イノベーション、憧れますね。 新製品を開発したり、斬新なアイデアを連発したり。
革新的なことができる人って、私たちと何が違うんでしょうか。
今日はその違いである「水平的思考」について考えてみましょう。
「何が革新的なのか」なんて記事を書いてる(読んでる)時点で筆者はイノベーションを起こせない気がしますが…
水平思考ってなに?
ずばり言えば、「ものごとを分野横断的に考えられる力」のこと。いろいろな角度からものを見て、アイデアを出したり、意見を言ったりできる力のことなんですね。
対義語として知られているのが「垂直的思考」。いわゆる論理的思考のことです。ひとつのものごとを深く一つの考え方から掘り下げていくようすから名付けられたのでしょう。
イノベーションをうむ「水平思考」。これを身につけるためには一体どうすればよいのでしょうか。
1 視点を増やす
水平思考とはなんなのか、と調べたときに真っ先に出てくるのが、このフレーズです。
「水平思考とは、物事をいろいろな角度から見ることで生まれるものである」 そう、水平思考を身につけるためには、「多様な視点」が必要になるのです。
視点を増やす。なかなか難しそうに感じるかもしれませんが、そんなに気張る必要もありません。視点というのは、人によって異なるものなので、いろいろな人の意見を取り入れればいいのです。
本来なら大勢の人が集まった場でひとつの議題に対してディスカッション、なんてことができれば望ましいのですが、なかなかそんな場を設けることも難しいでしょう。
アメリカで伝説のビジネス誌編集長と呼ばれたAlan M. Webber氏は、視点を増やすための簡単で、しかも面白いアイデアを提案しています。
What would an anthropologist say about your company culture? If you invited a cartoonist to draw your business, what would the picture look like? (文化人類学者は、あなたの企業文化をどう評価するだろうか。あなたのビジネスを漫画にしてもらったら、どんな感じになるだろうか)
(引用元:THINK-AID|伝説の編集長が教えてくれた、視点を増やす方法 )
漫画家や文化人類学者という、全く違った二つの切り口。彼らがどう世界を見ているのか。それを想像することは、確かに世界を広げ、視点を増やすことにつながりそう。
2 物事の関連性を見つけ出す
水平思考でイノベーションをおこす、といってもゼロから何かを生み出すわけではありません。
たいていの場合、新しいアイデアというのは古いものを組み合わせて作られるものだからです。アイデア本の元祖とも呼べる「アイデアのつくり方」の中で、伝説の広告マン、ジェームズ・W・ヤングは「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである」と語ります。
そしてさらに、新しい組み合わせを作り出すためには、「事物のあいだに関連性を見つけ出す能力」が必要だというのです。
これは納得しやすいでしょう。既存の知識を組み合わせてアイデアが生まれるとするならば。新たな観点からの関連性を見つけることが、組み合わせ発見の近道だろうからです。
この「事物の関連性を見つけ出す」能力、日常生活でも訓練できますよね。
例えば、缶コーヒーと手帳の関連性を思い浮かべてください。
…どうですか?一見何の関係もなさそうですが、どちらもビジネスマンのデスクに置いてありそうですよね。ドリンクと文房具が、「ビジネスマン」という新しい要素によってうまくつながりました。
こんな風に、関係のなさそうなものを結びつける訓練で、アイデアマンに一歩近づけるのではないでしょうか。
3 知識を増やす
もうこれは、今更説明の必要もないかもしれませんね。
新しい視点を手に入れても、関連性を見つける能力をものにしても。 自分の中に知識やストックがなければ、何も始まりません。
方法論やコツをいくら学んだところで、脳みそが空っぽでは何も生まれないからです。
仕事上の専門知識はもちろん。世の中の流れだったり、一般教養だったり、自然科学の話だったり。ひょっとすると、子供の間で流行しているアニメやゲームの話も、今後役立つかもしれないんです。
知識は、自然には自分の中に入ってきません。自分からベテランに聞く。本を読む。能動的に動いて初めて手に入るものです。
ためらわず、自分のためと思って行動してみましょう。
参考 THINK-AID|伝説の編集長が教えてくれた、視点を増やす方法 ジェームズ・W・ヤング, 今井茂雄訳|アイデアのつくり方