「ズルい」と言うのは二流の証。“競争社会で負ける人” が言いがちな4つの口癖

皆さんが普段言いがちな口癖の中には、もしかしたら「仕事がデキない」ことを象徴したセリフがあるかもしれません。競争社会で負ける人が言いがちな口癖を4つ紹介します。こんな言葉、つい言ってしまっていませんか?

1. 「1日が27時間だったらな」

もっと時間があったら」「1日27時間あったら」「あと2時間あればな……

こんな「時間が欲しい」系のフレーズ。言ったところで時間が増えるわけではないのに、つい口から出てしまうものですよね。これが口癖だと、なぜ仕事がデキる人にはなれないのでしょうか。

「時間があれば……」は行動を阻害する

『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』の著者・藤由達藏氏によると、すぐに行動できない人は「時間がもっとあったらなんとかなるのに」「時間があれば解決策は見つかるのに」と考えてしまう傾向にあるのだそう。しかし、だからといって本当に時間があったとしても、結局締め切りが近づけば同じように思ってしまうのだとも言います。その原因は、「残り時間と仕事を進める時間がわかっていない」から。つまり、やるべき仕事とスケジュールをざっくりとしかとらえていないので、タスク管理が甘く、常に時間が足りなくなっているのです。

また、時間がないことを言い訳にして行動をしなければ、当然仕事は先延ばしされていきます。リーダー向けメンタルコーチの大平信孝氏によると、この口癖は先延ばしの引き金のひとつ。時間に限らず「お金がないから~できない」というように行動できない条件をいくつも集めて、先延ばしする自分を納得させてしまっているのです。

「もっと時間があったら」を「10秒なら時間はある」に変えよ!

いくら願ったところで時間は増えません。ならば、すぐに行動を起こすしかないのです。そこで、「もっと時間があったら」という口癖を「10秒なら時間はある!」に変えてみましょう。たった10秒なら、いつどんなタイミングでも確保できるはず。

ほんの10秒でできることを見つけるには、物事を「チャンクダウン」する必要がありす。これは、習慣化コンサルタントの古川武士氏が提唱する「物事を先延ばししないための3つの習慣」のひとつ。作業を小さなステップに分け、「具体化」「明確化」するのです。また大平氏も、時間がないからこそ、今すぐ10秒だけトライしてみようを新たな口癖にして、10秒でできる小さく具体的な行動からスタートするべきだと説いています。

例えば、期末の業務報告書の作成をしなければならないとき。まとまった時間は取れなくても、報告書のタイトルだけ作る、ざっくり目次だけ作る、ポイントだけメモする、といったことなら、ごく短い時間でできるはずです。実際これだけでもやってしまえば、もうちょっとやってしまおうかなという気になり、思いのほか仕事が進むかもしれませんよ。

「もっと時間があったら」と言いたくなったらグッとこらえて「10秒でできることをやろう」と言ってみてください。

2. 「いつか機会があったら」

いつか機会があったら~しましょう」「今度~したいですね

前向きな発言のように見えて、実は仕事がデキない人の定番のセリフです。マーケティング戦略指導を手掛ける弘中勝氏はこの言葉を、「無意味で非現実的なセリフナンバー1」だと言い切ります。また、似たような言葉として「今度飲みに行きましょう」がありますが、これもなかなか実現しないこと。コラムニスト・石原壮一郎氏の調べでは、「今度飲みに行きましょう」の95%以上が、本当に飲みに行く話にはならないのだそうです。

「いつか機会があったら」と言う人は、その機会を待っているだけ

弘中氏によると、「いつか機会があったら」のウラにあるのは「何かいい儲け話があったら乗っかろう」というこざかしさ。つまりこのセリフは、いい話が来るのを単に待っているだけの、受け身の姿勢からくるものなのです。

また他には、「相手も忙しいだろうし、いつか機会があったら……」「今はお互い繁忙期だから、今度の機会に……」といった遠慮から、「いつか機会があったら」と言うケースもあるでしょう。しかしこの考えに欠けているのは「人から何かを得る努力」。元サンリオ常務取締役の鳩山玲人氏は、人に遠慮したり怖気づいたりしていては機会はどんどん逃げて行ってしまうものなのだと言っています。

いつかの機会を待つのではなく、「自分から機会を作り出す」べし!

