「行動科学 × 英語ジム」でTOEIC800点越え続出! 行動科学マネジメントの第一人者・石田 淳 氏を迎えた特別対談

——本日は、行動科学マネジメントの日本における第一人者である石田淳さんと、英語の「ジム」ENGLISH COMPANYを運営する、弊社 恵学社代表の岡に話を聞きました。本日はよろしくお願いします。

石田さん:よろしくお願いします。

岡:よろしくお願いします。ENGLISH COMPANYでは、数ヶ月前から「学習の継続」「トレーニングを続けていく」ということにものすごく力を入れていて、行動科学マネジメントの第一人者でもあり「続ける技術」の著者でもいらっしゃる石田さんの会社にコンサルティングを受けています。今日はお越しいただいてありがとうございました。

石田さん:いえいえ、こちらこそありがとうございます。本日はよろしくお願いします。

行動科学マネジメント「続ける技術」とは

——まずは、石田さんにお伺いしたいのですが、「行動科学マネジメント」や「続ける技術」とはどのようなものなのでしょうか。

石田さん:簡単に言うと、行動科学マネジメントとは、行動分析学をベースとしたマネジメントの手法のことです。自分自身を含む「人」をどうマネジメントし、動かしていくのかということですね。部下や学生などに対して使えば「教える技術」として利用できるし、自分に対して使えば自分の行動を管理するための「セルフマネジメント」の技術としても使えます。本人の「意志」ではなく、行動 "だけ" に焦点をあてていくことが大きな特徴です。

10年ほど前から「行動科学マネジメント」というものを日本に紹介してきましたが、いまでは認知も広がってきていて、行動に関する書籍なども増えてきていますね。

——従来の手法、たとえば叱り飛ばしたり、気合い・根性で乗り切ったり、という方法とは全然違うということですか?

石田さん:そうですね。叱り飛ばして性格を変えようとしたり、強い意志を持たせるようにするということはあまり効率のよい方法ではありません。「結果」を重視するのであれば、「意志」のような形のないものではなく、「行動」というはっきりとした形のあるものを変えることが近道です。

すべての結果は行動の積み重ねです。意志の強さより、確実に行動をしたという "事実" がたいせつなんです。意志や能力とは関係なく、誰でも同じような結果が出せる再現性の高い方法です。

——結果を出すためには「意志」より、「行動」が重要だということですね。

石田さん:人生において、結果を導き出すのは「行動」だけですからね。

英語のジム ENGLISH COMPANYとは

——次に、ENGLISH COMPANYの岡さんにお伺いします。ENGLISH COMPANYは英語の「ジム」だということですが、通常の英語の学校とはどう違うのでしょうか? 3ヶ月という短期間で英語の実力が急上昇している理由を教えてもらえますか?

岡:ENGLISH COMPANYの大きな特徴はいくつかあるのですが、いちばん大きなものは「第二言語習得研究」という言語習得の科学をベースにしたメソッドを用いていることですね。

——「第二言語習得研究」とはなんでしょう。なぜそれを英語のスクールに取り入れようと思ったのですか?

岡:第二言語習得研究とは、「人はどのように第二言語(外国語)を身につけていくのか」というメカニズムを研究する学問です。科学的に効果の高いとされている方法でトレーニングを進めていきます。

ENGLISH COMPANYの運営をしている恵学社は教育系のベンチャー企業としてはじまったのですが、はじめに手がけたのは大学受験向けの予備校でした。大学受験などのいわゆる受験勉強の世界では、「とにかく頑張る」とか「合格はちまき」とか、そういう精神論的なことが多いのですが、せっかく大学等で効果的な勉強の仕方が研究され、効果の出やすいとされる方法が分かっているのであれば、それを使っていこうということで、予備校の部門では初めから「第二言語習得研究」の知見をベースに英語の授業を行っていました。

また、それに限らず "STUDY SMART" 、合理的にかっこよく学ぼうということをコンセプトに、脱・精神論を掲げて、科学的な手法を取り入れていたのです。

石田さん:大学受験向けの予備校から、社会人向けの英語の「ジム」を始めたきっかけはなんだったのですか?

岡:大学受験の英語指導に第二言語習得研究の知見をベースにした指導をいれてみたところ、かなり大きな成果がでたんです。それこそ、3ヶ月で偏差値が15あがるなどということはよくありました。英語で困っているのは、受験生だけではありませんよね。社会人にも英語を学びたい、できるようになりたいという人はたくさんいます。そんな経緯で、社会人向けの英語ジムを始めました。

石田さん:科学的な手法でそんなに成果がでるんですね。どんな方が通ってらっしゃるんですか?

