あなたは、人と会話をする際、相手にとって話しやすい状況を作ることができていますか? 相手の話に少し相槌を打つつもりが、ついつい自分の話を長々としてしまってはいないでしょうか。あるいは逆に、自分では相手の話をよく聞いてちゃんと反応しているつもりでも、「聞いてる?」と言われてしまうことはないでしょうか。

相手の話を「聞く力」は、特にビジネスにおいて重要です。例えば職場では、仕事仲間の話を真摯に聞いてあげることで、「この人には安心して何でも話せる」という信頼を得られるでしょう。また商談では、よい聞き手になれば、顧客のニーズを引き出し相手にとって最適な提案ができるようになります。自身や会社の売り上げ増につながるだけでなく、顧客との関係がより良好なものになり、その後の取引も円滑に進むようになるはずです。

そんな「聞き上手」になるための秘訣をお伝えしましょう。ポイントは大きく分けて、態度・相槌・質問です。

聞き上手の態度

まずは、相手の話をよく聞くための態度を整えましょう。些細なことだと思うかもしれませんが、態度を少し意識するだけで、話し手に与える印象は格段によくなります。

・相手に対して肯定的な感情を持つ

まずはあなたのことを全て受け入れますよという気持ちを作りましょう。心に余裕を持ち、相手に対して興味・感謝・嬉しさ・楽しさといったプラスの感情を抱いて接するのがコツです。肯定的な感情を持つよう意識すれば、自然と相手の話を聞くのが楽しくなってきます。また、そのような好意は聞く姿勢にも表れ、相手にも伝わるでしょう。相手にとって話しやすい雰囲気が作れるはず。

批判しようと考えながら話を聞くなどもってのほかです。相手の話に反発したくなってしまいますから、注意してください。

・自分の口は閉じておく

話を聞いていると、ついつい口出ししたくなる方もいるでしょう。相談事を持ちかけられると、つい意見を言いたくなりますよね。そんな場合でも、口を挟みたくなる気持ちをぐっとこらえてください

相手の話の途中で口を挟むと、話の腰を折ることになりかねません。そうなれば相手に不快感を与えますし、口出ししたことがきっかけで話し手と聞き手が逆転してしまう可能性もあります。相手が一通り話し終わるまでは、意識して口を閉じ、頷きや相槌に徹しましょう

・相手と表情・口調・ジェスチャーを合わせる

相手と態度を合わせ、相手が安心して話しやすい空気感を作りましょう。人は、自分と似ている人に親しみを感じ、心を開きやすくなるからです。

例えば、相手が自分に悩みを打ち明けてきて少し暗い印象であるときには、自分も少し心苦しいような表情をしてみましょう。相手は「聞き手が同情してくれている」と感じ、より話しやすくなるはずです。また、新しいアイデアを思いつき興奮している同僚と話をしているときなら、自分も同じように熱のこもった雰囲気で話を聞いてあげます。同僚の前向きな気持ちをさらにかきたてることができるでしょう。

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聞き上手の相槌

次におさえるべきポイントは、相手の話への反応の仕方です。聞き手は相手の話にただ相槌を打てばいいというわけではありません。「話を聞いている」ということが相手に伝わるような反応を示しましょう。

・頷きや相槌に強弱をつける

話の中で要点だと思った部分、共感した部分には、遠慮なくゆっくり深く頷いたり何度も頷いたりするなど、反応に強弱を持たせましょう。

聞き手の頷きや相槌が一定だと、相手は「真剣に聞いてもらえているのだろうか?」という疑念を抱く可能性があります。あなたの話をしっかり聞き、理解しようとしていますということが伝わるよう、反応に緩急をつけてみてください。また、場に抑揚が生まれ、相手がより話しやすくなるという効果も期待できます。

・間を恐れない

会話の中では、相手が途中で沈黙することもあるでしょう。そんなときは、相手が話し始めるまで心に余裕を持って待ってください

相手が沈黙している時間は、相手は頭の中で話を整理している最中です。その間に口を挟むと、相手のペースを乱すことになり不快感を与えてしまいます。良い聞き手であるためには、間や沈黙に焦ってはいけません。

・「オウム返し」と言い換えをする

相槌を打つ際はオウム返しが効果的だ、とよく言われますね。「オウム返し」は、相手の話をしっかり聞き、受け入れたということを示せるので、大いに有効です。

しかしそれだけでなく、相手の話が長くなった場合などには、言い換え要約をしてみましょう。相手の発言を自分の言葉で確認することで、聞いた内容を自分なりに噛み砕いて理解しようとしていることを、相手に伝えられます。

ただし言い換えをしすぎると、相手の話からズレたことを言ってしまったり、自分の話になってしまったりする危険性があるので、気をつけましょう。

聞き上手の質問

最後にお伝えしたいのは、質問の仕方です。

ここまでお伝えしてきたポイントを踏まえて相手の話を一通り聞き終えたら、相手に質問をします。そのとき多くの人は、自分が聞きたいことばかり聞いてしまいがちではないでしょうか? しかしそれではいけません。聞き上手であるためには、相手の話を聞きながら質問を考えましょう。話を注意深く聞き、相手の言葉の中から聞きたいことを見つけるのです。

インタビューの名手として知られるエッセイストの阿川佐和子さんは、インタビューにおける質問の心得を次のように話しています。

「どんなシチュエーションでも、自分が聞きたい内容ばかりに気を取られるのもダメかな。『これを聞こう、あれを話そう』って予定を立てて、話をしながら次の質問を考える。すると、相手の気持ちを掘り下げる“ポイントとなる言葉”を拾いそびれてしまうんです。事前に段取りや順繰りをある程度作るのは構わないけど、ある時はそれを全部飛ばしてもいいぐらいの思い切りを持って話を聞けば、必ず“面白い宝物”は落ちている」

(引用元:ORICON NEWS|インタビューの名手・阿川佐和子が語る“聞き手”の心得

大切なのは、相手の話をしっかり聞き、聞いた言葉から質問を考えることです。相手が話した内容に対して質問をすれば、相手に「聞き手としてあなたに興味があります」ということを伝えられます。相手の話を広げたり、深めたりもできるでしょう。

話を聞こうと思いつつ、自分の意見が先走ってはいないでしょうか? 相手本位で聞くことができているか、自分の質問の仕方を見直してみてください。

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今までの自分の聞き方と比べて、どうだったでしょうか。お伝えしたポイントを意識して、相手が心地よく話せる聞き上手になりましょう。

(参考)
Life&Mind|傾聴とは最高の人間関係を築く鍵/「傾聴を身につける」3つのステップ
ORICON NEWS|インタビューの名手・阿川佐和子が語る“聞き手”の心得
翻訳会社トライベクトル|「聞く力」がない人は成果を上げることはできない
Lightworks BLOG|傾聴とは ビジネスに役立つコミュニケーションスキルのポイントをご紹介