常に様々なタスクが平行して走っているビジネスパーソンにとって、質も鮮度も高い情報をしっかりと得ることはとても重要。「もっと、最新の役立つ情報をインプットしなくては!」と思っていても、日々の業務に追われてそれどころじゃない……。 今回はそんな悩める方々に贈る「最適なインプット方法」についてのお話です。
インプットとアウトプットを同量にする
私たちはついつい、「情報をしっかり取りたい」とインプットばかり注目しますが、果たしてそれだけで良いのでしょうか。『世界のトップリーダー1000人が実践する時間術』の中で、谷口有香さんは次のように語っています。
トップリーダーは、若い頃から120%の力でビジネスに取り組み、大きな成功を勝ち取ってきた、文字通り「最前線」の人たちです。彼らは、情報を取り入れる「インプットの時間」とその情報を形にする「アウトプットの時間」を同量にするのが、ビジネスの最前線で活躍し続けるためにもっとも重要なことだと考えています。
[引用元:谷口有香『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』]
忙しい日々の中では、インプットはおろそかになりがちです。しかし、手持ちの情報だけではすぐに時代遅れになるし、いざ情報が必要になってから調べ出したのでは、時間が足りず満足の行く情報収集が出来ません。大切なことは、普段から情報収集を習慣化し、いつでもその情報をアウトプットできる態勢にしておくこと。いつでも臨戦態勢でいなくてはなりません。
朝風呂で情報収集を習慣に
マネックス証券の松本大さんは、“朝は情報取集をする時間”と決めているそうです。朝6時頃起床して朝食を食べた後に、お風呂に入りながら30分から1時間ほど防水タブレットを使ってメールとネットのチェックをしています。脳がすっきりと目覚めて体がリフレッシュと同時に情報収集をすることで、効率の良い時間を過ごすことができるんだとか。
また幅広い情報をバランスよく集めるために、「News Picks」というニュースアプリと、さまざまなジャンルのニュースを無料で閲覧可能な(一部有料)「Newsstand」という新聞・雑誌アプリを利用しているそう。その時に心がけているのが、ニュースを鵜呑みにしないということ。1つのニュースについて様々なメディアから知ることによって、情報の深度を深めていくことができます。
もうひとつ、松本さんが習慣にしているのが、毎日800字程度のコラムを書くことです。15年間、毎営業日欠かさず続けており、自分の思考の整理をするのに大いに役立っていると言います。第三者に伝わることを意識して、多くの情報を伝わりやすい形でまとめて文章にすることは、アウトプットとインプットの両面を鍛える上で非常に効果的です。
この方法は、最初に述べた「インプットとアウトプットを同量に」という考え方のモデルケースとも言えます。多くの人は情報を仕入れることばかり、あるいは過去の情報のストックからアウトプットすることばかりに偏っていないでしょうか。 毎日日記やブログ、SNSを書いている人はアウトプットの習慣ができているわけですから、そこにインプットの時間を足してみてください。今の時代、インプットはとても効率的に行えます。 「News Picks」のような、自分の趣向に合った情報を届けてくれるニュースアプリはいくつもありますし、TwitterなどのSNSをやっていればそこでニュースアカウントをフォローしたり、RSSを活用している人も多いでしょう。 身近なものを利用して、インプットを習慣にしてしまいましょう。
一方、毎朝、新聞を読んだり、ニュースを見ることがすでに習慣となっている人はアウトプットの時間を足してみてください。隙間時間に携帯やスマフォのメモ機能に感想やメモを書いてもいいですし、ブログを書いたりSNSを利用する手もあります。
大切なことはインプットとアウトプットのバランスを意識しながら毎日続けること。時間がない人は5分でもいいので、まずは始めてみてください。
毎日6分間の読書を習慣にする
ネット時代だからこそ情報収集が簡単、という利点もある一方で、本や雑誌、新聞も引き続き重要な情報取集ツールです。休憩の時に新しい話題の本を読むのも楽しいですが、ビジネス的な思考を深めるという意味では、哲学書や歴史書、海外のトップリーダーがよく読んでいるギリシャ神話やホッブズの『リヴァイアサン』、ルソーの『社会契約論』など、古典と言われているような作品を読んでみるのもいいでしょう。
読書は単にインプットの手段ではなく、ストレス軽減につながることでも知られています。
エセックス大学の研究では、1日6分間読書をするだけで、全体の7割り近いストレスを減らせることが証明されています。また、カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、読書習慣がある人のほうがアルツハイマーにかかる確率が低いということもわかっています。
[引用元:谷口有香『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』]
マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は読書好きで知られていますし、ライフネット生命代表取締役会長兼CEOの出口治明さんや、国際ジャーナリストの蟹瀬誠一さんなど、就寝前の読書を習慣にしている成功者はたくさんいます。 誰よりも忙しいトップこそ、実はインプットを大切にしていると言えるでしょう。
読書の習慣化方法についてはStudyHackerでも紹介していますので、参考にしてみてください。 StudyHacker|【書評】『頭は「本の読み方」で磨かれる』
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いかがでしたか。谷口さんの言葉を借りると、「情報の新陳代謝を活発にする」ことが、最前線で働くビジネスパーソンにとっては必要不可欠です。まずは出来ることからはじめてみてください。
参考 PRESIDENT Onlone|平日は毎日800字「つぶやき」で思考整理 -マネックス証券社長兼CEO 松本 大我らこれで独立に成功! 起業家6人のバイブル、道具、考える場所 PRESIDENT Onlone|其の43「論語」を読む。「リーダー」とは?リーダーが常に自らに問いかけるべきこと マナトピ|【必読】成功者たちが共通して行っていた5つの習慣! 谷本有香|2015|株式会社KADOKAWA|世界トップリーダー1000人が実践する時間術