段取りがいい人になるための5つの「しないこと」。じつは “あの行動” が生産性を下げていた

鈴木真理子さんインタビュー「段取りがいい人になるための5つのしないこと」01

段取りが悪い人と段取りがいい人は、当然ながらその行動に大きな違いがあります。そこで、講師派遣型の社員研修を行なっている鈴木真理子(すずき・まりこ)さんに、「段取りが悪い人がやってしまいがちで、段取りがいい人は決してやらないこと」を教えてもらいました。そのなかには、ちょっと意外に感じることも。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹

生産性を下げるビジネスマナーを省略する

段取りが悪い人がやりがちで、段取りがいい人は決してやらないことには本当に多くのことがありますが、ここでは私が特に重要だと考えることをお伝えします。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りがいい人になるための5つのしないこと」02

では、1から順に説明していきましょう。

1. ビジネスマナーにこだわる

人手不足に加えて、「働き方改革」が進んだことで労働時間が限られているいま、ビジネスパーソンにとって最も重要な課題は生産性を上げることです。そう考えると、仕事におけるあらゆる無駄を省く必要があります。でなければ、段取りよくスムーズに仕事を進めることなどできません。その妨げになるもののひとつが、ビジネスマナーです。

たとえば、すべてのメールに返信をするとか、人と会ったら必ずお礼のメールをする、あるいは来客に対するお茶出しといったこともそう。企業によっては、社内メールであっても相手の所属部署に役職、フルネームを最初に書かなければならないという時代錯誤のルールもあるようです。

もちろん、社外の人間に対しては絶対に外せないビジネスマナーもあるでしょう。それでも、相手と交流を深めて良好な関係を築けていれば、「今後はこういうことはやめましょう」というふうに不要なビジネスマナーを省略することもできるのではないでしょうか。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りがいい人になるための5つのしないこと」03

早すぎるクイックレスポンスに要注意

2. なんでも印刷して、大切に保管しておく

いまはほとんどの書類がパソコンで作成されているにもかかわらず、「プリントアウトしないと気がすまない」という人もいるようです。でも、そうするとプリントアウトするコストもかかりますし、ファイリングして保管しておく必要も出てくる。もちろん、その書類が必要になったときには探す手間も時間もかかります。それだけ仕事を増やしてしまうことになるのです。

3. 複数のツールでスケジュールを管理する

手帳にデジタルのスケジューラー、卓上カレンダーなど複数のツールでスケジュールを管理することには、いつでもすぐに手元のツールでスケジュールを確認できるメリットがあるように思えるでしょう。

ただ、デジタルのスケジューラーをパソコンとスマホで同期しておくくらいならともかく、デジタルとアナログを併用し、手帳や卓上カレンダーなど手書きのツールも別に使うことはおすすめできません。どこかで必ず転記ミスが起きるからです。そうなると、大事な予定をすっぽかす……といった最悪の事態を招きかねません。

4. クイックレスポンスする

もちろん、メール等の返信が早いのは悪いことではありません。でも、「早すぎる」ことは問題です。「クイックレスポンスは相手に好印象を与える」と考えている人のなかには、クイックレスポンスすること自体が目的になっている人もいます。すると、きちんと相手のメールの文面を読んだり返信内容を考えたりすることなく急いでメールを送ったあとに、その内容が間違っていることに気づき、もう一度メールをすることになるケースも珍しくありません。もちろん、これは大きな無駄です。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りがいい人になるための5つのしないこと」04

過去のやり方にこだわらない姿勢が改善と成長を生む

5. 過去の仕事のやり方を疑うことなく踏襲する

これは、前任者から仕事を引き継いだケースなどにありがちなことです。もちろん、引き継いだ直後は、前任者がやっていたとおりに仕事をすることも大切です。そうしなければ、無駄なトラブルを招いてしまうことにもなるでしょう。しかし、その仕事に慣れてきた頃には、思考を変えて本当にこのやり方がベストなのか?と考えられなければなりません。なぜなら、過去のやり方のままに仕事をするだけでは、改善や成長が見込めないからです。

このことは、私自身が関わっている人が身をもって証明してくれました。ご紹介するケースは、担当している仕事がこれまでのようにできなくなったというちょっと特殊なもの。ですが、その彼がもつ「本当にこのやり方がベストなのか?」という思考が生んだ好結果であることは間違いありません。

彼は、某企業の新入社員研修の窓口担当者。今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、4月に私が行なう予定だった新入社員研修のほとんどがキャンセルになりました。ところが、彼が勤める1社だけはオンライン会議システムのZoomを使って研修をやらせてもらえたのです。そう働きかけてくれたのが、彼でした。

もちろん、対面での研修に比べればやれることは限られていますから、100点の研修ができたわけではありません。それでも、自宅で「自習」させられていた他社の新入社員のことを思えば、オンラインでの研修にも大いに意味があったはずです。

彼が勤めるのは、歴史と伝統のある大手企業です。これまでのやり方を変えるのはそう簡単なことではなく、稟議を通すまでには時間と労力を費やします。私自身は、オンラインで新入社員研修をするという彼の提案も通らないものだと思っていました。それこそ、彼が「過去の仕事のやり方を疑うことなく踏襲する」人間だったら、「今年はいままでのように研修ができないから、中止するしかない」と考えたかもしれません。しかし、彼の「いままでのやり方にこだわらず、やれることはないか」と考える姿勢と熱意が、オンラインでの研修を実現させたのです。

鈴木真理子さんインタビュー「段取りがいい人になるための5つのしないこと」05

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「段取りが良い人」と「段取りが悪い人」の習慣 (アスカビジネス)

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  • 作者:鈴木 真理子
  • 発売日: 2019/11/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

【プロフィール】
鈴木真理子(すずき・まりこ)
東京都生まれ。株式会社ヴィタミンM代表取締役。共立女子大学卒業後、三井海上火災保険株式会社(現三井住友海上)に入社し、約10年間の勤務を経て退職。さまざまな職業を経験してから2006年に起業し、講師派遣型の社員研修を行う株式会社ヴィタミンMを設立。これまで企業研修や公開セミナーにおいて3万人以上に生産性の高い仕事術を提唱している。日経ウーマンオンラインの人気コラム「鈴木真理子のミスなし、ムダなし、残業なし 信頼の仕事術」(2017年3月〜2018年12月)では、江戸っ子言葉でギャグ好きの「すずまり姉さん」のキャラクターで登場し、以来、その愛称で親しまれている。『マンガでわかる! 仕事で絶対ミスしない技術』(宝島社)、『ミスが減る! 信頼される! 仕事の準備の本』(大和書房)、『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『もう必要以上に仕事しない! 時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)、『絶対に片づく整理術』(PHP研究所)、『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(明日香出版社)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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