仕事の途中でトイレへ行くために席を立ち、「ついでにコーヒーを買ってこよう」と自動販売機へ。そして「せっかくだからコーヒーを飲みながら、人と会話をしよう」と思いつき、ずるずる休憩時間が延びてゆく……。みなさんは、このような経験をしたことはありませんか?

休憩時間が延びると、その日にできる仕事の量が減ったり、長く休憩した分仕事が終わる時間がどんどん遅くなったりします。結果、押し出される形で自由な時間や睡眠時間が削られ、毎日がつらくなってしまうかもしれません。

では、休憩時間をずるずると延ばさないためには、どのようにすれば良いのでしょうか?
今回は、休憩からすっぱりと仕事に戻るための方法を紹介します。

人間はサボりやすい

人は自分に甘いものです。休憩後、すぐ仕事に取り掛かろうと決めていても、それを常に実行するのは簡単なことではありませんよね。冒頭の例のようなことはよくあることだと思います。

心理学者のピアーズ・スティールさんが行った調査によれば、実際ほとんど全ての人が、自分が決めた約束を守ることができないのだそう。

心理学者のピアーズ・スティール氏が過去40年間の様々な人の自分自身(※)に関するアンケートや資料を参考に調査したところ、自分に甘かったり先延ばししたり、あるいは自分で決めたことが守ることが出来ないという人は全体人口の95%もいるということがわかっています。

(引用元:Mentalist DaiGo Official Blog|自分への甘さを断ち切るための心理学)(※「信」の字を「身」に修正して引用した)

例えば、「お昼ご飯を食べ終わったら、明日の打ち合わせのための準備をしよう」「休憩が終わったら、午前中の仕事の続きをやろう」「家に帰ったら、仕事に関係する本を読もう」――。このようにして、これまでみなさんはたくさんの予定を立てたことがあるはずです。そのうち、いったいどれくらいを実行できたでしょうか? 天候や急な用事など自分の意志ではどうしようもない場合を除いても、すべてを実行できたという方はいないはず。筆者自身、何も問題がなくとも予定通りに行動を開始できるのは1日1回あればよいほうです。

私たちにとって、意思の力だけで予定通りに行動するのはもともと難しいこと。ですから、休憩後すぐに仕事に取り掛かるのも当然、大変なことなのです。

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やるべき作業を細かく分けよう

では、休憩からすぐに仕事に戻るためにはどうすればよいのでしょうか?

休憩の後でスムーズに仕事に取り掛かるために必要なことは、休憩明けの最初の仕事への障害をあらかじめ取り除いておくこと。そのためにできることが3つあります。

1つ目は、普段からTo Doをなるべく細かい内容で設定することです。仕事の内容を細かく刻み、するべき作業を小さくかつ明確にしておけば、仕事の区切りの良いタイミングで休憩に入れます。また、休憩後に何から仕事を再開すればよいかがわかるので、休憩を切り上げやすくなるのです

では、仕事の中身は具体的にどれくらい細かく分ければよいのでしょう。

習慣化をテーマにしたコンサルティングを行っている古川武士さんは、1日5件の訪問を思い出しながら日報を書く場合を例にとり、次のように作業を細かく分けることを勧めています。

1. 1件1件、営業訪問するたびにICレコーダーに吹き込む
2. 帰社後、内容を取りあえず箇条書きで書き出す
3. 文章としてつなげる

(引用元:“未来を変える”プロジェクト|先延ばしの心理メカニズムと絶対に先延ばししない対処法とは

作業を細かくわけないまま仕事にとりかかろうとすると、「何からやろう?」と考えてしまうため手が動きません。休憩の後で何をすればいいかがあいまいなため、何となく休憩を延長することにもなってしまうでしょう。

ですが、やるべき作業を上の例ぐらい明確にしておけば、自然と手が動きますよね。休憩後に何をするべきかがわかるので、ずるずると休憩を延長することは少なくなります。なお、休憩後はできる限り簡単な作業を行うようにすると、仕事を再開しやすくなるでしょう。

自分が集中できる環境を整えよう

2つ目の方法は、自分が集中できる環境を整えることです。

そのためには、自分はどのような環境でなら集中しやすいのかを知る必要があります。そこで、自分が仕事に集中できる時間と環境を記録するとよいでしょう。メンタリストDaiGoさんは次のように紹介しています。

我を忘れて何かに夢中になった経験は、誰しもあると思います。その没頭状態の前後を思い出してください。静かな場所だったか、体を動かしていたかなど、そのときの条件と時間帯を記録しておくこと。そうすると没頭の入口と出口がわかるので、自ら没頭状態を作り出し、それを維持できるようになります

(引用元:キャリアコンパス|メンタリストDaiGoが解き明かす「超集中力」! 没頭状態を作り出せれば人生は劇的に変わる

自分が集中できる条件を書き出すことによって、休憩後どんな条件をつくれば仕事に復帰しやすくなるのかを把握しましょう。例えば、立ったままのほうが仕事に集中しやすいのであれば、休憩後はすぐに椅子に座らず、スタンディングデスクなどを使い立ったままで仕事を再開するといいですね。

集中の邪魔になるものは排除しよう

最後に紹介するのは、休憩後の仕事の再開を邪魔するものは排除するという方法。例えば、休憩中にネットサーフィンしたまま仕事に戻ってこられないのなら、休憩時間以外はスマートフォンをロックしてネットサーフィンをできないようにしてしまいましょう。こうすることで、「休憩の後に仕事をしない」という選択肢がなくなり、仕事を再開するしかなくなります

ただし、この方法を行う際は、ある程度の妥協は許しましょう。先ほどの例でいえば、大事なプレゼンテーションの1週間前だけスマートフォンをロックするなどして、完全に自分を押さえつけないようにするのです。

というのも、やりたいことを完全に禁止してしまうと、ある1回の反動で全てが崩れてしまう可能性があるから。

皆さんはこんなエピソードを聞いたことはありませんか? 受験生時代、勉強に集中するためにゲームを押し入れに隠したところ、最初の数か月は我慢できたものの、反動で次の数か月ずっとゲームをし続けてしまった……。もしかしたら実際に経験したことがある方も、いらっしゃるかもしれませんね。このように自分のやりたいことを無理に禁止し続けると、かえって失敗する可能性が高くなってしまいます。

意思の弱い自分を変えるためには、厳しい環境に身を置く必要はあるでしょう。しかし、うまくいかなくては意味がありません。スマートフォンをロックするなら、その決まりを実行する期間を1週間から始めて、インターバルを置きながら、耐えられる範囲で少しずつ長くしてみましょう。休憩後の仕事の再開を邪魔するものを少しずつ遠ざけてゆけば、休憩をすっぱり切り上げる習慣が身につくはずです。

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ここまで、休憩時間を延ばすことなく仕事に戻るための方法について紹介してきました。新しい習慣をつくるために大切なのは、どんなに不完全な形でも継続することです。ここで紹介した方法を実行できた日が、最初のうちは3日に1日しかなくても、諦めずに続けてみてください。きっと、うまくいくときが来るはずですです。

(参考)
Career Supli|仕事のオン・オフの切り替えに「効く習慣」40選
キャリアコンパス|メンタリストDaiGoが解き明かす「超集中力」! 没頭状態を作り出せれば人生は劇的に変わる
Mentalist DaiGo Official Blog|自分への甘さを断ち切るための心理学
日本実業出版社|デキる! といわれるシゴト習慣術【連載第4回】 やめたい習慣第1位「先延ばしグセ」を直す方法
“未来を変える”プロジェクト|先延ばしの心理メカニズムと絶対に先延ばししない対処法とは