自分を変えるには、たった一点にこだわるべし! "ディドロ効果" を活かしたレベルアップ術

もっとしっかりしないといけない……。そんな風に思いながらも、ついつい色々な面でだらけてしまう。気づいたらあれもこれも適当になってしまっている。そんなことはありませんか?

朝なかなか起きられなかったり、大事な用事を思わず忘れてしまったり、仕事や課題はいつも締め切りギリギリで誤魔化してしまったり……。周りを見てみれば、同僚のAさんなんて同期だとは思えないほどしっかりしている。どうすればああいう風になれるのだろうと落ち込んでしまうこともあると思います。

生活の端々に見られるこうしたたるみが、仕事や勉強に悪影響を与えることも少なくありません。社会生活を送っている以上、あなたのだらけた面は、もちろん周囲の目にも映ります。「あんな気の緩んだ人に、大事な仕事を頼んで大丈夫かな」と思われてしまってはとてももったいないことですし、なによりあなたに対する評価や信頼を下げてしまうことでもあるのです。

ではどうすれば、「しっかりとした人間」になって社会人としての信頼を得ることができるのでしょうか。

その糸口は、意外と簡単な場所に潜んでいます。

良い方に引っ張られる“ディドロ効果”とは

「しっかりした人になる」とは、生活全般を引き締め、時間通り、約束通り、ルール通りに動くこと。心理学的に言えば、実は何から手を付けたとしても、けじめのある生活が送れるようになります。

その生活改善をもたらすのが、ディドロ効果という心理作用です。

日常の中でこれまでとは違った理想的な価値水準、雰囲気、イメージ、ニュアンスをもたらすものが現れた際、その「新たな理想的なもの」に適合させて、既存の所有物や環境等を統一させようとする行動心理のひとつ。

(引用元:コピーライティングと心理学|ディドロ効果とは。事例とその心理学実験。

この心理効果は、よくマーケティングの分野で扱われ、特に人間の購買意欲を刺激する方法として用いられることが多いのですが、人間の心理全般に対して言える現象の一つです。

人間は統一感に強く惹かれる傾向があるうえ、「新しいもの」や「理想的なもの」を重視する性質があります。そのため、「新たな理想的なもの」が現れて既存のものから構成される世界の和を乱した場合、人はそちらの新しいものに適合しようとするのです。

このディドロ効果という名前は、実在の人物であるフランスの思想家、ドゥニ・ディドロにちなんでつけられたもの。彼は知人から緋色のガウンを貰い、それをとても気に入ったのですが、書斎を見回してみると、高級なガウンに比べ自分の部屋が貧相であるように思えたのだそう。そこで、ガウンに相応しい良質な調度品を買い揃えていったというエピソードが、ディドロ効果の由来と言われています。

私たちも、この「緋色のガウン」にあたる要素を生活に取り入れれば、生活全体の質をステップアップさせられるということ。生活のなかに理想的なものを一つ入れることが、一人の社会人としての価値を高めるカギとなるのです。

緋色のガウンは何でも良い

あなたが一回り大きい人間になろうと思ったとき、大それた試みに成功するとか、あれもこれも変えてしまおうとか、そこまでの意気込みは必要ありません。

緋色のガウンとして自分の感覚をけん引してくれるような、“ちょっとしたひとつ”に集中すれば良いのです。たった一つだけ、それも日常の些細な習慣になるものを継続するだけでいいのだと考えれば、何だか簡単にできるような気がしませんか?

でも簡単にできるからと言って、その効果を侮ることなかれ。とにもかくにも「変わる」という一歩を踏み出すこと。これによって、たるんだ生活から抜け出すだけでなく、けじめのある信頼される人になるという好循環への入り口となるのです。

以下、生活に緋色のガウンを取り入れるためにおすすめの方法を2つ紹介しましょう。

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オススメの方法1 部屋の整頓

部屋はいつでも片付いているよ、という人ならば良いかもしれませんが、多くの人は、自分の部屋にある程度片付けの余地があるはずです。部屋が片付いているという人でも、まだまだ機能性を求めた整頓の余地は残されているのではないでしょうか?

