みなさんは、実のある会話を普段から心がけていますか。例えば、会議中に同僚と激しく主張し合ってしまい、話がかみ合わなくなった、という経験はないでしょうか。その結果、何も決まらない、また何も学びを得られないような時間を過ごすことになってしまっては、とてももったいないものです。

たかが会話と思うかもしれません。ですが、会議や相談事、交渉などの場で建設的な会話ができるようになるには、日々、会話能力を磨いていく必要があります。そこで今回は、会話の知能指数(CI)を高め、有意義で建設的な会話を展開できるようになる方法についてお伝えしましょう。

話がかみ合わない理由

相手との会話がかみ合わないと、実のある話はできなくなってしまいますよね。その原因について、リーダーシップや組織文化などの課題に神経科学の理論を適用し企業を支援するベンチマーク・コミュニケーションズCEOのジュディス・E・グレイザー氏は、以下のように述べています。

「私たちが自己表現する時は、より多くの報酬ホルモンが体内で分泌され、気分が爽快になる。話せば話すほど、この爽快感は増していく。やがて体が高揚感を渇望しはじめ、話し手である私たちは会話の流れに気が回らなくなる。」

(引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|「会話の知能指数」(CI)はこうして高める

確かに、ひとりだけが一方的に気持ち良く話をし続けていれば、いずれ会話がかみ合わなくなってしまう状況に陥るのももっともでしょう。

また、会話において一方の主張が激しすぎるとき、もう一方の人は自分の主張が受け入れてもらえない、拒絶されているように感じてしまいます。このような状況では、身体の闘争・拒否反応として「コルチゾール」というホルモンが分泌され、実行機能を司る脳の機能を停止させてしまいます。つまり、相手の発言を理解しようとする働きが鈍ってしまい、その結果会話で齟齬が生じることがあるのです。

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会話にも知能指数がある?

記憶力・判断力などを示す「IQ」や感情を扱う「EQ」など、知能指数に関するさまざまな言葉をみなさんもお聞きになったことがあるかもしれません。実はなんと、会話にも当てはまるものがあるのです。

それが、グレイザー氏の提唱する「CI(会話の知能指数)です。CIは “Conversational Intelligence” の略で、どれほど会話が双方向的であるかということを指します。グレイザー氏が行った実験によれば、企業の幹部が行う会話総時間のうち、85%は自分の意見を主張することに費やされ、相手への質問を行った時間はわずか15%。さらにその質問のほとんどは相手を自身の意見に同意させようと試みているものだったそう。意外にも、相手との建設的な会話を行うことは、企業の幹部を担うビジネスパーソンであってもなかなか難しいようです。

とは言っても、仕事やプライベートで会話を避けるわけにはいきません。ただし、いくつかのコツを取り入れれば、生産性のある会話がきっとできるようになりますよ。

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会話の知能指数(CI)を高めるには

では、私たちはどうすれば会話を建設的で有意義なものにすることができるのでしょうか。会話の知能指数(CI)を向上させるための具体的なコツをご紹介します。

1. 相手の話を評価しない
もし、会話において相手の話を評価しようとすると、会話の際にいつも身構えてしまうことになります。会話では、自分の意見が正しいのかそれとも相手の意見が正しいのかについて評価しようとするのではなく、相手の言いたいことを正確に理解できるよう努めることがまずは肝心です。

やりとりしている言葉は同じでも、互いの解釈が異なっているということはしばしば起こり得ます。特に仕事では、小さな解釈違いが響いてあとから大きな問題になってしまうこともありますよね。誤解を減らすには、相手に「あなたが言う〇〇は△△ということ?」などと確認を適宜とってみると良いでしょう。

2. 対立をこわがらない
経営思想家であるマーガレット・ヘッファナン氏が行ったアンケートによれば、ヨーロッパ・アメリカにおける企業幹部のなんと85%が、提起したくないと感じる仕事上の問題や悩みを抱えているのだそう。対立に巻き込まれることを恐れているがゆえにこのような悩みが生まれているのだ、とヘッファナン氏は言います。

建設的な会話をしなければならないからといって、意見の対立をこわがる必要はありません。確かに、対立している意見を誰もが納得できるものに落ち着かせるのは難しいことでしょう。しかし、その互いに意見を擦り合わせる姿勢が、建設的な会話を行うためには重要なものだと言えるのです。誰もが意見の対立には不安を感じています。あなたから沈黙を破り、周囲の人が抱える不安を軽減させましょう。

3. 会話の目的を共有する
会話のゴールがどこにあるのか、常にきちんと把握できているでしょうか。例えば会議中にされる会話なら、議題の結論を出すことが目的となるかもしれません。また取引先との会話であれば、相手に共感して信頼関係を構築することが目的となる場合もあるはずです。このように、目的は直面している状況によって変わってきます。したがって、コミュニケーションの取り方もそれに合わせる必要があるのです。

会議であれば、話し合いを始める前にたどり着くべきゴールを全員で共有することができるでしょう。信頼関係を構築したい場合には、これまでにお伝えした2つのコツを用いて、会話の流れを信頼関係の構築に向かわせるよう、逐一気を配るようにしてください。そうすれば相手と話が噛み合わなくなってしまうことを避けられるに違いありません。

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みなさんも、ぜひお伝えした方法を実践して会話の知能指数(CI)を高めてみてください。今よりもずっと有意義な会話ができるようになることでしょう。

(参考)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|「会話の知能指数」(CI)はこうして高める
TED Talks|マーガレット・ヘッファナン:対立の意義
ITmedia eBook USER|建設的な話し合いをするための“話の聞き方”
HUFFINGTONPOST|Conversational Intelligence