みなさんは、普段から自分の身体を鍛えていますか。仕事が忙しく、身体を鍛える時間がなかなか取れないという方もいらっしゃるでしょう。また、運動が苦手で身体を鍛えるなどとんでもないという方も、もしかするといらっしゃるかもしれませんね。
しかし健康の面から考えれば、仕事ばかりの毎日を過ごすのではなく、できることなら身体を鍛えたいもの。加えて、「優秀なビジネスパーソンは身体を鍛えている」と言われる機会も多く、トレーニングに興味があるという方は少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、デキるビジネスパーソンになるための身体の鍛え方についてお伝えします。
成功者の多くは身体を鍛えている
さきほども述べたように、ビジネスで成功している人の中には、身体を鍛えることを習慣として取り入れている人がいます。ここでの「身体を鍛える」とは、定期的に筋力トレーニングをおこなうこと。
『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』の著者であり、これまで多くのビジネスパーソンを見てきたパーソナルフィットネストレーナーの山本ケイイチ氏によれば、仕事で成功した人ほど普段から身体を鍛えている傾向にあるのだとか。山本氏は「鍛えられた肉体は、もはやビジネススキルのひとつなのである」とまで言います。みなさんの身の回りにも、忙しいはずなのに身体も鍛えている優秀な同僚が、1人や2人はいるかもしれませんね。
例えば、サントリーホールディングス代表取締役社長の新浪剛史氏も、身体を鍛えているビジネスパーソンの1人です。
新浪氏は、当時はローソンの社長であった2013年のインタビューで、週2回のジム通いを11年間続けていると語っていました。トレーニングをするとストレス発散ができ、物事に対して前向きになれるのだと言います。また、仕事で多忙な中でも、貴重な時間をトレーニングに割いて健康管理をすることは、仕事に対しても大きな意味があるのだそう。これについて、新浪氏は次のように語っています。
企業経営とは、決断の連続です。とくに小売りはスピードが非常に速い。経営者は、重要な意思決定を次々と迫られることになります。それも24時間365日。休んでいる暇はありません。だから、健康管理は非常に重要ですし、常に心身がフレッシュでなければいけません。 (中略) 意思決定は真剣勝負。明晰な頭脳と溌剌とした体調でなければ、取り組めません。
(引用元:PRESIDENT Online|二次会を断って筋トレを続ける理由 —ローソンCEO 新浪剛史氏)
重要な意思決定を下す際には明晰な判断が必要です。明晰な判断のためには、クリアな思考と健康な身体を保つことが大事。身体を鍛えることは判断力を磨くことにもつながっていると言えるのかもしれません。
身体を鍛えるメリット
身体を鍛えることには、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。身体を鍛えることで得られる、仕事につながる効果とは何なのでしょう。さまざまなメリットの中からいくつかを挙げてみましょう。
1. 基礎代謝の向上
基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温維持といった体内の生命活動において消費されるエネルギーのこと。身体を鍛えると、基礎代謝量が上がります。その結果、身体の免疫力が高まることで病気を防ぐことができるほか、太りにくい体質を作ることも可能となるのです。
2. ストレス耐性の向上
身体を鍛えることは、精神面での安定にもつながります。身体を鍛えることによって、代謝機能を促す生理活性物質である「IL-6」の分泌が増加し、ストレスによる交感神経の活動を減らすことができるからです。
仕事においてストレスを感じる状況はきっと多くあるでしょう。そのような時にストレス耐性があれば、仕事の成果を落とさずにすむはずです。
3. セルフコントロール力をつける
トレーニングはセルフコントロール力をつける訓練として最適です。トレーニングがつらくてサボってしまいたいときでも自分を律してトレーニングに取り組むことは、仕事において自分を律する姿勢を養うことにもつながるでしょう。
このように、身体を鍛えることには、健康面でのメリットのみならずメンタル面でのメリットがあることがわかります。
トレーニングの効果はこれだけではありません。上で紹介した山本氏は、鍛えられた身体はすぐに手に入るものではなく、トレーニングという努力の積み重ねによって得られるものであり、周囲からの信頼にもつながるものなのだと言います。
トレーニングは、短絡的なことばかりがもてはやされている現代において、数少ない、短絡的ではないものだ。 (中略) プロセスの重要性、粛々(しゅくしゅく)と努力を積み重ねることの重大さに気づくだけでも、トレーニングをする意味はある。
(引用元:幻冬舎plus|筋肉は最強のビジネススキル【リバイバル】)
身体を鍛え、自分をしっかりと律している人には、自然と信頼や尊敬が集まるということなのですね。
忙しいビジネスパーソンが身体を鍛える方法
いくら身体を鍛えたほうがよいのはわかっても、時間がない人や体力に自信のない人は多いはず。そこで、時間だけでなくお金もかからない、初心者でも簡単なトレーニング方法をご紹介します。
1. 体幹を鍛える「プランク」
体幹は頭と四肢を除く胴体部分すべてを指し、その役割として内臓を守ったりバランスのとれた動作や正しい姿勢を維持したりすることなどが挙げられます。「プランク」はやり方が単純でありながら、体幹に付随する筋肉を鍛えるのに効果のある方法です。ステップはたった2つ。
(1)前腕を床につき、前腕とつま先の2ヶ所で体を支える (2)頭、背中、腰、かかとを一直線に保つ
最初は15秒程度からでも構いません。慣れてきたら、一直線に保つ時間を長くしたり片足を上げてみたりするなど難易度を上げていくことによって、トレーニングの効果を高めることができますよ。
2. 下半身を鍛える「スクワット」
「スクワット」なら、みなさんも実際にやってみた経験がきっとおありでしょう。順天堂大学医学部教授である小林弘幸氏によれば、スクワットは血流や筋力、自律神経などの機能低下を改善してくれる効果があるのだそう。そのステップは以下の通りです。
(1)背筋を伸ばし、肩幅くらいに両足の間隔を開いてつま先を前に向ける (2)つま先と同じ方向に膝を曲げ、膝を曲げる角度が90度になるまで重心を落とす (3)最初の状態に戻り、重心を落とす動作を再度繰り返す
驚くべきことに、身体の筋肉のうち約3分の2は下半身にあります。この下半身の筋肉をバランス良く鍛えることができるのがスクワットなのです。
*** 優秀なビジネスパーソンに近づくためには、身体を鍛えることが大切です。決して無理はせず、まずは自分ができる範囲のトレーニングからみなさんも試してみてください。
(参考) PRESIDENT Online|二次会を断って筋トレを続ける理由 —ローソンCEO 新浪剛史氏 グリコ|筋トレを続けることのメリットとは 幻冬舎plus|筋肉は最強のビジネススキル【リバイバル】 女性自身|肩こり、腰痛にも効果…家事中に行う「スクワット」のすすめ Mocosuku|アスリートがよくいう「体幹」とはなに? 鍛えるとどうなる?