相手が誰かひとりに決まっていればなんとか世間話ができるのに、複数人との雑談ではうまく喋れない……。そんな風に思っている人、意外に多いのではないでしょうか。
例えば、取引先の初対面の人と、少しの待ち時間の間雑談をしなければならなくなったとき。この人が話し相手、と決まっていますから、二人の共通の話題を探すなどして間を持たすことはできるでしょう。
しかしビジネスでは、誰かと二人きりの場面よりも、複数人と一緒にいる場面のほうが多いはず。それなのに、複数の人と一緒に過ごすとき、
話を切り出すタイミングが見つからないから。 空気を読んでしまうから。 もしつまらない話をしたら恥ずかしいから。
などといろいろな理由をつけて、自分から発言することを避け、聞き役に回ってしまう人はいませんか?
ビジネスの世界では、「複数人と会話する能力」は必須のもの。会議では、複数人の前で意見を言うことが求められますし、プレゼンでは、大勢の聴衆に魅力ある伝え方をしなければなりません。非公式な場でさえ複数の人たちと話すことができなければ、公式な場でしゃべれるわけがないのです。
今回は、引っ込み思案なあなたに送る「複数人との喋り方」講座です。
1, 空気を読まずにしゃべる
空気を読まないなんて、無理!
という方、少し待ってください。雑談において、「空気」ってなんでしょうか。
雑談というのは、プレゼンや営業トークとは違い、非公式なもの。相手が聞きたい話ではなく、自分の話したい話をすればいいのです。まさにTwitterと同じですね。
もし空気を読もうとしているのなら、それは雑談を取り違えています。
確かに、ビジネスの場において空気を読まないトーク、自分の話したいことを話すトークは最悪です。相手が「サービスの値段を知りたい」と言っているのに、会社のアピールをずっと続けているようなもの。
でも、空気を読むということは、物怖じせず話せるようになってから気をつければいい話。今は、複数人の前でしゃべる、これ自体に慣れるようにしましょう。
2, 自己開示をする
しかし、「ただ話せばいい」と言われても、何を話したらいいのか、検討もつかない、という人がいるかもしれません。自分の話が相手にとってつまらないかもしれない、なんて考えると、余計に何を話せばいいのかわからなくなってしまうのでしょう。
そんな人が心がけるべきなのは、「自己開示」です。
雑談は、互いに考えていることや思ったことを発信するもの。「何を話せばいいのかわからない」という人は、自分がどんなことを考えているのか、話題に上っている事象に対しての感想や感情を素直に述べてみましょう。
よほど極端な考えでない限りは、みんな受け入れてくれるはずです。
3, うなずく
人間は誰しも、自分の意見に賛同してくれる人、賛成してくれる人を求めています。発言をした時、「いや、それは違うと思うよ」と言ってくる人よりも、「うんうん、そうだよね」と言ってくれる人の方が、一緒に話したいと思いますよね。
複数との会話においても、それは同じ。もし話しかけにくいなら、まずは、周りに同意してみましょう。
ここで重要になるのが、「うなずく」という行為です。
うなずきは相手に対して「同意」のニュアンスを与えるリアクションですので、「うなずかれた側」は自分の主張に賛同が得られたという認識をし、あなたに対して親近感を持つようになります。
(引用:Dreamer|人に好かれる会話術のコツ!ほんの些細な「9つの心がけ」)
うなずくことで、相槌をうち、相手に自分の同意の気持ちを届けましょう。そうすると、相手は「同意してもらえた」という充足感から、あなたに好印象を抱くはず。好印象を抱かれれば、自分からの会話もしやすくなりますから、一石二鳥です。
ぜひ試してみてください。
(参考) カウンセリングルームWILL|雑談恐怖症 笑いのコミュニケーション講座|集団での会話のコツ Dreamer|人に好かれる会話術のコツ!ほんの些細な「9つの心がけ」 陳姿菁(2002),「日本語におけるあいづち研究の概観及びその展望 (第 4 章 会話研究と日本語教育)」,言語文化と日本語教育. 増刊特集号,第二言語習得・教育の研究最前線 : あすの日本語教育への道しるべ 2002, pp. 222-235, 2002-05-24,日本言語文化学研究会.