英語の勉強やトレーニング・ランニング。スキルアップのために努力してみようと思っても、なかなか続けられないものですよね。
今日は頭が痛いから…雨が降っているから…なんていう理由をつけてサボってしまう人、多いのではないでしょうか。
自分に甘いからだ。もっと厳しくしなきゃ。
立派な考えですが、成功したことはありますか?実は、人間という生き物は自分に甘いものだということが明らかになってきています。今日は、どうやったらそれを克服できるかをご紹介しましょう。
どうして自分に甘くしてしまうの?
自分に甘い…
その悩み、実は人間なら誰でも持つものなのです。
こんな実験があります。二人がペアになってもらい、互いの手を交互に同じ強さで押すというもの。すると、だんだんお互いに押す力が強くなってしまうんだとか。
これは、押される側が感じる感覚は、押す側が感じるより強いため。自分ではこのくらい、と思っていても、相手が感じる痛みはそれ以上である場合が多いんですね。
大阪大学大学院生命機能研究家の北沢氏は、こう語ります。
「わが身をつねって人の痛みを知れ」という諺があるが、わが身をつねっても人の痛みを知ることはできない。人の痛みを知るには、人につねってもらうしかない。
(引用元:村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学)
自分で自分をつねるとき。他人をつねるときよりも、実はずっと弱くなってしまっているんだとか。自分の運動で生じる感覚信号は、無意識のうちに抑制されてしまう、そう北沢氏は語っています。
人間はどうやっても自分に甘く、優しくしてしまうんですね。考えてみれば、当然のことかもしれません。
人に指摘してもらうしかない
では、一体どうしたらいいのでしょうか。自分に厳しくできないなら、私たちは一体どうやって目標を達成すればいいのでしょう。
そこでもう一度、先ほどの実験を思い出してみましょう。 実験では、お互いの手を押す強さはどんどんエスカレートしていきました。
人の手を押す強さは、どんどん強くなっていく。そう、私たちは、自分に甘いだけでなく、他人に厳しいのです。
ならば、これを利用しない手はありません。人には遠慮なく、厳しく当たれるわけですから、何か目標を達成したかったら、他人に監視してもらうとよいでしょう。
最近流行りのプライベートジム、RIZAP。確かに科学的知見に基づいたトレーニングは効果的かもしれません。でも、それ以上に効果が高いのが、プライベートトレーナーがマンツーマンで管理してくれる、ということだと筆者は考えています。
だらけてしまうトレーニングでも、他人に管理してもらえば続けられる、ということ。
人間誰でも自分に甘くなってしまうのですから、他人に監視してもらいましょう。
自分に厳しく、ではなくお互い厳しく!「五人組」を作れ
では、具体的には何をやればいいのでしょう。 ライザップのようにパーソナルトレーナーをつけるのは、ちょっと難しいですよね(笑)。
そこでオススメしたいのが、現代版「五人組」をつくること。
五人組というのは、豊臣秀吉がつくった連帯責任制度。五戸を一つのグループとして、年貢の奉納や伝令伝達を行ったそうです。
何か目標を達成したいときには、この五人組を作りましょう。 別に、五人でなくても構いません。二人以上なら三人組や四人組でもOK。
そうしたら、集まって一緒にトレーニング or 勉強……というわけではありません。 一緒に行動する必要はないんです。忙しい毎日、予定を合わせるだけで大変ですよね。むしろ継続できなくなってしまいそうです。
お互いするのは「目標の共有」と「文句の言い合い」です。 まず、グループチャットなどを作り、お互いに目標を公表します。例えば、「毎週皇居ラン二周」や「毎日英単語50個覚える」など。そして、1日の終わりや週の終わりに互いの達成度を報告しあいましょう。
そして、互いの達成度に文句を言い合うのです。自分に厳しくできない分、他人に厳しくしちゃいましょう。
「おい、なんでお前今日30個しか覚えてないんだよ」 「いやいや、お前こそ今週全然走ってないじゃん!」
お互い監視しあうことで、高いモチベーションを保つことができるでしょう。
※ただし、仲の良い友人とやりましょう。「五人組」のせいで仲が悪くなった…なんて言われても責任を取らないので、悪しからず。
参考 村上郁也|イラストレクチャー認知神経科学