“あえて” 自分を追いつめろ! 勉強を続けるための「危機感」のチカラ。

目標を定めたものの、ついダラけてしまうことはありませんか? 「今日はしっかり勉強するぞ!」と朝に意気込んでも昼過ぎ頃には眠くなり、ダラダラやって気づいたら夜だった、なんてこともあるのではないでしょうか。「朝からしっかりやっていれば、もっとたくさんできたのに」と嘆いても後の祭り。貴重な休日は戻ってきません。

そんな悲劇を避けるためにオススメなのが、「危機感を持つこと」です。そこで今回は、「勉強しなければヤバイ」という危機感によって、目標達成へと邁進できる方法をご紹介いたします。

公言する

まわりの人に、「今年あの試験に絶対受かります」と公言してしまいましょう。反感を買わない程度に、「あの試験は楽勝」といったような発言をして、落ちたら最高にかっこ悪い状況を作るのも効果的です。

そうすることで、コミットメントの原理が働きます。この原理は、まわりになんらかの考えや目標などを公言したときに働くもので、「言行一致した人間に見られたい」という思いから自分の言葉通りの行動をとりやすくなるというものです。つまり、「試験に受かる」と言ったからには受からなければいけないという圧力を、自分にかけることができます。

SNSを使って公言するという方法もあります。なおかつ「試験対策に役立つTweetを1日1回します」とプロフィールに書いておけば、毎日Twitterのために勉強するようになるでしょう。その際、なるべく親しい友人とつながっているほうが、「言行一致していない」と思われたくない気持ちが働くので、自分への圧力をかけやすくなります。

勉強会を開く

定期的に仲間と勉強会をするのも良いでしょう。一人だけ勉強を怠ると恥をかくので有効です。その際、罰ゲームを設けると、より必死になれるはず。

そして勉強する範囲については、「頑張ればギリギリ達成できそうな範囲」にすることがオススメ。ゲームでは倒せるかどうかわからないボスを倒せたとき、とても嬉しいですよね。勉強も同じです。それに、できるかどうかわからないラインを達成できると、「もっとやりたい」と思えるので、より多くの勉強をこなすことができます。

その場合、自分と同程度のグループ、もしくは少し上のレベルのグループに加わるのが良いでしょう。みなが同じような歩調ならば勉強会はスムーズになります。もしくは少し上のレベルの中で、劣等感を味わうことができれば競争意識を刺激され効果的です。可能ならば、2タイプのグループの勉強会に参加してみてはいかがでしょう。

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場所を変える

勉強せざるを得ない場所へ行くのもオススメです。たとえばまわりの誰もが勉強をしている有料自習室や、図書館などです。そのような場所で「勉強していないなんて、ありえない」という雰囲気にのまれてしまえば、嫌でも勉強するようになるはずです。カフェで勉強している人の近くに座るのも良いでしょう。ふとまわりを見渡したときに勉強している人が目に入るので、「頑張ろう」と思いやすくなります。

また、同じ場所で勉強する誰かをこっそり選び「この人が帰るまでは自分も帰らない」と決めることで、自分の競争意識を刺激するのも有効です。マネジメントの名著『人を動かす』では、部下にやる気を出させる上で「他人と競争するという意識をもたせること」が重要だと述べられています。無論、自分にやる気を出させるときにもこれは言えること。自分の中で競争相手を定めることで、自分のやる気を引き出すことができるのです。

このように、場所を変え、まわりの環境と自分の思い込みを両方活用することで、「競争」という構図を一人で作ってやる気を出すことができるでしょう。

イメージのちから

想像力を活用するのもひとつの方法です。「もし仮に今この勉強をしなかったら、どんな未来が待っているのか」と、最悪の事態を想像してみましょう。「無能だと思われる」「恋人に捨てられる」「収入が低くなって生活が苦しくなる」など、どんどんマイナス方向にイメージを膨らませてみるのです。

そうして、やらなけらば最悪な状況に陥ることを想像しているうち、「断然やったほうが自分に利益がある」と思えるようになり、結果的に「こんなことしていられない、すぐやらなければ!」という気持ちが高まるはずです。そのためにも、極端に最悪な未来の自分を想像してみるのです。それで、やろうという気になったら、勉強を頑張った自分の「明るい未来の姿」を想像してみてください。それにより、さらにモチベーションを高めることができるはずです。

この方法によって、「今しか勉強できない」「今やらないと取り返しがつかない」という自己暗示を用いることもできます。マーケティングでは、「この商品は今買わないとなくなってしまいますよ!」と言って宣伝をすることがありますが、これは、心理学で言う希少性の原理を活用したもの。つまり、「今しかできない」と言われると、無性に今行動したくなってしまうという効果です。それを、個人の勉強においてもうまく活用していけば、大きな効果を生み出せるはずです。

そして、もうひとつ、「視覚的イメージにより危機感を抱かせる方法」があります。これから終わらせなければいけない教科書を高く積んでおく、過去の試験問題10年分をいつもカバンに入れておくなど、残りの勉強量を視覚的に捉えさせて、どんどん勉強しなければという危機感を抱かせるのです。

想像力は前頭葉が発達した人間の特権です。いろいろ工夫して、有効な危機感を自分に与えてみてください。

*** 「公表する」「勉強会を開く」「場所を変える」「イメージを活用する」この4つの方法により、危機感を持って勉強することができるようになるはずです。自分を追い詰めてでも達成したい目標がある方は、ぜひご活用ください!

(参考) ロバート・B・チャルディーニ著, 社会行動研究会訳(2014), 『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』, 誠信書房. ジョセフ・シュガーマン著,佐藤昌弘監訳,石原薫訳(2006), 『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは』, フォレスト出版. デール・カーネギー著,山口博訳(1999), 『人を動かす 新装版』, 創元社.

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