この、「部屋に機能性を導入すること」が、緋色のガウンとなってくれます。

例えば、カラーボックス(数百円から3,000円以内で手に入ります)と100均アイテムを用いた徹底的な「仕分け」の整頓。さらに、引き出しの中を小さなカゴで仕切ったりファイルボックスを並べて使ったりして、収納力をアップさせれば、整理整頓はあっという間に完了します。

この収納術は一例にすぎませんが、ここで大事にするべきことは、持ち物を細かすぎるほど徹底的に「仕分けする」ことと、面倒がらずに全てに「ラベルを貼る」こと、そして必ずラベルに従って「元の場所に戻すこと」。この三つです。これを実践してみると、自分が今までいかにいい加減に物を配置していたのが痛感させられるでしょう。

部屋に機能性を導入し、これを継続することには、うれしい効果があります。それは、部屋の中だけではなく自分の生活全体がしっかりと管理される感覚が生まれ、スケジュールやタスク、サボりがちになる家事や作業の類もしっかりと管理できるようになるということ。「きちんと管理をする」という基準に、感性が自然と適応し、生活全体が律されていくのです。

仕事だって勉強だって、“きちんと管理する”ことが効率の面では何より大切なことでしょう。部屋の管理ができる人間になれば、仕事にも勉強にも、今までより気を引き締めて取り組めるようになれるはずです!

オススメの方法2 財布とお金の整頓管理

もう一つ足がかりとしてオススメなのが、財布の整理と家計簿の管理です。

財布の中、きちんと整理できていますか? 受け取ったレシートやクーポンなどがごちゃごちゃと溜まっていったり、使いもしないお店のポイントカードが沢山場所を取っていたり……。そういうものを、まずはスパッと一掃しましょう。

財布の中には本当に必要なものだけを残し、お札の向きまで毎回揃える。ごちゃごちゃした財布とはおさらばです。

それからレシートは毎回受け取ること。どうして? と思うかもしれませんが、受け取ったレシートは毎日必ず帰宅直後に整理して家計簿へと記入します。記入したら、きちんとまとめて引き出しへ保存。これを徹底するだけで、これまで自分がどれだけお金の動きに無頓着だったのかということを理解することができるでしょう。

部屋の整理整頓と同じですが、金銭面の管理を徹底することは、自分の生活をきちんと管理することでもあります。この実感が、あなたにとっての「緋色のガウン」になってくれるはずです。

自分にとって大事な要素を見極めよう

部屋をしっかり整理整頓する習慣のある人が、待ち合わせに遅刻するようなズボラな人でいられるでしょうか? 金銭面の管理をきっちりしているのに、仕事の締め切りは守れない、なんてことがあるでしょうか? おそらく、そんなことをしていては居心地が悪く、時間にも締め切りにもルーズではいられなくなるはずです。

生活を見直せば社会人としての質も向上する、というのは、こういうことだったのです。

上に挙げたのは一例でしたが、生活のどこに手を入れるのが一番効果的なのか、それはその人次第です。

パソコンを使う機会が多い人なら、デスクトップやハードディスクの中身を整理すれば、機能性が向上し、高い効果を生むかもしれません。読書が趣味なら本棚の大整理をして、カテゴリー別の分類や新しい収納術を取り入れるのもおすすめです。服が好きならクローゼットから、料理が好きならキッチンから、録り貯めた番組の大整理が効果的な人もいるのかもしれないですね。

大切なのは「たった一つ」を「完璧に」という簡単な第一歩です。 思い切って踏み出すことで、新しい自分にグッと近づけると良いですね。

(参考) コピーライティングと心理学|ディドロ効果とは。事例とその心理学実験。 こぴたつ|リピーターを増やす心理学「ディドロ効果」とは?【コピーライティング×心理学】 心理学~仕事や恋愛、資格検定などに役立つ~|【人間心理学】統一感?価値を揃えるディドロ効果とは? 暮らしの小箱|掃除・片づけができれば人生が変わる! Wikipedia|ドゥニ・ディドロ

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