「勉強はできた」のに「仕事ができない」に成り下がる理由。“疑う習慣” 足りていますか?

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学生時代は優秀だといわれてきたものの、社会人になってみたら仕事で満足のいく評価を得られず挫折を味わう……という人は意外と多いものです。いわゆる “勉強はできるけれども仕事ができない人” ですね。皆さんの中にも、自分がそうではないかと悩んでいる人がいるのではないでしょうか。

こういう人は、本来持っている能力を充分に活かしきれず、“ワナ” に陥っている可能性があります。具体的にどこを改善していけばいいのか、3つの視点で説明しましょう。

(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)

1. 勉強はできるけれども仕事ができない人は「どこかで現状に満足している」

ずっと同じ会社に勤めていると、当然ですが仕事に慣れていきますよね。特に、勉強が得意だった人であれば物覚えも決して悪くはないため、すぐに順応して実績もある程度は残せるでしょう。

しかし、多摩大学大学院教授の田坂広志氏は、優秀さゆえにそれなりに仕事ができてしまうことで「小成に安んじてしまっていることが問題だ」と指摘します。つまり、心の奥深くに「無意識の慢心」が生まれ、自身の成長を止めてしまっているということ。田坂氏は、この状態を山登りに例えて「山の中腹を頂上だと勘違いしている」と表現しています。

仕事の世界には、必ず、「もっと高い能力が求められる仕事」「もっと広い視野が求められる仕事」「もっと深い視点が求められる仕事」があるのですが、そのことに気がつかないため、これまでの「実績」に満足し、「現在の自分」に安住してしまい、成長が止まってしまうのです。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|なぜ、「勉強ができる人」は「仕事ができない人」になってしまうのか

勉強ができるけれども仕事ができない人はもしかしたら、自分の学歴や、これまで “それなりに” 築いてきた実績にあぐらをかき、現状に満足してしまっているのかも

実績や学歴のことはいったん忘れ、「いまの自分には見えていない高みの世界がまだまだある」という現実を、まずは受け入れるべきなのかもしれません。

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2. 勉強はできるけれども仕事ができない人は「経験を積むことを優先できていない」

「仕事ができる人になりたい!」と考えたとき、多くの人は、資格の勉強を始めたりセミナーを受講したりするかもしれませんね。しかし、広告代理店時代に数多くのVIP(一流ビジネスパーソン)と交流してきた経験を持つ、ビジネス書作家の後田良輔氏は、これらはあくまでスキルを磨く手段に過ぎず、これだけではキャリアップにつながっていかないといいます。

いくら知識を得たところで、単なる頭でっかちになってしまっては意味がありません。私たちビジネスパーソンに求められているのは、何を隠そう “実際の仕事で成果を出す” こと。そのためには、当たり前ですが「現場での経験」が必要不可欠なのです

経験ですから資格勉強をいくらしても、実際に取り組んでみるまでは成果はわかりません。この点にVIPは注目し、今の自分でもすぐに経験できる場所はどこか?という視点で仕事を探し、それに取り組むことで「経験を積むことを優先」していたのです。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|仕事で「成長できる人」と「成長できない人」の差はなぜ生まれるのか?

他部門と密な連携が求められる案件に挑んで視野を広げる、多少自信がなくても上司から話をもらったら果敢に挑戦してみるなど、知識を知識のままで終わらせないために “実践の場数” を踏むことを心がけるのがよさそうですね。

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3. 勉強はできるけれども仕事ができない人は「疑う習慣が足りない」

かつてのビジネスシーンは、トップダウンの管理下で課題を解決できる力が重視されていました。そのため、教育面でも、テストの問題をいかにすばやく正確に解けるかが重要視されていたのです。

しかし、これからは “自ら課題を発見する力” が求められるようになったと、グロービス経営大学院「テクノベートMBA」特別講座講師の尾原和啓氏はいいます。ただ答えのある問題を解いているだけでは足りないのです。そこで大事になってくるのが「地頭のよさ」

「地頭なんて才能だから変えようがない……」と考える方もいるかもしれませんね。しかし尾原氏は、地頭は大人になってからも伸ばせるといいます。尾原氏によると、地頭がよい人には2つの共通点があるのだそう。

  1. 物事を偏見や先入観で見ず、常に前提条件を疑ってゼロベースでとらえている
  2. そのうえで、「これはどうしてだろう?」と疑問を持ち、ひたすら考え続けている

たとえば、何かのデータを入力する作業において、自分で計算して手入力するよう指示されているとします。しかし、ちょっと疑ってかかると、「単に従来のやり方がそのまま踏襲されているだけで、エクセルの関数やVBAを使っても問題ないのでは?」とひらめくことができますよね。

このように、常に考える習慣を持っておくことで地頭は鍛えられます。それがひいては、“自ら課題を発見する力” を高めることにもつながっていくのです

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勉強はできるけど仕事はできない人は、新しい視点を取り入れたら飛躍的に成長できる可能性を秘めています。3つのワナに陥っていないか、ぜひ振り返ってみてください。

(参考)
Forbes JAPAN|大人になっても鍛えられる 「地頭の良さ」とは何なのか
リクナビNEXTジャーナル|仕事で「成長できる人」と「成長できない人」の差はなぜ生まれるのか?
ダイヤモンド・オンライン|なぜ、「勉強ができる人」は「仕事ができない人」になってしまうのか

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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