報告には "能力" が表れる! 1分で正確な報告をするための『報告の台本』

仕事をしていれば日常的に発生する「報告」という作業。しかし、日常的であるが故に何となくで済ませてしまってはいないでしょうか?

報告の質というのはビジネスパーソンとしての評価を左右する重大なファクターなのです。 漫然と要領を得ない報告をしていると、仕事に影響が出るだけではなくあなた自身のキャリアにも傷をつけてしまいかねません。

今一度、報告の重要性とコツをきちんと確認していきましょう。

報告の質は能力の尺度

報告によって評価はどの程度左右するのでしょうか?

株式会社多久案の代表、古川裕倫氏は次のように語っています。

私は30年以上多くの経営者やビジネスパースンを見てきたが、こう申し上げておこう。「できる人」、わかりやすく言うと「役員となる人」「起業して成功する人」「他社から引き抜かれる人」などは、みな報告がしっかりしている。

(引用元:日経BPネット|入門講座:第5回「できる人」は例外なく報告上手

報告の質が高ければ、仕事が上手くいきやすくなるだけでなく、経験豊富な上司ほど高く評価をしてくれるでしょう。また、プレゼンなどでも高い評価を獲得して出世しやすいと言えるようです。

そのことを踏まえて、報告はなるべく分かりやすく、簡潔に「1分以内」を目指しましょう。 報告の内容によっては1分は難しいかもしれませんが、共通の目標で継続的な努力を行う1つの指標になるはずです。

報告には台本を作る

では、どうすれば報告の質を上げられるのでしょうか?

頭の中に情報が散らばったままでは、スムーズに報告をすることはできません。そこで、報告をする前には必ず台本を作りましょう。

そうは言っても一言一句をしっかりと決定し、丸暗記するような台本を作る必要はありません。作るべきなのは、「要点」と「順序」について簡潔にまとめた、いわば報告のあらすじのようなものです。

【要点】 無駄な情報をなるべく削ぎ落として、スリム化させましょう。報告として必要とされているのは、常に結果であることを意識することがポイントです。

例えば、失敗したという報告の場合、ついつい「こういう経緯で失敗した(ので、私自身には責任はありません)」のような意味合いで、順を追って説明したくなるものです。

しかし、聞く側からすると、結果とこれからの対処というのが問題になっているはず。そのときに必要のないことについて長々と話してしまったら、意図に関わらず「言い訳をしている」と判断されてしまうかもしれません。

それよりも結果をきちんと伝達することで潔さがあり、責任感があるという評価を受けることになります。

失敗以外の報告であっても、報告が時系列でダラダラと続いてしまうと多くの場合は聞く側が退屈してしまうこともあるでしょう。また、余計な情報が増えてしまうと、そのせいで重要な情報が埋もれてしまうリスクもあるため、そのようなの部分は思い切って削ぎ落し、必要に応じて問われたことだけ説明するのが賢明です。

【順序】 報告の際に真っ先に述べるべきは、物事の最終的な結果の部分。それに伴う詳細や、経緯の部分はその後で少しずつ伝達していくというのが大切です。

報告を受ける側は、まだ情報の全体像を持っていないでしょう。そのときに「○○がこういう風になりまして、この件についてこういう風に検討したところ~」と、延々と話が続いてしまったら「結局どうなったんだろう」とハラハラしながら聞くことになってしまいます。

そこで「結果的にはこうなりました。というのも~」と結果を先に伝えておくことで、それにまつわる周辺情報や経緯についても聞きながらスムーズに整理していくことができるのです。

これらに気を付けるということは伝達効率を上げるだけでなく、報告に対する心象にも大きく関わっていきます。たとえ上司であろうと、同じ人間ですから、「ハラハラしながら聞いた報告」と「すっきりと理解できた報告」とでは、後者の方が後味が良いはずです。

情報量や話す順序を整えるだけでも、報告者の評価というのは大きく変わっていくでしょう。

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実際に報告するとき

台本がきちんと作れたら、報告するときに気を付けるべき細部について確認します。

まず、主語を明確にするように気をつけましょう。 日常会話では主語を省いても伝わることが多いですが、情報が複雑になるほど聞き手が主語を補うことが難しくなってしまいます。そのため、報告をするときは必ず主語を明確にして「誰がどうした」、「何がどうなった」の対応関係が混乱しないようにしましょう。

また、混乱を避けるためにもうひとつ大切なことは、なるべく代名詞を避けて固有名詞を使うことです。 代名詞というのは、そもそも長い固有名詞を縮めて効率化する効果を持ちますが、情報が煩雑になると逆に混乱を招いてしまうかもしれません。

「○○社の××さんが」のように、煩雑であっても必ず固有名詞を出し、相手の中に対象のイメージを明確に植え付けるように話すようにしましょう。

複数の報告を行うとき

これらの方法でかなりスマートな報告が可能になるかと思いますが、難しいのは報告の内容が複数に渡るときです。

報告者にとっても大変ですが、聞く側も情報が混乱しないよう多大な労力を要します。そこで、案件ごとに「1件目、2件目……」とナンバリングをしておいて、報告の始めに「○件の報告があります」と伝えるように心がけましょう。 それだけで相手の頭に「○個」の枠組みが出来上がりますから、あとはその中に順序良く情報を入れ込んでいくだけです。

もしも案件の内容に差があるのならば「○件の報告と×件の相談があります」のように、あらかじめ伝えておくとよりスムーズに対応してもらえるでしょう。

このようなちょっとしたコツが、煩雑な報告もスムーズなものに変えてくれますよ。

*** 報告は事務的作業と思いがちですが、実際には「相手に何かを伝えること」、つまりはコミュニケーションのひとつなのです。また、相手の立場に立ってみることで、良い報告とはどういうものか自ずと分かってくるのではないでしょうか。

(参考) 日経BPネット|入門講座:第5回 「できる人」は例外なく報告上手 株式会社日立ソリューションズ ビジネスコラム|話したいことを相手に伝える「上手な話し方」講座 日経BPネット|【10】仕事で大失敗。上司に報告しなければならないが…

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