、次のような違いがあると語ります。

  • 欧米人:社会的成功や高収入などの達成感を幸福と感じる
  • 日本人:人に必要とされているときに幸福感を得やすい

つまり、日本人は「人の役に立っている」と思えると幸せを感じやすいということ。

「ありがとう」をしっかり伝えることは、「あなたは、私を助けてくれました」というメッセージにほかなりませんよね。逆に、感謝が不充分であれば、相手は「役に立てた」という実感を得にくく、気分もよくなることはありません。

そこで意識したいのが、「感謝の言葉を出し惜しみしない」ことです。経営コンサルタントでビジネス作家の臼井由妃氏いわく、ただ単に「ありがとうございます」と言うよりも、「〇〇さんのおかげです」や「本当に助かりました」とひとこと添えて、ダブルで感謝を伝えると、相手にいっそうの好印象を与えられるのだそう。

たくさんの感謝の言葉がチームの雰囲気をよくするであろうことは、想像に難くありません。ぜひ活用してみてくださいね。

いるだけでチームの雰囲気をよくする人の口癖03

口癖3.「ど」から始まる言葉

好感のもてる人と会話すると、「この人と話すのは楽しいな」と感じますよね。それは、相手がいわゆる “聞き上手” で、うまく話を引き出して広げてくれるから。

ハーバード大学の研究論文(2012年)によると、自分の話をしているとき、おいしい食事をするときや収入を得るときと同じように脳の報酬系という部位が活性化したことが、約300人の脳をfMRIでスキャンした結果からわかったのだそう。私たちが聞き上手な人に好感を抱くのは、「自分の話をするのが好き!」という人間の本能を満たしてくれるからなのかもしれません。

経営者ら1,000人以上の話し方を改善してきたコミュニケーション・ストラテジストの岡本純子氏は、そんな人間の本能をふまえて、質問の重要性を強調します。

岡本氏いわく、上手に質問をすれば共感力が上がり、相手に好感を抱かせることができるとのこと。特に、相手に自由に答えさせる「オープン・クエスチョン」がいいのだそう。具体的には、「ど」から始まる6W1H(What、Who、When、Where、Why、Which、How)の質問です。

  • What『どう、どんな』例:どんな理由で始めたんですか?
  • Who『どの(人)、どんな(人)、どなた』例:どんな人と仕事してみたいですか?
  • When『どんなとき、どのタイミング』例:どんなとき、リラックスできますか?
  • Where『どこに、どこで』例:どこへ旅行に行きたいですか?
  • Why『どうして』例:どうしてその映画が人気なんでしょう?
  • Which『どれ、どっち』例:どちらが気に入りましたか?
  • How『どうやって、どのように』例:どのように達成したんですか?

メンバーとの会話のなかにこのような質問を盛り込めば、「この人は私に関心をもってくれている」と相手に好感を与えることができます。おのずと、チームの雰囲気もよくなるでしょう。「ど」の質問で、うまく相手の話を引き出してみてくださいね。

いるだけでチームの雰囲気をよくする人の口癖04

口癖4.「教えてください」

印象のよい人はほめ方も上手。しかし、ほめる言葉が的外れだと逆効果になりかねないので、難しいと感じる人も多いでしょう。

そこで参考になるテクニックが、ある言葉で相手を間接的にほめるというもの。それは教えてくださいという言葉です。

「人はだれでも、自分に助言を求めてくる人の見識を高く評価する(We all admire the wisdom of people who come to us for advice.)」

(引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|敵を支持者に変える:「助言を求める」ことの3つの効果

これは、19世紀に活躍したイギリスの作家、アーサー・ヘルプスが残した名言。

ブリガム・ヤング大学助教授で、組織の対人関係を研究するケイティ・リルエンクイスト氏らは、「助言を求められることは、基本的に嬉しいことだ」と言います。なぜなら、助言を求める行為には、暗黙に「あなたの考えや価値観を支持している」というメッセージが含まれるから。「教えてください」とアドバイスを求めることは、相手を立てることと同様の意味をもつのです。

職場での会話のなかで、「〇〇さんの体験を教えてください」「ぜひ、おすすめを教えてください」とアドバイスを求めてみましょう。答えてもらったら、感謝の言葉を伝えることも忘れずに。

***
言葉に注意を払うだけで、あなたの印象も、チームの雰囲気も変わります。今回の記事を参考に、楽しく働ける人間関係を築き上げてくださいね。

(参考)
ITmedia ビジネスオンライン|経営者の口癖には共通点がある
ダ・ヴィンチニュース|『最高の生き方』ムーギー・キム対談【第1回 中野信子】 日本人は高収入より「人の役に立つ」ほうが幸せ――最新の脳科学に学ぶ幸福のヒント
NIKKEI STYLE|感謝の気持ちを伝える「究極のテクニック」とは?
PNAS|Disclosing information about the self is intrinsically rewarding
東洋経済オンライン|意外に簡単「ハーバード流雑談術」使える4秘訣
東洋経済オンライン|「世界最高の雑談力」大人が極めたい6つの質問
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|敵を支持者に変える:「助言を求める」ことの3つの効果

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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