岡:いろいろな年代の方が通われていますが、いちばん多いのは20代半ばくらいから40代手前くらいの方ですね。英語をすぐ身につけたい、と真剣度が高い方が多いようです。お仕事や転職活動で英語が必要だという方が多い印象です。それから、やっぱり合理的に勉強したい、というお考えのかたも多いと思います。

TOEIC(R)テスト科学的攻略法

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  • 作者:岡 健作
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英語学習と行動科学マネジメント

——ENGLISH COMPANYでは、石田さんの「行動科学マネジメント」の手法を大きく取り入れていると冒頭のお話にもあったのですが、具体的になぜ「行動科学」を取り入れようと思ったのでしょう。

岡:英語の勉強って、始めることより続けることの方がむずかしいんですよね。ひとつひとつの文法とか、単語とかそんなものが難しいのではなくて。

石田さん:たしかにそうですね。英語などは、取り組んだ時間と成果がリンクしやすいので、続けることができれば効果もでやすいでしょう。

岡:まさにその通りです。社会人の方は、とにかく時間がなかったり、モチベーションが高くてもいろいろな障害 —飲み会の誘いとか、急な残業とか— があったりして、ペースを乱されがちで、継続することが難しいんですよね。

実は予備校でも、石田さんの著書など参考にさせていただきながら行動科学的な手法を取り入れていたのですが、ENGLISH COMPANYで社会人を対象にするにあたって、本格的に導入させていただきたいと思って、お願いしたという経緯です。

石田さん:そうだったんですね。予備校ではどんなことを?

岡:「成果」「結果」ではなくて、「行動」に注目するということを大きく取り入れました。たとえば、小テストの点数を評価してほめるということを完全にやめて、塾に来たら単語と計算の小テストを毎回うけさせる。それで、受験したかしなかったかという「行動」の部分だけを評価するようにしたんです。夏休みを通して行ったのですが、毎回受験するだけで評価されるわけですから、受験回数が増え、受験回数が増えると結果的に大きく成績があがるということが起こりました。2学期のはじめのテストでは、みんなが学年1位だとか、クラスで1位だとかを次々ととってきて。 点数、つまり結果で評価するのが当たり前だと思っていましたから、それはとても衝撃的なことでした。

talk-2 (左)岡 健作 (右)石田 淳 氏

 

石田さん:なるほど、なるほど。それは効果がでそうですね。何かができないときは理由が主にふたつあって、1つめは「やり方」がわからない場合、それから2つめは「継続の仕方」がわからない場合なんです。やり方がわかっているようなものなら、継続ができるだけでできるようになるでしょうね。

岡:そうなんです。社会人向けの英語では、やり方、つまり勉強の方法については私たちが培ってきた「第二言語習得研究」に基づくメソッドがありました。やってくれさえすれば、かなりの効率化が図れることは分かっています。科学ですからね。

でも、「毎日やってもらう」ということに関しては、いろんな事情をお持ちの社会人の方相手だと、やはりもう一工夫必要だと感じていました。

——行動科学にもとづいたセルフマネジメントの手法で、行動を継続してもらおうということですね。

石田さん:勉強系は応用しやすいジャンルですね。英語もそうですし、昇進試験だとか資格試験などにも有効です。またダイエット、運動、体質改善などにも効果を発揮しやすいものです。継続というのは、ようするに自分の行動をマネジメントする、セルフマネジメントそのものなのです。

行動科学マネジメントで250kmマラソン完走!?

岡:英語の他に、具体的な成功事例などありますか? 参考にできることがあればぜひお伺いしたいと思うのですが。

石田さん:この間も、ある会社と一緒に企画をやりまして。資格を取得するために勉強を続けましょう、という企画なのですが、朝早く起きてどうしても二度寝してしまったり、そもそも起きられなかったりという方に勉強を続けていただこうというものでした。

その方の場合は、「朝起きて、家で勉強はできない」という事実を一度受け入れていただきました。眠い状態で勉強を始めるというのは、ハードルが高すぎるんですね。ですから、「起きたらまずファミレスに行く」という習慣を徐々につけてもらいました。行けば多少なりとも勉強しますから、そういう風に少しずつ変えていくんです。ちょっとした環境作りをどうやって行っていくかということですね。その方はそれで成功されましたよ。

それから、これは少し違う話なのですが、先日お医者さんと話をしていて、長寿のためにはいかにストレスをためないか、セルフマネジメントをしていくかということが重要な要素だという話をうかがいました。

岡:石田さんご自身も、行動科学をつかってマラソンを続けられているとお伺いしました。

石田さん:そうですね。もともと45歳の時に健康診断の数字があまりよくなかったので、ちょっと走ってみようとなりまして。それまではまったくやったことがなかったのですが、どうせならセルフマネジメントを自分で設計してやってみようということではじめました。

はじめは1kmも走れなくて、10分を朝と晩にわけて20分歩くというレベルから初めて、それから5km走るのに1ヶ月、半年後にはフルマラソンを走りました。1年後にはサロマ湖の100kmマラソン、さらに1年後にはサハラ砂漠の250kmマラソンを完走しました。

運動系は、まずは身体を作って、スケジュールを決めて、「見える化」して、ご褒美を設定して、それから仲間を作ってという風に、丁寧に設計すればできるようになります。

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わかりやすく結果がでることが人気の理由

石田さん:ENGLISH COMPANYはすでにたくさんの人が受講待ちの状態になっているとうかがっているのですが、それはなぜですか? まだオープンして1年くらいですよね?

