誰もが認める大成功を収め、巨万の富を築き上げた大富豪たち。彼らのような大金持ちになりたいとまでは言わなくても、ビジネスパーソンとして大成するためのエッセンスは、ぜひ学び取りたいものですよね。
そこで、世界の大富豪たちの成功を支える共通点を探ってみました。なかには、若手のビジネスパーソンがいますぐにでもまねできる点もありましたよ。詳しく説明しましょう。
世界の大富豪の “驚くべき共通点” 4つ
世界の大富豪として思い浮かぶのは、米経済誌『Forbes』による世界長者番付に名を連ねるような人々。たとえば、Amazon.comのCEOジェフ・ベゾス氏(2020年4月の番付で1位)やマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏(2位)、日本ですと、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏(41位)、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏(56位)などは、特に有名ではないでしょうか。
彼らのような大富豪たちには、やはり一般の私たちからすると驚くべき共通点がありました。
1. 権威に逆らう傾向がある
ドイツの研究者ライナー・ツィテルマン氏が、資産家を対象に心理学的な研究を行なったところ、多くの資産家が、権威のある人やシステムに対して反感をもっていることがわかったそうです。ツィテルマン氏いわく、彼らの多くが、人生における早い段階で、学校といった権威的存在とのあいだで問題を起こしていたとのこと。
ツィテルマン氏は、この傾向を「理にかなっている」と言います。なぜなら、他人と同じように行動していては、超富裕層になれるほどの成功は収められないから。大多数の人々が従う権威に反発するということは、つまり、普通の人とは異なる考えをもち、異なる行動をするということです。これが偉業を達成する鍵なのでしょう。
2. 幼い頃からビジネスマン
富裕層向け執事サービスなどを手がける日本バトラー&コンシェルジュの社長で、自らも執事として大富豪の客を担当している新井直之氏は、大富豪の子どもの頃のエピソードには、決まってビジネスの逸話が登場すると言います。
たとえばある大富豪は、5歳の頃から、自分の家でつくった農作物を売っていたそうですし、別の大富豪は、小学校時代に貸本ビジネスを始めたそう。
新井氏いわく、誰に教わったわけでもないのに儲けの仕組みが思い浮かぶのは、才能と言うほかないとのこと。ビジネスで大成功を収める人は、幼い頃からビジネスマンだというわけですね。
3.「頑張る」という概念がない
新井氏はまた、大富豪は非常にエネルギッシュで、何事にも情熱を傾けると言います。仕事では、寝食を忘れたように戦略を考え続け、事業のヒントになりそうだと思えば、地球の裏側にも飛んでいくそうです。
大変な仕事に忙殺されているようにも見えますが、実際には、彼らはストレスをためることなく全力疾走を続けているそうです。仕事とはいえ好きなことに情熱を注いでいるからこそ、「頑張る」という概念がないのかもしれないですね。
4. 健康のためには、お金を惜しまない
新井氏は、いつでも自分と家族の健康に気を遣っている点も、大富豪の特徴だと言います。彼らは、ビジネスの成功には、いつまでも元気に働ける健康な身体が大切だと考えているのです。
そのため、大富豪たちは健康に対して、一般人の私たちには想像もつかないお金の使い方をすることがよくあるのだとか。たとえば、会員制医療サービス(入会金100~200万円、年会費30~50万円!)に入っていたり、健康保険を使わずに自由診療を利用したり……。
使う金額がケタ外れなのは大富豪であるがゆえ、という点は否めませんが、ビジネスで大成する人が健康維持をどれほど大事にしているかがよくわかるエピソードではないでしょうか。
若手でもいますぐまねできる! 大富豪の習慣3つ
続けて、大富豪の共通点のなかでも、若手ビジネスパーソンにもまねしやすいものを紹介します。
5. 早起きをする
柳井氏がインタビューで語ったところによると、毎朝5時~5時半頃には起床し、6時半~45分頃には出社しているとのこと。そして、7時半頃から打ち合わせなどの仕事を始めるそうです。柳井氏は、外から電話がかかってこない早朝の時間を利用し、仕事に関することをじっくりと考えているのだとか。
前述の新井氏も、大富豪は例外なく早起きだと述べています。別の大富豪との早朝ミーティングなど、朝から仕事を入れる人も多いとのこと。大富豪たちはみな忙しく、昼も夜もスケジュールが埋まりがちなため、ミーティング時間を確保するには早朝の時間帯が最適なのだそうです。
