自分に自信がなく、仕事でも活躍したいと思ってはいるものの、なかなか具体的に動き出せない。 日常にちょっとした工夫を取り入れるだけで改善できる方法があるならやってみたいと思いませんか?
今回は成功者の多くが実践している「アファメーション」、人生を変える技術を紹介しましょう。
「アファメーション」とは?
アファメーションとはコーチングの元祖であるルー・タイスによって提唱された、自分自身に対する肯定的な宣言のこと。ポジティブな言葉を自分自身に語りかけ、あなたの人生に好ましい変化を起こすテクニックです。言葉の力で自分の潜在意識に働きかけることで、成功を引き寄せることができ、誰でも簡単に始めることができます。
脳機能学者であり、アファメーションに関する著作のある苫米地英人博士は「人間が言葉を操るのではなく、言葉によって人の人生が決まってしまう」としています。また苫米地博士は、私たちが行う選択と行動は、その人がどんな言葉を受け入れているかによって決まってしまうとし、以下のように述べています。
素晴らしい人生を手に入れたいなら、「自分にはできる」と心の底から確信することがとても重要です。
(引用元:苫米地英人(著),マーク・シューベルト(監修)(2013),『「言葉」があなたの人生を決める』,フォレスト出版.)
オリンピックで23個もの金メダルを獲得した、水泳のマイケル・フェルプス選手を覚えている方も多いのではないでしょうか。実は彼もアファメーションを取り入れていた一人です。彼はまだ年齢別の全米水泳でトップにも立っていなかったころから、コーチであったシューベルトの教えにより、オリンピックの決勝の舞台で泳いでいる姿を脳裏に焼き付けながら眠りにつくのを日課にしていたそうです。これが素晴らしい快挙を次々と成し遂げていく源になったのですね。
このように、アファメーションを習得すれば誰でもなりたい自分になれるのです。
アファメーションを実際に取り入れてみた
そこで、アファメーションを取り入れたら本当になりたい自分になれるのか、実際に試してみました。
アファメーションは本来人生のゴールとなるような大きな目標に用いるようですが、短期間でも簡単に効果が出るのか確かめるために、日常的な目標を達成できるような自己暗示を行いました。
■目標 「英語が話せる」 「留学生とコミュニケーションをとる」
筆者は留学生や外国人観光客と話す機会が多いため、英会話のスキルが求められていました。日常会話ができる程度の英語の基礎力はあるはずなのですが、もともとの性格もあってかなかなかコミュニケーションをとることができずに悩んでいたのです。
■アファメーションをするタイミング ・1日の始まりである朝 ・自信がなくなったときや失敗が続いたとき
1日の良いスタートを切るべく朝起きてすぐに行うつもりだったのですが、起き抜けの状態ではしっかりとアファメーションができませんでした。そこで、身支度を整えて、頭がしっかりと働いてきたころにアファメーションを行いました。また、基本的にいつでも自己肯定することは効果があるようなので、自信がなくなったときや失敗が続いたときにも実践しました。外国人との会話がうまくいかずネガティブになってしまったときなど、アファメーションを行い、英語が話せて外国人とコミュニケーションがとれたときのポジティブな様子を再現するようにしたのです。そうすると、アファメーションが以前の現実であったかのように想起でき、「自分は英語が話せる!」と自信を取り戻すことができました。
■アファメーションのやり方 ・「留学生とコミュニケーションをとる」と、実際にその様子を想像して3回唱える ・うまくイメージできないときは3回と言わず何度も繰り返す ・集中できないときは1分程度の瞑想をしてから再度アファメーションを行う
■アファメーションのポイント ・ポジティブな言葉で統一する ・現在形で言い切る ・私を主語にする ・ネガティブな言葉は使わない
アファメーションをやってみて感じたこと
ではやってみて効果はあったのか、どのような変化があったのかを紹介していきます。
まず、「意識の持ち方次第で現実は変わる」ということを実感しました。例えば、「英語が話せる」というアファメーションをかける前と後で英語力が上がったわけではありません。しかし、話せるという自信を持ったこと、ポジティブにどんどん話しかけてみようという意識が、以前より英語でのコミュニケーション能力を高めてくれました。もしかしたら、自信があるだけで話している英語は支離滅裂かもしれません。それでも、積極的に会話をするという一歩を踏み出せたことで、どんどん練習していくことができ、レベルアップするのは時間の問題だと感じています。
また、アファメーションの効果を高めるコツとして気づいたことは、アファメーションになんらかの根拠を付加すること。アファメーションという方法に従うだけでなく、自分自身が「英語を話せる」と確信していることが大切なのです。「リスニング教材を〇〇ページもこなしたから」「2日前、留学生と楽しく会話ができていた」など、「できるんだ」と思えるポジティブな理由をたくさん持ちましょう。
そして、想像力を膨らませ、成功した未来をイメージすること。これは受験時代の経験になりますが、筆者も「京大に合格したい」とただ言い聞かせている時は、なかなか成績も伸びず、本当に合格できるか不安でした。しかし、オープンキャンパスに行って、将来の自分をリアルに想像することで、目標に対する臨場感が増し、夢を叶えることができたのです。このように、想像力と臨場感を高めることで目標が現実になるのです。
アファメーションの効果を高めるためには、心の底からできると自分自身を信じ、成功した姿を心に映し出すことができなければいけません。しかし、逆にそれさえできればどんな目標でも達成することができるのです。
*** 自分自身で肯定し、夢をかなえるアファメーションという技術を紹介しました。幸せを引き寄せたい人も目標を達成したい人も、自分自身の意識で今までの自分を変えることができます。今日からアファメーションを実践してみましょう。
(参考) ルー・タイス著,苫米地英人監修, 田口未和訳(2011),『アファメーション』, フォレスト出版. 苫米地英人著,マーク・シューベルト監修(2013),『「言葉」があなたの人生を決める』,フォレスト出版. ビジネス心理学|アファメーションとは?意味や例文、恋愛・復縁・お金に最大効果を出す方法 石井裕之著(2010),『ダメな自分を救う本 人生を劇的に変えるアファメーション・テクニック』,祥伝社.