岡:単純にいうと、結果というか、数字が出ていることがやっぱり大きいと思っています。TOEICを指標にしているのですが、3ヶ月で300点とか400点くらいあがったり、最近ではハイスコア帯の方の伸びもすごいですね。800超えるの方は続出していますし、950を超えてくるかたもどんどんでています。TOEIC対策をやっているわけではなくて、全体的な英語力を伸ばした結果、TOEICのスコアも伸びているという状態です。

石田さん:なるほど、なるほど。わかりやすく点数があがっているんですね。やっぱり結果にこだわるというスタンスですか?

岡:もともと私たちが予備校を運営している会社だということもあって。たとえば、RIZAPさんがダイエットの分野で「結果にコミット」と流行語のようになりましたね。同様に、すべての予備校は結果にコミット状態なんです。逆に結果は知りませんという予備校はないと思います。

石田さん:ははは、たしかにそうですね。「成果は関係ありません」なんて予備校はないんですよね。

岡:予備校がカバーしている受験という領域は「落ちたら終わり」というシビアな世界。結果にこだわるというのはもともとのカルチャーなんです。

石田さん:なるほど。いまはどのスタジオが人気があるのですか?

岡:今は有楽町ですね。100名程度お待たせしていて、ご迷惑をおかけしているのですが明日(2016年8月23日)には2つとなりの駅の神田に新スタジオがオープンしますので、少し緩和されるかと思います。順次スタジオを増やして行く予定です。

石田さん:パーソナルトレーニング系の英語教室も増えてきているようですね。

岡:そうですね。市場が広がってきていて、それに伴ってENGLISH COMPANYに来ていただけるかたも大きく増えています。やはり真剣な方が多いので、じっくり比較してきていただいていて、第二言語習得研究だとか、「続ける技術」の部分の、科学的なアプローチを気に入っていただいているようです。

気合い・根性系といったいわゆる「スポ根」系ではない、科学的にあきらかな効率のよい方法をとっているというところですね。

石田さん:気合い・根性は大人には通用しませんよね。ちょっとそれは(笑)

岡:それから、やっぱり3ヶ月の短期集中でできるだけ効率的に英語力を身につけていただくことに加えて、プログラムが終わったあとにも英語学習を習慣的にやっていただく必要があります。だから、気合いや根性だけでその場だけ頑張れてもあまり意味はなくて、習慣をつくるお手伝いをすることが重要だと考えています。

ENGLISH COMPANYのパーソナルトレーナーにできること

石田さん:教材はどんなものを使っているのですか? 継続のしくみが入ったものですか?

岡:教材そのものに継続させるためのものが入っているわけではないのですが、第二言語習得研究の知見をベースにしたオリジナルの教材をつかいつつ、継続については教材以外のこと、たとえば習熟の「見える化」や、パーソナルトレーナーによる動機付けの仕組みを取り入れています。

石田さん:では、パーソナルトレーナーの果たす役割が大きいのですね。これだけ拡大していくと、採用も大量に行うのですか?研修も大変ですよね。

岡:そうですね。あたらしく研修センターも作って、研修にかなり力を入れています。採用に関しては、やはり質の維持も考えると応募者の数%しか採用できませんので、どう応募者の母数を増やして行くかというところですね。

石田さん:研修は教材の使い方を覚えて、それから続ける技術の部分を覚えて…ということですよね。

13528480_643491639139966_1173496637888591187_o ENGLISH COMPANYのトレーナー

 

岡:やっぱり、3ヶ月で英語力をぐっとあげてもらうということを考えると、実際に週に2回、受講生の方に直接トレーニングをするという時間と同じくらい、場合によってはそれ以上に、家でどうトレーニングを継続してやっていってもらうかということがとても大事になってきます。

石田さん:できるようになるためには、「やり方」と「継続の仕方」が大切ですからね。

岡:そもそも、英語の音を聞き取るとか、文を素早く読むというのは、知識というよりスキル・技術なので練習するしかないという部分があって。

石田さん:ええ。確かに教えてもらってすぐにできるものではありませんね。

岡:ですから、どうトレーニングを継続してもらうかということ。どう振る舞い、働きかけるのかということを研修でもたくさんやっていきます。

それから、実際にデビューして、トレーニングを担当するようになっても、日々それについて考え、うまくいった方法についてはトレーナー間でシェアしたり、コンサルを受けてブラッシュアップをしたりということを続けています。

石田さん:学び方、トレーニングの方法を教えるというだけでなく、続けさせるということにも注目しているということですね。とても理に適った方法ですね。

岡:英語はすぐにできるようなものではないので、基本に則って身につける方法を体得させられるトレーナーを作って行きたいと思っています。

*** 英語を身につけるために必要なものは、努力や根性よりむしろ合理的で科学的な考え方。第二言語習得研究をベースに科学的なトレーニングを行う英語のジムに、行動科学による「続ける技術」という新しい武器が加わろうとしています。「続けること」に意志の力は不要です。それはだれにでもできる「技術」なのですから。

 

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