居心地の良いデスクは効率をさげる!? 集中できるデスクをつくる3つの方法。

デスクに着いたらスイッチON! バリバリ仕事をして、休憩時間はOFFモードに切り替えてしっかり休む。こんなメリハリのある仕事ができるビジネスパーソンには、誰もが憧れるもの。

でも、いざマネしようとしてみても、デスクに着いたからといって瞬時に仕事に集中することなどできず、なんだかダラダラと仕事をしてしまう、といった人は多いはずです。

仕事にメリハリのある人とない人。その違いを知れば、ON・OFFのけじめをつけて、仕事に集中することができそうですよね。

実は、仕事に対する集中力にはデスク周りの環境が大きく関わっているのです。仕事にメリハリのない人のデスクは、知らず知らずの内に、その人の「テリトリー」となっている傾向があります。仕事をスタートして素早く集中モードに入るには、デスクのテリトリー化を避けるのが肝心なのです。

テリトリーとは? 自分のモノが主張する領域

テリトリーとは、人が他人に害されたくないと思う領域のことを指します。自分の家、自分の部屋といった空間は、誰もが持っている安心できるテリトリーですね。

そして、テリトリーの形成に密接に関わっているのが、自分のモノです。モノをテリトリーに置けば置くほど、他人に対して「ここは私のテリトリーだ」と示していることになり、侵害されない安心感がぐっと増します。

思春期の子供の部屋にアイドルのポスターが増えるのが、その顕著な例と言えるでしょう。思春期は、自分のテリトリーに他人を踏み込ませたくないという気持ちが強くなりますから、モノによるテリトリーの主張も強くなるのです。

オフィスのテリトリー

さて、このテリトリーが発生するのは、家の中に限った話ではありません。

例えば、オフィスのデスク。これは立派なテリトリーの一つです。私物をデスクに置くことで、そこは他人に害されない、安心できる空間になっているのです。

あなたが朝会社に来たときに、他の人があなたの席でごはんを食べていたら、少しムッとしますよね? これは、自分のテリトリーが侵害されたために生じる感情なのです。

デスクがあなたのテリトリーになっている。それはつまり、デスク環境が自宅の環境に近づいてしまっているということ。

テリトリーを拡大しようとするのは人間の正常な思考ですが、デスクまでもがテリトリーになってしまうと、デスクは仕事にふさわしくない、居心地の良い環境になってしまうのです。

居心地が良くちゃダメなの?

居心地の良い空間と聞くと、仕事の捗りそうな、良いイメージを持ちますよね。しかし、これは大きな間違い。居心地の良い空間が仕事に好影響を及ぼすとは限りません。

というのも、「仕事にとって良い環境」は、居心地の良い環境とはベクトルが異なるものなのです。

仕事にとっての良い環境とは、集中力を削ぐものが存在せず、クオリティの高い仕事ができる環境を指します。ですから、いまの仕事には関係のない道具や、目下の業務には使わない資料などがない空間が仕事に適した環境と言えるでしょう。

それに対して、居心地のいい環境とは、肩肘を張る必要のない「ノンプレ空間(プレッシャーのかからない空間)」を指します。他人に気を遣う必要も、他人からとやかく言われる機会もないのが、居心地のいい空間。当然こういったノンプレ空間では、人はだらけてしまい、緊張感も集中力もキープすることができません。

ゆえに、居心地の良い空間は仕事の敵なのです。つまり、「デスクについたら瞬時に集中ON」を実現するためには、デスクのテリトリー化は避けるべき事項だと言えます。

desk-territory02

テリトリーを排除するための方法

仕事にふさわしい環境を整えるためには、どうすればいいのか。有効な方法を3つご紹介します。

1)席を交換する

同僚や、隣の席の人と、定期的に席を交換してみて下さい。これによって、仕事の緊張感はぐっと増します。とは言っても、自分の座席が決まっていないフリーアドレス制の会社であれば簡単ですが、そう簡単に席の交換ができない場合は、仕事をする場所を時々変えてみましょう。ある時は会社のラウンジで、ある時は資料室で、ある時は空き会議室で……。

席を移動しようとすると、机上のモノを整理しないと移動できないので、テリトリーを形成しているモノを一旦リセットすることができます。加えて、見える景色が定期的に変わることで自分のテリトリーであるという認識が弱くなり、その結果デスクを仕事に適した空間に変えることができるのです。

2)「目」のシールを貼る

他人の目に関する、面白い研究があります。

人間は他人の目を意識して行動する、というのは広く知れた話ですが、実は本当の目でなくとも効果を発揮するということが研究によりわかっています。

イギリス・ニューキャッスル大学の研究グループが行った実験では、コーヒーの無人販売所で人がちゃんとお金を払うかどうかを調べました。ある期間では「人間の目」のシールを、別の期間では「花」のシールを販売所に貼ったところ、前者の時の方が支払われた金額は多かったのです。

つまり、本物の目でなくても、人間は視線を意識してしまうということ。ですから、デスクに目の形をしたシールを貼ることで、あなたの集中力は自然と高まります。

3)スマホの電源を切る

スマホというものは、いつでもどこでもテリトリーを確保できる便利な道具です。

「満員電車に乗るとみんなスマホを見ていて怖い」ということがよく言われますが、これは自分のテリトリー確保する行為。大勢がぎゅうぎゅう詰めになった狭い満員電車ではテリトリーを確保しにくくなるため、スマホを使うことで、ある種無理矢理にテリトリーを形成しているのです。

つまりスマホは、それ一つで空間を自分のテリトリーにできるアイテムだということ。仕事の大敵なので、電源を切っておくことをおススメします。

テリトリーとは、社会における自分の居場所です。もちろん誰もが必要としているものですが、仕事の妨げにならないように注意しましょう。

(参考) 長澤泰著,西出和彦著,在塚礼子著(2011),『建築計画(改訂版)』,市ヶ谷出版社. Bateson M, et al. (2006), "Cues of being watched enhance cooperation in a real-world setting," Biology Letters 2: pp. 412-414.

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト