必死になって仕事に打ち込んでいるのに、なかなか結果が出ない。自分では頑張っているつもりなのに、イマイチ手応えを感じない。そんな状態に陥っている人はいませんか。それは努力の方向性を間違えているからかもしれませんよ

皆さんは “成果がみのらない悪い努力” をしてしまってはいないでしょうか。3つの危険パターンを一緒に見ていきましょう。

1. 「断られても繰り返しアプローチすればいい」と考えるのはNG

「一度断られたぐらいで諦めてはいけない」
「繰り返しアプローチすれば、いずれ良い返事をもらえるだろう」
このような意識で営業に臨んでいる人は要注意かもしれません。株式会社マーケティング・トルネード代表取締役で『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』等の著書を持つ佐藤昌弘氏は、次のように述べます。

セールスの世界には、「営業は断られてからが勝負だ」という考え方があります。(中略)しかし、少なくとも私は、そうは思いません。一流の営業マンは、もし顧客に断られたのならそこで終わらせるべきであり、粘るべきではないのです

(引用元:Bizコンパス|一流の営業マンは「断られたら終わり」で粘らない ※太字は編集部が施した)

佐藤氏によれば、「営業は断られてからが勝負だ」という考えは、今の時代では通用しないのだそうのです。インターネットやスマートフォンが全く普及していなかったひと昔前であれば、顧客が自力で質の良いサービスや商品を探したり優秀な営業担当者を開拓したりすることは至難の技でした。だからこそ営業担当者は、たとえ断られたとしても、説得を繰り返して粘れるだけの余裕を持てていたのです。

しかしインターネットやスマートフォンが普及したいま、顧客側は専門的な知識を簡単に手に入れられるようになりました。また、さまざまな分野で類似サービスもひしめき合うことに。顧客は、それらを比較しながら容易に選べるようになりました。もはや「断られても粘ればいい」と悠長なことを言っている余裕がなくなったことは明白ですよね。

佐藤氏は、「顧客に執拗に売り込む」のではなく、「目の前の顧客に全神経を傾け、集中して、全力でセールスを行なう “一客入魂” 方式」が、現代の営業の必勝法だと説きます。どこかで「次もあるだろう」と油断するのは命取りです。徹底的に事前リサーチを行なう。相手のニーズにあった提案内容になっているか、何度も検討を重ねる。商談時は顔色や表情の変化まで細かく観察し、何を言えば相手に刺さるのかを本気で考える。「一発で決めてやる!」という積極的な態度が、成否を分けるに違いありません。

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2. 自分の得手不得手を理解せず、あらゆる業務を担当しようとするのはNG

仕事において、さまざまな業務を積極的に担当しようとする意思はたしかにすばらしいものです。しかし一方で、それが最良の結果を生み出すとは限らないという事実も頭に入れておいたほうがいいかもしれません

コンピュータ周辺機器メーカーであるエレコム株式会社でヘルスケアチームリーダーを務める岩井眞琴氏はかつて、マッサージ器や折りたたみベッドなどを扱う会社に勤務していました。その会社で岩井氏は、企画デザイン、開発、マーケティング、販促プロモーション、広報と、あらゆる職務を担当していたのだそう。しかし、それがかえって彼女自身を苦しめる結果に。幼い子供がいたにもかかわらず、子育ても満足にできない状態になってしまいました。

現在の会社に移ったいま、岩井氏は「ひとりでできる仕事は限られている」と考え方が変わったのだといいます。

やっぱり、一人でやる仕事なんてたかが知れているというか、限られているんですよね。今は7人のチームなんですが、メンバーそれぞれがアイディアを出し合ってそれがプラスになっている。

(中略)

自分にはできることの限界があるのは確かなんで、できないところは「私、わからないからお願い」ってメンバーに言っています。

(引用元:wotopi|先輩、1人でなんでもやろうとするのはダメですか?【#両立って必要?】 ※太字は編集部が施した)

人間には誰しも、得手不得手が存在します。もしも、無理にあらゆる仕事を引き受けていると自覚がある人が、不得手な分野に挑戦するのは控えたほうが無難な場合もあることを肝に銘じておいてください。自分よりもそのことが得意なメンバーが、きっと周囲にいるはず。思いきってそのメンバーに任せ、自分が得意な業務に全力を注ぐ。そのほうが、チームとしての生産性も向上するのではないでしょうか。

ちなみに、コンサルティング会社を経営する吉戸三貴氏は、「得意なこと」の見つけ方として「苦手なことを書き出す」ことをすすめています。

得意なことはわからなくても、苦手なことはわかる、という方は多いものです。「これをするのは、他の人より時間がかかる」、「実行するのにストレスを感じる」ことがあれば、最初にクリアにしておきましょう。苦手なことがわかれば、得意な分野を探す範囲を絞り込むことができます。

(引用元:Innovations−i|自分が「得意なこと」を見つける方法

大半の人には、他者より優れた部分が必ず存在します。それを充分に活かしながら仕事を進めれば、成果もずっとみのりやすくなるはずです。

3. サービス残業・休日返上で仕事を行なうのもNG

帰宅時間や残業代などを気にせずに、遅くまで残って残業に精を出す。以前の日本社会では賞賛された行動ですが、今となってはじつに非合理的と言えます。日本以上に仕事の結果を重視する傾向があるアメリカの職場では、長時間残業を行なう人物は、時間以内に仕事を完了することができない無能とみなされるのだそう。たしかに、同じ内容の仕事を短時間で完了できる人間のほうが、考えるまでもなく有能ですよね。

2015年に『Economic Journal』という学術誌に掲載された論文によると、人間の生産性は週48時間を超えると低下する傾向があるそうです。また、従業員が長時間労働を行なうと、疲労やストレスの原因になりやすく、ミスや事故が発生しやすくなり、結果的に雇用主にリスクがのしかかるとも指摘されています。

医学的観点から見ても、長時間残業は心身ともに深刻な影響を与えるようです。労働安全衛生総合研究所の高橋正也医学博士の統計によると、週の労働時間が55時間以上の人は、労働時間が36~40時間に人に比べて、冠動脈疾患の発症確率が1.08倍に、脳卒中の発症確率が1.33倍に高まるのだとか。ほかにも、イギリスのある自治体の調査では、1日平均3~4時間残業を行なう職員のうつ病発症率は、定時上がりの職員に比べて2倍以上を記録したという結果も出ています。

同様に、休日返上で仕事を行なうことも、推奨できる行為ではありません。経営者の間には「遊べない社長はダメ社長」という共通認識があるそうです。これは、優秀な経営者は遊べる時間を作れるほどの余裕を持てているという意味ですが、これは従業員側にもあてはまる認識ではないでしょうか。働く者にとって、休日とは、心身ともにリラックスし、次の仕事のための英気を養う大事な日です。仕事に夢中になるあまり、ほとんど休日を取らないという方もいるかもしれませんが……。やはり、しっかり休息を取ることが大切であるようです。

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“成果がみのらない努力”、ついやってしまってはいませんでしたか。努力はもちろん大事ですが、それが「自己満足」になってしまったら意味はありません。ぜひ “正しい努力” に改善していきましょう。

(参考)
Bizコンパス|一流の営業マンは「断られたら終わり」で粘らない
wotopi|先輩、1人でなんでもやろうとするのはダメですか?【#両立って必要?】
Innovations−i|自分が「得意なこと」を見つける方法
FNN PRIME|アメリカのサラリーマンは残業代ゼロが当たり前?
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