ただの社交辞令として「いつか機会があったら」を連発する代わりに、その機会を自分から提案しましょう。弘中氏は次のように述べています。

機会は、自分が作らない限り生まれません。ですから、本当に創造力のある人や、本当にその相手と組むことが最適な人であれば、「いつか機会があれば」ではなく、「あなたのこの部分と、私のこの部分を合わせれば、面白いものができるんじゃないですかね?」と、すぐにその「機会」を提案できるはずなのです。それができない人に、「いつか機会があれば」という機会を作り出すのはほぼ不可能です。

(引用元:MAG2NEWS|本当にデキる人が「いつか機会がありましたら」と絶対に言わない理由)太字は編集部にて施した

また鳩山氏も、若手のビジネスパーソンは特に、相手がたとえ目上の人であっても図々しく頼るべきだと言います。「キャリアのことで悩んでいる」「ビジネスプランにアドバイスをいただけないか」といった相談も、「いつか機会があったらお願いしよう」ではいけません。「明日の夕食をご一緒できないでしょうか?」「30分ほどでいいので、お時間いただけないでしょうか?」といった具合に、機会を自ら願い出るべきなのです。

「今度飲みに行きましょう」についても同じ。もし、交流会で出会った人や取引の関係者と飲みに行く話が出たら、「いつ頃なら時間ありそうですか? いつもどのあたりで飲まれているんですか」といった具体的な話に踏み込み、相手の意思も探ってみてください。デキるビジネスパーソンに必須の人脈を、その飲み会で得られるかもしれないのですから。

「いつか機会があったら」と言うのをやめて自ら機会を提案できる人になることが、デキるビジネスパーソンへの1歩です。

3. 「意識します」「主体的にやります」

しっかり意識していきます」「主体的にいきます

経営コンサルタントの横山信弘氏は、いつまで経っても成果の出せない「残念な人」が使いがちな言葉として、こうした「ぼかし表現」を挙げています。

ぼかし表現は、ちゃんと考えていない証拠

ぼかし表現とは、心構えや意識の持ち方を言っただけの「中身のない言葉。何となく格好よく立派な言葉に見えても、具体的に何をどうするべきなのかが考えられていない抽象的な表現です。

例えば、「今期の実績を踏まえて来期の目標を立てる」というとき。「今期は、あまり業務効率が良くなかったので、来期は生産性を上げることを意識し主体的に仕事に取り組みます」では、内容が全くわかりませんよね。その理由はずばり、実績と目標の中身を具体的に考えていないから。

明確なアクション計画が伴わない表現には、ほかにも「徹底します」「積極的にやります」「きっちりやっていきます」「努力します」といったものが挙げられます。つい言ってしまっていませんか?

アクションを具体化するために「4W2H」を使うべし!

ぼかし表現を使うことなく話すために、横山氏は「5W1H」、またはそれをアレンジした4W2Hで考えることを推奨しています。

「5W1H」は、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」です。私は「なぜ(Why)」を省くことが多いので「4W2H」をよく使います。「だれが(Who)、いつまでに(When)、どこへ(Where)、なにを(What)、どれぐらい(How Much)、どのように(How)」です。 (中略) 時間、人、場所、物、数量、手法……それぞれの軸で、細かく掘り下げて話すのです。

(引用元:Yahoo!ニュース|「残念な人」の口癖「ぼかし表現」ランキング10)太字と※の補足は編集部にて施した

先ほどの例であれば以下のような具合です。

「今期は、1日当たりの問い合わせ対応件数が10件で、前期に比べ1割減であった結果、業務効率が落ちていました。原因は、私の新商品に関する知識が足りず問い合わせへの対応に手間取ったためと考えています。そのため来期は、週に1回必ず商品知識のアップデートをする時間を設け、手間取ることなく問い合わせに対応し、1日当たりの問い合わせ対応件数を12件以上にしたいと思います」

このように細かく掘り下げて話すことで具体性信頼性もアップします。何より、自身としての行動も起こしやすくなるでしょう。「積極的に頑張ります」などと誤魔化さないで、細かく具体的に話すことが、仕事力アップのカギです。

4. 「あの人はズルい」

あの人はズルいな

プロジェクトで成果をあげたチームメイトや、他部署で働く同期をみて、そう思ったことはありませんか? 他人の成功をみて妬みしか感じないようでは、競争社会を勝ち抜くことなどできませんよ。

「ズルい」というのは二流の証

ビジネス関連の著作を多く持つ中谷彰宏氏は、『一流の準備力 見えないところで差がつく63の工夫』の中で、次のように述べています。

成功した人に、二流は「ズルい」と感じます。 仕事で出世した人、お金が入った人、いい結婚をした人がいると、二流は「ズルい」と言います。 ベストセラーが出ると、「ズルい。あんなのはオレだって書ける」と言います。 「ズルい」と言った時点で、その人は成功した人から学ぶことができなくなります

