そんなの、科学的じゃない!
よく漫画なんかで使われるツッコミですが、そもそも一体、「科学的」ってなんのことでしょうか。
実はこの「科学的」という言葉、あいまいなものではないんです。
「科学的とは何か」ということが研究・定義された、非常にしっかりとした概念。大昔の人がどれだけ苦労して科学という世界を作り上げたかがわかります。
みなさんは、「話がわかりにくい」「説明が下手」と言われたことはありませんか?それはあなたが口下手というよりも、人を納得させる思考法が身についていないからかも。
頭がいい。話がうまい。 世間一般にそう言われる人は、ものの考え方が非常に「科学的」です。 今日は頭がいい人が実践している、科学的思考法をご紹介します。
「科学的」って一体なに?
頭がいい人の思考法を身につける前に。まず科学とは何か説明しましょう。
科学的というと、実験室で何か薬を調合したり、宇宙飛行士がロケットで宇宙に行ったりすることを思い浮かべますが、難しいことではありません。
科学の条件は、たった二つ。
①再現性 再現可能な実験内容と手順に従って、異なった実験から同じ結果が得られなければならない。 ②普遍性 第3者が違う場所、違う時期に同様な検証を行っても、同じ結果が得られなければならない。
(引用:歴史研究と科学的方法|科学について )
※以下引用は全てこのサイトから。
つまり、簡単に言えば、「誰でも、いつでも、どこでもわかる」ということ。 意外ですか?科学の条件って、たったこれだけなんです。
どうせ通じるだろうと説明を省略したり、たまたま成立したことを「絶対だ」と言い張ったり。そういう人は、あまり科学的な考え方ができているとはいえません。
頭がいいと言われるためには、「誰でも、いつでも、どこでもわかる」ように考え、伝えなければいけないんです。それが科学的思考法。
科学的思考法のための、科学的プロセス
「誰でも、いつでも、どこでもわかる」思考法。そんなこと言われても、実際にどうしたらいいのかわからない。そんな声が聞こえてきそう。
そこで実際に、科学的思考法を使ったとき、科学者がたどるプロセスを追いかけてみましょう。
1 客観的にみる
科学的方法その1:対象を客観的方法によって観測あるいは調査し、記録する事。
ここでいう客観的方法とは、数値を出してみたり、第三者の視点を借りたりすること。「客観的であることが大事」とは散々言われますが、実際にできている人が少ないのも事実。
ネットやテレビで手に入れた知識が本当に正しいのか。鵜呑みにせず、まずは疑ってみることから始めましょう。
2 具体的な例と一般的な法則は分けて考える
科学的方法その2:真であると立証された結果を帰納的に分析し、一般的・普遍的な規則(仮説)を見出そうとする事。
ある出来事がひとつ起きたからといって、いつも起こるとは限りません。一般的に言える法則と、個別に起きた事件は分けて考えなければいけないんです。
でも、それらを一緒くたにして考えてしまう人は多いです。お隣に住むアメリカ人のスミスさんが豪快な人物だからって、アメリカ人がみんな豪快ではないように。
科学者は、「具体例」と「一般法則」を慎重に分離して考えます。なぜなら自分の実験が偶然のマグレ当たりかもしれないから。頭のいい人の思考法に近づくには、こうした考えも必要です。
3 自分の考えの正しさを必ず検証する
科学的方法その3:仮説を実験によって立証する事。
科学者は「仮説の構築」→「実験による検証」というプロセスを繰り返しています。もし検証を行わなければそれはただの妄想。一般人である私たちに実験を行うことは難しいかも。でも、文献に頼ったり、経験者の意見を聞いたりして自分の考えが正しいかどうかを確かめることは、誰にでもできますよね。
自分の考えが正しいかを客観的に見つめて、確かめようとする謙虚な姿勢も時には必要です。
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頭がいい人、話がうまい人、信頼される人。
こうした人に共通するのは、「何を考えているのかはっきりわかり、それをきちんと人に伝えられる」ということです。
科学的思考法を身につけるために。みなさんも科学的プロセスを真似してみましょう。
参考 歴史研究と科学的方法|科学について