忙しいときこそ振り返ろう。手軽に続けられる『KPT』という方法。

皆さんは普段仕事をしていくうえで、様々なことを心がけ、実行していると思います。仕事リストを作ってから作業に取りかかることで効率化を図ったり、個人やチームで「振り返り」を取り入れたりしているという方も多いのではないでしょうか。

しかしそんな工夫をしていても、忙しくなってくるとついつい仕事に追われてしまって、とりあえず目の前にある仕事から片づけていませんか? 忙しいときこそ「振り返り」をすることで、同じ失敗のくりかえしを防止し、忙しい中でも効率的に仕事ができるようになります。

とはいえ、頭ではわかっていてもなかなか実行するのは難しいですよね。今回は忙しくてもできる振り返り術についてご紹介します。

振り返りの大切さ

まず、なぜ振り返りが大切なのかを考えてみましょう。そもそも、振り返りは何のために行うのでしょうか。

行動を記録し反省することも大切ですが、「その反省を次にいかし目標の達成に近づけること」が振り返りの根本的な目的です。これは、「未来の自分にアドバイスする」という言葉にも言い換えられるでしょう。

ITを活用した教育サービスを学校や企業に提供する株式会社ネットマンの設立者であり代表取締役社長でもある永谷研一氏は、以下のように発言しています。

行動習慣を続けるだけでは、目標達成に近づきません。振り返りが重要になってきます。

(引用元:名言DB|永谷研一

このように振り返りをするときは問題点ばかりに焦点を当ててしまうのでなく、「成功イメージ」につながるような振り返りをしなければなりません。

忙しいときこそ振り返ろう

とはいえ、目標達成のためとわかっていても、忙しさから「あとでまとめて振り返ろう」「今は目の前の仕事を片付けないと……」と考えてしまいがちではないでしょうか。

しかし、そんなときこそしっかりと振り返りをするべきなのです。というのも、忙しくて目の前の仕事にかかりきりになっているときは、同じ失敗を繰り返してしまいがち。同じ失敗を繰り返してしまうと、時間も余計にかかりますし、焦りもつのってくるので何より精神的に参ってしまいますよね。それらを回避するためにも振り返りは必要なのです。

トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社の元社長で、19年連続増益を達成した吉越浩一郎氏は、以下のように述べています。

(中略)重要なのは反省です。何か失敗したり、効率よくいかないことがあったら、必ずどこが悪かったのかを検証し、再発防止策を講じる。逆に、上手くいったら一人反省会を開き、もっと上手くいく方法はなかったかを考える。私は日々、これを続けています。

(引用元:名言DB|吉越浩一郎の名言|日々反省することの重要性

吉越氏は、振り返ることで成功のスパイラルをつくっているのですね。

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無理なくできる振り返り術「KPT法」

ここからは、忙しいときでも気軽にできる振り返り方法について見てみます。振り返りの目的は、目標達成につなげることです。振り返ってみて、「よかったこと」「問題点、反省点」「次にやるべきこと」の3点がはっきりすれば、振り返りは成功したといえるでしょう。

そして、この3点をはっきりさせるためのフレームワークが「KPT法」です。フレームワークを設けることで手順が簡単になり、手軽に振り返りをはじめることができます。

KPTとはKeep……よかったこと(続けること) Problem……問題点、反省点 Try……次にやるべきこと

KPT法とは、これらの3項目を洗い出していくことで自分の現状を知り、目標に近づける方法です。この方法は必ず最後に「Try」という項目を設けることで、次につなげることができるのがポイントです。1日の終わりにこの3つを振り返るだけなので、手軽に取り入れられるのではないでしょうか。

例えば会社で新しい企画についてプレゼンをしたのであれば、その日を振り返ってKeep・Problem・Tryを書き出してみます。

Keep……期日までに計画的にプレゼンを仕上げることができた Problem……堂々と話すことができなかった Try……緊張しないようリラックスする方法を身につける/誰かに聞いてもらって発表の練習をする

最初はこのような簡単なものから始めましょう。この際、「Problem」を具体的な「Try」へとつなげることが大切です。

KPT法を手軽に実践!

最後に、KPT法を気軽に取り入れられる方法をお伝えします。

・帰宅電車の中でスマートフォンのメモ機能を使う これなら通勤電車というすでにある時間の枠組みの中で取り組めますね。また、仕事が終わってすぐということで、一番記憶が残っている時間帯でもあります。

・寝る前にメモ書きをする ノートなどを使って後から見返しやすいようにすると、自分の成長過程も確認できますし、モチベーション向上にも役立ちます。

・付箋をボードに貼る ボードをK、P、Tの3つに区切っておいて、仕事中に思いついたことを付箋に書きとめ、それぞれの枠内にぺたぺたと貼っていきます。すぐに書くことができるうえ、ひとつにまとめるのも簡単だという利点があります。また視覚的にもわかりやすいですね。

*** ぜひ今日からスタートして、目標への近道を歩んでくださいね。

(参考) 名言DB|永谷研一 名言DB|吉越浩一郎の名言|日々反省することの重要性 オージス総研|PMマガジン「ドラッカーも勧める振り返り会」 サイボウズ式|「振り返り」は批判大会ではない プロジェクトファシリテーション 実践編 ふりかえりガイド|KPT振り返り会

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