(引用元:中谷彰宏(2017),『一流の準備力 見えないところで差がつく63の工夫』,大和出版.)太字は編集部にて施した

「ズルい」というセリフを言うことは、自分を成長からわざと遠ざけているようなものなのです。

女性に特化したキャリアコンサルティングを手掛ける川崎貴子氏によると、「ズルい」という気持ちは、自分が得られなかった利益を他人が得ていることに対する妬み・嫉み。そして、「あの人はズルい」と思うタイプの相手というのは、自分に似通った環境やレベルにいる、いわばライバルなのだそう。ビル・ゲイツがいくら成功しようと「ズルい」とは思わないけれど、同僚の誰々が成功すると「ズルい」と感じるというのは、その同僚が自分のライバルだからです。

また、心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、人のことを「ズルい」と感じやすい人は、自分のことを実際よりも優れているとみなす傾向にあると言います。「自分のほうが評価されるべきなのに、あの人が評価されているなんて、ズルい」と思ってしまうわけです。こうして妬みが増幅するから、成長意欲どころではなくなってしまうのですね。

「ズルい」は禁句。「あの人から何を学ぶべきか」を考えよ!

他人の成功を目の当たりにしたら、「ズルい」と言うよりも、彼(彼女)から学ぶべきことはなんだろうか?と考えてください。中谷氏は、成功者を見た時にどう思うかが一流と二流の分かれ目だと言います。

そのために大切なのは、謙虚に学ぶ姿勢を持つこと。東レの取締役・東レ経営研究所社長を経て、現在経営者育成事業などを手掛ける佐々木常夫氏は

わたしが思うには、まず自分に不足していることを知り、さまざまなことから学び取る姿勢を持つことが大切。上司に学び、同僚に学び、部下に学び、お客様に学び、仕事全体から学ぶ。そんな心構えをつねに持っていれば、人はいつだって変わることができます。人をバカにしたり、学歴や経歴で相手を見下したり、自分がつねに正しいと疑わないような人は絶対に成長できないのです。どんなことからでも謙虚に学ぶ姿勢がある人こそが、本当の意味の『学力』、つまり『学ぶ力』を持っている人だと思いますね

(引用元:StudyHacker|「良い習慣」は才能を超える! 謙虚に学びハードに働く【元東レ経営研究所社長 佐々木常夫さん「リーダーになるために必要なこと」part1】)太字は編集部にて施した

と述べていますし、出版プロデューサーの川北義則氏は、大きく成長するには好敵手の存在が不可欠だと言っているそう。「ライバルがあれだけ努力しているなら、自分はそれを上回る努力をしよう」「あの人の存在が、自分のモチベーションを高めてくれるんだ」そう思えれば、ライバルが成功したとしても「ズルい」とは思わなくなるはず。「超えてやるぞ」という意欲に変わることでしょう。

*** ご自分が言ってしまいがちなセリフはありませんでしたか? 言葉を変えるだけでデキる人になれる可能性があるのだとしたら、こんなに簡単なことはないでしょう。

競争社会で勝ち残るために、口にしてはいけない「3つの禁句」』では、名将・野村克也氏が説く3つの禁句を紹介しています。ぜひ合わせてお読みください。

(参考) 藤由達藏(2015),『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』,青春出版社. 東洋経済ONLINE|仕事ができない人に共通するヤバい口癖7つ StudyHacker|「先延ばし癖」どうすれば解消できるのか? “すぐやる” ための『3つの習慣』 MAG2NEWS|本当にデキる人が「いつか機会がありましたら」と絶対に言わない理由 ダ・ヴィンチニュース|「今度飲みに行きましょう」の正しく美しい使い方 鳩山玲人(2013),『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』,幻冬舎. Yahoo!ニュース|「残念な人」の口癖「ぼかし表現」ランキング10 中谷彰宏(2017),『一流の準備力 見えないところで差がつく63の工夫』,大和出版. リクナビNEXTジャーナル|イマドキ女子は「ズルい」。そう感じたときのマインドリセット|川崎貴子の「働く女性相談室」 PHP Online 衆知|「ずるい人」を寄せつけない方法 StudyHacker|「良い習慣」は才能を超える! 謙虚に学びハードに働く【元東レ経営研究所社長 佐々木常夫さん「リーダーになるために必要なこと」part1】 StudyHacker|「好敵手の存在」が成長のカギを握る。賢人たちが送る4つのメッセージ

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