その「間違った勉強」「間違った読書」が、あなたをダメにさせている可能性

間違った勉強と読書01

「資格取得に励んでいるのに、なかなかキャリアアップしない……」
「本をたくさん読んでいるのに、その知識が使えていない……」
このように、勉強や読書を頑張っているにもかかわらず成果が出なくて悩んでいる人はいませんか?

それはもしかしたら “間違った努力” をしているからかもしれませんよ。今回は「NGな勉強法」「NGな読書法」を3つ指摘します。いま現在の考え方ややり方を変えるきっかけにしてください。

NGな勉強「手段と目的を勘違いしている」

積極的に資格取得に励むのはすばらしいことです。しかし資格取得に躍起になるあまり、それが今後のキャリアにどう活かされるのか、本来の目的を忘れてはいないでしょうか?

企業研修講師として活躍している堀田孝治氏は、“資格をとるだけ” を目的とする勉強を危険視し、「手段と目的を勘違いしてはならない」と指摘しています。たとえば、将来は企画職として活躍したいというビジョンがあるにもかかわらず、あれこれと自分の付加価値を高めることに躍起になり、まったく関係ない資格にまで手を伸ばす……。まったくの無駄ではないにせよ、自分が目指すキャリアを形成するために必要な勉強からは外れてしまっていますよね。

このように手段と目的を取り違えると、成果に直結しない「しなくてもいい努力」をしてしまうことに。そこで堀田氏は、その資格をとって実際に何をしたいのかを一度じっくり考えてみることを推奨しています。

勉強を始める前に、それが自分のキャリア形成に本当に必要なものか、勉強する「目的」を一度じっくり考えてみましょう。「企画職に就きたいからマーケティング力を身につけたい」「海外の現地で働きたいから実用的な英語力を伸ばしたい」など目的を考え直すと、本当に必要な分野がわかり、勉強の対象が明確になりますよね。遠回りの原因となっている無駄な努力も省けるはずです。

間違った勉強と読書02

NGな読書「読む本が偏っている」

読書をする際、いつも同じ著者の本や同じジャンルの本を選んでいませんか? 趣味で本を読む際は問題ありませんが、自己研鑽が目的であるならば、偏った読書はあなたの視野を狭めてしまう危険性があります

警鐘を鳴らすのは経営コンサルタントのムーギー・キム氏。キム氏いわく、特定の本に集中すると自分の偏見を助長させることになり、どんなに読書量が増えても「二流」に陥ってしまうとのこと。そこでキム氏がすすめるのが、違う視点で書かれた本にも目を通すことです。

もちろん「各人が好きな本を読むのが基本」でいいわけだが、知性を磨いていくためには、自分の意見や価値観とは相いれないものも含めた「多様な情報源」を確保するのが不可欠といえるだろう。

(引用元:東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点

たとえば「部下のマネジメント」がテーマであっても、「モチベーションを引き出すのが大切」という視点で書かれた本もあれば「モチベーションは考慮せず結果で評価するのが大切」という視点で書かれた本もあるでしょう。異なる視点で書かれた本を読み比べることで視野が広がり、深い洞察を得ることができるのです。

また、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、ビジネスパーソンが成長するためには仕事の本だけではなく「エンタメ本」も読むべきだと述べています。佐藤氏いわく、たとえばミステリー小説は「洞察力」を鍛えるのに役立ち、SF小説は「理系的な思考力」を育てるのに役立つとのこと。ぜひ幅広い読書を心がけてみてください。

間違った勉強と読書03

NGな勉強・読書「インプットして終わり」

また、「参考書を読んで終わり」「本を読んで終わり」にするのも注意が必要です。

ベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』の著者で精神科医の樺沢紫苑氏は、普段行なっているインプットの97%は意味がないと指摘します。樺沢氏によれば、脳が記憶として留めるのは「使う記憶」だけであるため、ただ情報を見たり読んだりするだけでは、少し時間が経っただけでその多くを忘れてしまうとのこと。これでは本当に知識を得たとは言えませんよね。

勉強や読書の質を高めるうえで、学んだ知識を実際に使う「アウトプット」の習慣は必要不可欠。その際に意識してほしいのが「3:7」の黄金比です。樺沢氏いわく、インプット3に対してアウトプット7というのが、記憶を最も効率化する比率とのこと。

具体的なアウトプット方法として樺沢氏は、学んだ感想を同僚や後輩や家族に話したり、学びから得た気づきを3行にまとめてメモしたりすることをすすめています。普段の勉強や読書がインプットに偏向している人は、積極的にアウトプットの機会をつくりにいきましょう。

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“間違った努力” を改善すれば、成長速度は変わっていくはずです。ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

(参考)
STUDY HACKER|勉強や読書を重視するのは危険!? キャリアアップのための「しなくていい努力」とは
東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点
ダイヤモンド・オンライン|佐藤優の「人生が深まる読書」は専門書4割、エンタメ本6割!?
PENCIL by Schoo|“インプットの97%は意味がない。3つだけ覚えることが効果的”ーーベストセラーを著者が解説「インプット大全」
STUDY HACKER|記憶効率を上げる黄金比は「3:7」だ。勉強に脳科学を取り入れるべし。

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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