大富豪たちがこれほどまでに早起きして早朝から仕事を始めるのは、仕事に対する情熱もさることながら、ビジネスで成果を挙げるためなのですね。若手ビジネスパーソンのみなさんも、大富豪にならって早起きをして、早朝に生まれた貴重な時間を読書やスキルアップのために使ってはいかがでしょうか。
6. 謙虚で、敵をつくらない
富も地位もある大富豪たちですが、じつは意外にも謙虚さを大切にしています。
Forbes JAPANによると、世界1位の大富豪ベゾス氏は、「誰もがコールセンターで働けるようにならなければいけない」と述べたとのこと。ベゾス氏は、自分自身を含めすべての管理職メンバーに、毎年2日間のコールセンターでのトレーニングを受けさせているそうです。顧客優位のいまの時代、コールセンター業務を経験して顧客に対する謙虚さを身につけることは重要だと、ベゾス氏は考えているのです。
ANAの元トップCAとして、世界の一流と呼ばれる人に数多く接してきた里岡美津奈氏も、一流の人は謙虚で腰が低く、相手によって態度を変えず、穏やかで平等に接するという共通点があると述べます。
若手ビジネスパーソンのあなたでも、大富豪がもつ謙虚な姿勢は、いまこの瞬間からまねすることができるはずです。たとえば、職場で人と接するときには、相手のことを考えて親身になって対応しましょう。その謙虚さは、敵をつくらないばかりかファンを増やし、信頼を築き、ゆくゆくは昇進などにもつながるのではないでしょうか。
7.「でっかい夢」をもっている
孫氏は自身のTwitterで、こう述べています。
ほら吹きと嘘つきは、似て非なるものである。常人では信じられない程の夢や志を語り、万が一達成出来ない時それは、ほら吹き。しかし、そこには夢や志がある。明るい願望がある。現実を見れない阿呆かもしれないが、前身の可能性がある。
(引用元:Twitter|孫正義 ※原文まま。「前身」=「前進」と思われる。太字は筆者にて施した)
また、作家の本田健氏は、対談したアメリカの老富豪ゲラー氏によるこの言葉を紹介しています。
幸せに成功するためには、夢を見ることが必要だ。夢には、人を行動に駆り立てる力があるからね。最初のうちは、個人的な夢でまったくかまわない。こういうことがしたいとか、こんなものが欲しいとかでいいのだ。そのうち、考えることがどんどん実現するようになる。
(引用元:本田健 (2004), 『図解 ユダヤ人大富豪の教え』, 大和書房.)※太字は筆者が施した
孫氏もゲラー氏も、夢をもつ大切さを主張しています。ゲラー氏が述べているように、夢があるからこそ行動に移せるもの。それがどんなに実現不可能に思えたとしても、です。現に孫氏は、最初は夢みたいだったことをこれまでにいくつも実現してきたのではないでしょうか。
いま、あなたには夢はありますか? 大富豪のごとく大成功を収めるために、あなたの原動力になるようなでっかい夢、思い描いてみませんか?
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大富豪の共通点をまとめると、こうなります。
人によっては全然まねできそうもないものから、若手でもすぐにまねできるものまで、いろいろありましたね。この記事が、あなたの成功への意欲をぐんと高めることを願っています。
(参考)
Forbes|WORLD’S BILLIONAIRES LIST The Richest in 2020
Business Insider Japan|ほとんどの人に「権威への嫌悪」があった…45人の大富豪を調査した研究者が気づいた共通点
新井直之 (2014), 『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』, 幻冬舎.
NIKKEI STYLE|「いつも心は折れそうだけど」 柳井正氏の自分論
Forbes JAPAN|ジェフ・ベゾスの名言10選 「変わらないものを軸に戦略を立てよ」
STUDY HACKER|世界の一流、11個の共通点。そのうち特に若手が身につけるべきは「この2つ」
Twitter|孫正義
本田健 (2004), 『図解 ユダヤ人大富豪の教え』, 大和書房.
【ライタープロフィール】
西ひとみ
大学では教員養成課程に在籍。大学院では英語教育を専門に学んだ。小学校教員免許、中学・高校教員免許(英語)を取得済。高校教師、小中学生向け塾講師としての指導経験がある。よりよいコミュニケーション法や最新脳科学への関心が高く、日々情報収集に努めている。