コミュ力アップには「フィードバック」が効く! “自分が知らない自分” を知れば、対人関係が捗る。

突然ですがみなさん、対人関係において自分がどういう人間か思い浮かべてみてください。よく喋る人、あまり喋らず話を聞くことが多い人、場のまとめ役をする人。さまざまな答えがあるでしょう。

では、他人から見たあなたは、今思い浮かべた姿と同じでしょうか? 実は、意外とそうとは言い切れません。自分の意図と相手の受け取り方は、往々にして食い違うものです。例えば会議での発言に想定外の反応が返ってきた、あるいは自分では相手の言うことに反応しているつもりでも「聞いているの?」と言われてしまう。そんな経験をした人もいると思います。

他人とのコミュニケーションを円滑にするためには、他人から見た自分を知ることが大事です。客観的な視点で自分を知るためのヒントをご紹介します。

対人関係での自分を映す、「ジョハリの窓」

「ジョハリの窓」という言葉を聞いたことはありますか? 対人関係において自分をどのように公開、あるいは隠蔽するかという、コミュニケーションにおける自己理解のための考え方です。図解すると下のようになります。

 

(画像引用元:Wikipedia|ジョハリの窓

対人関係における自己とは、以下の4つに分類できます。

・自分にも他人にもわかっている「開放」された自己 ・自分には意識できていないが他人は客観的に見ている「盲点」の自己 ・自分はわかっているが他人は知らない「秘密」の自己 ・自分も他人も知らない「未知」の自己

自分が「盲点」を知る、あるいは他人が「秘密」を知ることで「開放」の部分を広げれば、自己に関して自分と他人が理解を共有する範囲を増やすことができます。このようにしてジョハリの窓を活用すると、コミュニケーションを円滑にすることができるのです。

知らない自分を知る「フィードバック」

「開放」を広げるための方法を、「フィードバック」と言います。フィードバックは以下のように定義づけができます。

ある人(又はグループ)に、彼(又はグループ)の行動が、他の人たちにどのような影響を及ぼしたかについてのインフォメーション(又は報告、妥当性のあるデータ)を、その当人(又はグループ)に提供するプロセス。

(引用元:「フィードバック再考」,人間関係研究(南山大学人間関係研究センター紀要)第8号, 2009年3月, pp69-88.

フィードバックでは、ある人の行動に対する評価ではなく、純粋に他人に及ぼした影響だけを伝えます。アドバイスとは違い、フィードバックを受ける当人が自分の知らなかった自分を知るためだけの手段なので、他人からの価値判断は避けなければいけません。フィードバックによる気づきを評価するのは、あくまでもフィードバックを受けたその人自身です。

フィードバック実習をやってみた

最近筆者は、このフィードバックを目的とするグループワークに参加する機会がありました。まず数人のグループで、役割を決めずに抽象的な問いについてディスカッションし、20分以内に全員が納得する答えをできるだけ具体的な言葉で模造紙にまとめます。その後ディスカッションの過程を振り返り、フィードバックを行うというものです。

模造紙に話し合いの経過をまとめていく過程では、最初はメンバーそれぞれが書き込んでいました。しかしそのやり方だともたついてしまいます。そこで自然に私が書記役をする流れになりました。各メンバーに意見を聞き、それを私がまとめて書き込んでいったので、次第に場のまとめ役も兼ねるようになりました。

ディスカッション後のフィードバックで、私は意外なことに、リーダーシップをとったメンバーとして名前を挙げられました。そして、他のメンバーに比べて喋る割合が多かったとの指摘も。ディスカッション中、私としてはまとめ役として全員の意見を聞こうとしていたつもりでしたが、意見をまとめる過程で知らず知らずのうちに自分の意見を盛り込み過ぎ、結果的に自分の都合のいいように話を進めてしまっていたようです。他人に指摘されて初めて、自分の場のまとめ方の欠点に気がつくことができました。そして、これから複数人の意見をまとめる時は、自分のまとめ方ではなく出た意見に沿ったまとめ方をするように意識しようという反省に繋がりました。

反対に、喋らなさ過ぎていると指摘されたメンバーもいました。彼自身としては、話し合いの流れに同意していて付け加えることがないということを示したかったそうですが、黙っているので話し合いに参加する意欲がないと受け取られたのです。彼は、全面的に賛同している時でも発言して賛同の立場を明確に伝えることが重要だという反省に至ったといいます。

この実習からは、自分ではよかれと思ってしている言動も、自分の思う通りにできていない、あるいは、狙い通りに受け取られないことがままあるのだ、と学ぶことができました。自己を主観的にだけではなく客観的にも捉えることが、コミュニケーション能力の成長に繋がるということがよくわかりました。

対人関係の中の自分を知るために

フィードバックは、職場におけるコミュニケーションの改善にも効果を発揮します。

例えば、職場の仲間を巻き込んでこのグループワークを実践してみれば、自分自身に対する理解はもちろんのこと、仲間同士での相互理解が深まるでしょう。これによって、実際の会議でも質の高い意見交換ができるようになるはずです。会議では一部の人が話し合いの流れを独占したり、反対にほとんど意見を言わないままの人が出てきたりしがちです。しかし、グループワークの中での互いの姿を確認し合うことによって、自分の発言のし過ぎ・しなさ過ぎを自覚することができます。また誰にどう意見を求めればよいかが見えてくるため、実際の会議でも全員が話し合いに参加しやすい場をつくることができるのです。

グループワークが難しければ、普段の対人関係の中でフィードバックを求めるのも有効でしょう。会議の後に、自分の立ち回りがどのようなものだったか尋ねてみてください。会議の後でなくても、上司・部下の間や、同僚同士でいろいろなことを気軽に話し合える時間を設けるといいですね。あるいは、友人にとって自分がどういった存在なのか聞いてみてください。

これらの取り組みによって、あなたが思っている自分とは全く違う自分の姿が見えるかもしれません。これこそが、ジョハリの窓における「盲点」の自己です。加えて、フィードバックに対して「自分はこういった意図だった」と他人に伝えると、「秘密」の自己についての他人からの理解も深まります。このようにして、「開放」の自己を広げていくことができれば、自分から見た自己と他人から見た自己のズレが縮まり、円滑なコミュニケーションに近づくことができるのです。

*** あなた自身が思うあなたは、実は思い込みの姿かもしれません。フィードバックで客観的な視点から見た自分を知ることで、これまで知らなかった自分の姿に気づき、他人との関係の中の自分を的確に捉えることができます。フィードバックを活かしてコミュニケーション上手になりましょう!

(参考) 「フィードバック再考」,人間関係研究(南山大学人間関係研究センター紀要)第8号, 2009年3月, pp69-88. Wikipedia|ジョハリの窓 STUDY HACKER|「1on1」してますか? “ちょっとした意識” でチームを成長させられるコミュニケーションの方法。

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