第一線で活躍するプロフェッショナル。どんな困難も涼しげに切り抜け、最大限のパフォーマンスを発揮する。そんな人を見た時、あなたは一体どんなことを考えますか?
努力して追いつきたい、目標にしたい。そう考える人も多いでしょうが、一方で、こんな風に自虐的になる人も多いのでは?
ああ、あいつらは才能があるんだ。今更凡人が努力したところで、追い付けやしない……。
しかし、才能ではない、そして努力でもないファクターが、成功のためには重要だということがわかってきました。
私たちとプロフェッショナルをわけるもの。それはいったいなんなのでしょうか。
「才能」ではない"Grit"とは
Gritという言葉をご存知でしょうか。
経営コンサルタントから教師へと転身したアンジェラ・リー・ダックワースさんは、TEDに出演した際こう述べました。
「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。
(引用:logmi |成功者が共通して持つ「グリット」という能力–才能でも、努力でもない第3の要素とは?)
物事を最後までやり遂げる力、物事に対する情熱。 近年この"Grit"というファクターが、成功のために欠かせないものだと盛んに議論されています。
以前、「努力できるのも才能のうち」という言葉が話題になったことがありますが、簡単に言ってしまえば、Gritとはそのことなのかもしれません。
粘り強く、情熱を
筆者はアルバイトとして塾の講師や家庭教師をやってきましたが、成績が伸びる生徒と伸びない生徒には、単純で、しかし大きな違いがありました。 それは、「授業時間以外に何をするか」ということです。
授業時間外の問題演習、答え合わせ、そして教科書の読み込み。授業ではない時間に、どれだけ熱意と情熱をもってこうした作業をこなせるかで、成績の伸びが大きく変わってきたのです。
大学生のアルバイト講師に限らず、プロの講師が教えても、高校の授業でも、これは変わらないでしょう。勉強だけにとどまりません。スポーツでも、プレゼンでも、どれだけ熱意をもって時間を費やせるか。これが大きく影響するに違いありません。
努力とも違う"Grit"
ここまで読んでみて、結局努力の必要性を説いただけじゃないか、と考えた人も多いはず。
確かに、"Grit"は「努力」とかなりの部分重なるかもしれません。 しかし、例えばテスト前の一夜漬けや、長続きしない無理なダイエットを思い浮かべてみてください。
こうしたものは、確かに努力と呼べるかもしれませんが、Gritとはいえません。 Gritというのは、長いスパンで見た時に「そのことに熱意を持って取り組み続けられるか」ということを問うているからです。
wiredの記事(WIRED「成功に必要なのは「才能」より「意志力」、という研究結果 」 )では、Gritの訳として、「意志力」という日本語を当てています。
それを達成しようとする、継続的な努力を続ける意志があるかどうか、意志力があるかどうか。それが"Grit"と呼ばれるものなのでしょう。
このGritは、知能や生まれつきのIQには関係がないことが研究によって明らかにされています(参照サイト:同上)。
Gritを持つために必要なこと…?
どうすればGritを持てるのか。
残念ながら、それはまだわかっていないのが現状のようです。先ほど紹介したアンジェラさんも、明確な答えを示してくれてはいません。
ちょっと考えてみましょう。趣味でも勉強でもスポーツでも構いません。私たちが熱意をもって取り組むことができる時。それは一体どんな時でしょうか。
筆者はこう考えます。憧れとなる目標、目指すべきものが見つかった時だ、と。 部活の先輩でも、上司でも、志望校でも、なんでも構いません。近しい人でも、テレビ画面の向こうの人でも、何か資格でも構いません。
近づきたい、自分のものにしたい!そう強く思った時。人はGritを自然と手に入れているように思います。
憧れの存在を作ること。Gritを手に入れる最短ルートかもしれませんね。
参考 logmi |成功者が共通して持つ「グリット」という能力–才能でも、努力でもない第3の要素とは?WIRED|成功に必要なのは「才能」より「意志力」、という研究結果