資格試験などの勉強をしたい気持ちはあるけれど、時間はないし、仕事のあとは疲れるし、休日はグッタリだし、なかなか集中できないし……、とモヤモヤしているビジネスパーソンは少なくないでしょう。そんな方々に、勉強効率を上げる「環境と刺激」をご紹介します!

【勉強効率を上げる「環境と刺激」1】音

ラジオの小さな音を適度な雑音に

アメリカの環境音に関する研究では、図書館などの静かな環境(50デシベル程度)よりも、カフェなどの少し雑音を感じる環境(70デシベル程度)のほうが、作業効率や生産性を上げるとされています。そこで、おすすめは、はっきり聞き取れない程度にラジオをつけておくこと。いつでも自宅で自分好みの適度な雑音をつくることができますよ。特にクラシック音楽が多くかかるラジオ局が効果的です。その理由は次項にて。

「f分の1ゆらぎ」がある音

「f分の1ゆらぎ」とは、小川のせせらぎや、鳥のさえずり、電車の車輪の音、雨音、人間の手で奏でるピアノやヴァイオリンの音といった、自然界に存在する、規則性と不規則性が心地よく調和したリズムのこと。人を癒しリラックスさせることで集中力も高めてくれるそうです。クラシック音楽にも、このリズムが含まれていることが多いのだとか。心地よく癒されながら勉強にも集中です!

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【勉強効率を上げる「環境と刺激」2】空気

CO2(二酸化炭素)濃度を低くする

ハーバード大学公衆衛生大学院の助教授ジョゼフ G. アレン氏らは研究で、「よりよい空気を吸うと、意思決定パフォーマンスが著しく改善する」と明らかにしています。また、換気率がいい建物で働く人々ほど、認知機能テストで高得点を取ったのだとか。アメリカのローレンス・バークレー国立研究所が、2012年にニューヨーク市立大学と共同研究を行った際も、CO2濃度が低いと意思決定パフォーマンスが高くなると確認しています。エアコンを使う季節でも少し窓を開け、離れた場所の換気扇を回し、部屋全体の換気率をよくしておきましょう。

ほんの少しだけ低めの温度にする

一般社団法人日本記憶能力育成協会・代表理事兼会長の池田義博氏によれば、記憶力アップのためには環境の温度は低めがいいとのこと。しかし、冷えすぎると集中力低下の要因になってしまうのだとか。勉強の際には、ご自身の体感で“ほんの少しだけ”低めの温度になるよう、室温を調節してみては?

【勉強効率を上げる「環境と刺激」3】片づけ

ほどよい程度に片づける

米プリンストン大学のサビーネ・カストナー教授(神経科学・心理学)によると、人間は目に入る自分の周辺情報を脳内で処理し、専念すること以外の要素を除外するそうです。しかし、目の前の要素が多すぎると処理性能が低下するのだとか。つまり、専念すべきものに集中できなくなるということ。ところが、あまりにも完璧に整理整頓されていると、今度は刺激がなさすぎて脳の情報処理が正常に機能できなくなるのだそう。適度な雑音があると集中できるのと同様に、ほどよく雑多な部分を残す程度に片づけると集中しやすいわけです。

必要なものをすぐ取り出せる

世界でもトップクラスの企業とされるトヨタ自動車の、「トヨタ式」といわれる生産方式の中の整理整頓術は、「きれいにする」ではなく、「不要なモノを処分し、ほしいモノがいつでも取り出せること」に徹底しています。物理的にモノを探す時間も少なくなりますが、探すという行為に脳を使わずに済むことも重要なポイントです。

【勉強効率を上げる「環境と刺激」4】明るさ

勉強に適切な光の色を採用する

近年では、「光の色」への関心が高まっているといいます。ちなみに、光の色を表す尺度は「色温度」で、その単位は「K(ケルビン)」。読書や勉強などで文字を読むのに一番適しているのは6200Kの「昼光色」とのこと。曇り空の、青白く涼しげな光の明るさです。夜勉強するときは照明で昼光色をつくってあげるといいでしょう。ただし、くつろぐ際には不向きな明るさので、光の色を切り替えられる照明を選ぶのがおすすめです。

部屋の明るさとデスクライトの比率

光源と手もとの距離が遠すぎると、文字が見えにくくなってしまいます。また、手もとだけを明るくすると、目が疲れてしまいます。そうしたことから、勉強の際には天井の照明のほかにデスクライトを併用することが大切です。手もとの明るさと、部屋全体の明るさの比率は、3:1が望ましいそうです。

均斉度が高いライトを選ぶ

目の疲れは勉強効率を下げる原因になります。そのためにも、勉強する際のデスクライトは、目の疲れを最小限にする均斉度が高いライトを選ぶことが大切です。均斉度は明るさのムラを示す指標のひとつ。均斉度が高いライトとは、一番明るいところと、暗いところの差が少なく、デスクの隅々まで照らすライトのことです。

【勉強効率を上げる「環境と刺激」5】天候

オーストラリア、ニューサウスウェールズ大学の研究チームは、“気分”が記憶にどのような影響を与えるか実験を行ったそう。すると、晴天のときよりも、悪天候のときのほうが記憶力が高まるとわかったそうです。研究者は、悪天候がもたらす暗い気分が周囲への注意力を高める一方、天気がよく幸福な気分になると、注意力が低下して物忘れしやすくなると話しています。悪天候で憂うつな気分になりそうなときは、「今日は記憶力が高まるぞ!」と気持ちを切り替え勉強を始めましょう。

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集中できる環境をつくり、刺激をうまく利用して、勉強効率を上げてくださいね!

(参考)
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神原寛昭,栗本育三郎,小林伸彰,柳谷俊一,森谷健二,中川匡弘(2016),『リラックス法が学習時の集中力持続に与える影響』,函館工業高等専門学校紀要,函館工業高等専門学校,vol.50 pp.21-26.