みなさんは、自分が関心を持っている分野の勉強や昇進に必要な学習のために十分な時間を確保できていますか?
毎日忙しく過ごしている学生やビジネスパーソンの方であれば、まとまった時間がないせいで、勉強したいと思ってもなかなか手がつけられないということがあるかもしれませんね。しかし、学習時間を捻出する方法が皆無だというわけではないはず。
そこで今回は「朝」の時間帯に注目し、「朝勉」をやってみて分かった効果とそれを無理なく続けるコツについてお伝えします。
勉強は断然、夜より朝がいい!
自分は夜型だからと、朝よりも夜に勉強を行っている人はいらっしゃることでしょう。筆者もどちらかというと夜遅くになってからスイッチが入るタイプです。
しかし、弁護士の高井伸夫氏によると、経営者の中でも財界の大立者になるような人は「超朝型人間」であると伝えています。たしかに、たいていのビジネスパーソンは朝から仕事が始まるため、ライフスタイルに合わせて朝型になっておくことは重要なことです。また、作家の野村正樹氏によれば、朝の生産性は通常の6倍にもなるそう。
さらに、調査会社ニューロリーダシップ・インスティチュートの調査責任者であるジョシュ・デービス博士によると、落ち着いた静かな状況で、周囲に気を取られない状態である場合に効率性は向上するのだとか。そうは言っても、1日の疲れが溜まっている夜に勉強を捗らせるのは、普通に考えれば難しいはず。代わりに朝、特に早朝の時間帯であれば、脳もまだ疲れきっていないため、集中して学習に取り組むことができるのではないでしょうか。
筆者はまだ学生ですが、朝から活動するという点ではビジネスパーソンと同じなので、この機会に朝勉の効率性を検証してみることにしました。
筆者がやってみた「朝勉」レポート
今回は、普段あまりできていない授業の予習復習に焦点を当ててみました。通学に往復4時間、平日は帰宅してから授業で出された宿題のみにほとんどの時間を費やして追加的な学習はできていなかったこともあり、まずは小さなことから始めようと考えたのです。
しかし、早起きすることが苦手な筆者にとって、自宅で学習できるまとまった朝時間を余分に作り出すことは至難の技でした。そもそもすでに授業開始時間の関係で朝5時半起床をしなければならない日も多く、さらに早い時間帯に起きることも試してはみたものの結局2度寝してしまい、いつもの時間にさえ起きられなくなるということもしばしば。朝勉はやはり無理かと諦めかけた矢先、思いついたのが通学に使う電車の時間を1本だけ早めることでした。
普段乗る電車は乗客が満員で、車内ではほぼ立ちっぱなし、イヤホンで語学を聞き流したり、文庫本を読んだりするくらいしかできません。しかし、たった1本早い電車に乗る、たった10分自宅を出発する時刻を早めるだけで、乗り換えの回数が減り、座席にも座り続けていられることが判明。教科書やプリントを広げて、疑問点などをメモするような作業が可能になったのです。もちろん、どうしても眠い時にはうとうとしたりもしていました。
大切な平日の朝時間を、満員電車のストレスにさらされながらぼーっと立ち続けて過ごすのか、座って勉強に費やすのかでは大きく学習効率が変わってきます。筆者はこの朝勉のおかげで、授業についていけなくなるという不安を打ち消すことができました。
朝勉をやってみて感じたこと
実際に朝勉をやってみてまず感じたのは、わざわざ何時間も早く起きる必要はないということ。もちろん、早朝に時間を作れるに越したことはありません。しかし、朝早く起きる習慣が身に付いてない人は、よほど意志が強くない限り早起きを続けるのはおそらく難しいでしょう。新しいことを習慣付けるには得てして時間がかかるものです。
また、朝に生産性のある活動を行っていない場合、夜になってこのまま寝るのはもったいないと感じ、つい夜更かしに繋がってしまうことがありました。しかし、朝勉の時間を設けることで、これまでよりも1日が充実したものに感じられるようになったのです。朝時間を有効的に使ったという実感を得ているため、午後からも気を抜いてしまうことなく活動ができました。
朝勉を無理なく続けるコツ
実際に朝勉の効率性を検証してみた上で、「朝勉」を無理なく続けるには「ちょっとした工夫」が必要だということに気づきました。例えば以下のような工夫が挙げられます。
・夜に翌日の準備を済ましておく 次の日の準備は前日の夜に済ませておくべきでしょう。当日の朝に準備をする方もいらっしゃるとは思いますが、忘れ物などをしてしまいやすいのと同時に、貴重な朝勉の時間を削っていることになります。
・無駄になっている時間を探す 朝勉の時間を捻出するには無駄になっている時間がないかどうかを探すべきです。 理想は早朝に1~2時間程度ですが、そのような余裕がない人も多いでしょう。筆者の場合、朝の通学時間がネックであったように、皆さんも朝勉に置き換えられるような時間を見つけてみてください。早起きの習慣を身に付けるよりも取り組みやすいはずですよ。
(参考) THE WALL STREET JOURNAL|朝4時、なぜ最も生産的な時間なのか? ITmediaエンタープライズ|朝1時間勉強法:少しでもラクに「早起き」をする方法 ITmediaエンタープライズ|生産性を6倍上げる“朝”は未開拓の資源だった! PRESIDENT Online|朝活で統一・一貫性を保って脳の働きを活発化 PRESIDENT Online|朝の1時間で昼の3時間分の仕事をこなせる