瞑想は “3分間” から始めよう。「気軽な瞑想」3つのコツ。

著名人がこぞって実践している「瞑想」に注目が集まっています。しかし、いざ始めようとしても方法が分からない、興味はあるけれど時間がない、始めたが続かないという人が少なくありません。

そこで今回は、瞑想を気軽に始めて、長く続けられるコツをご紹介します。

そもそも「瞑想」とは?

一般的な瞑想のイメージは「静かな場所で座禅をして心を無にする」ですよね。でも実際には、極端な静けさも座禅も必要なく、椅子に座り、脚を崩しても大丈夫です。また方法も、背筋を軽く伸ばしリラックスしたら目を閉じ、じぶんの呼吸に集中するだけなので、いたって簡単。

精神科医の安藤治氏は、自身の著書『瞑想の精神医学』のなかで瞑想について、ハイレベルな意識あるいは健康を引き出すため、精神的なプロセスを整えることが目的の、意識的な訓練と定義しています。そう聞くと難しそうですが、現代においてはリラクセーションが目的の場合もあると伝えています。

また、全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部が運営するウェブサイトでは、心理カウンセラーの山本晴義氏監修のもと、「瞑想は1日10分程度で気軽にできるストレス解消法でもある」としています。つまり、瞑想は決して難しいものではなく、人々の生活に寄り添い役立てられるものなのです。その瞑想をベースに生まれたプログラムが「マインドフルネス」です。

この実践者として知られる著名人はアップル社の故・スティーブ・ジョブズ氏、イギリスのロックバンド・ビートルズのメンバー、俳優・映画監督のクリント・イーストウッド氏、メジャーリーガーのイチロー選手他、日本では脳科学者の茂木健一郎氏など。また、GoogleをはじめFacebookやIntelなど、アメリカの大手企業も導入しています。

瞑想は、ストレスを軽減し心身をリラックスさせ、集中力を高めてくれます。それによりクリエイティブになると、30年以上マインドフルネスを実践している茂木健一郎氏は言います。

瞑想が続かない原因

では、なぜ「瞑想」を続けられないのでしょう。考えられる原因は以下の3つです。

1.めんどうになってくる 静かな場所を選び、服を着替え、キャンドルやお香を焚くなど「瞑想らしいかたち」にこだわり過ぎていませんか? それが“めんどう”な気持ちを増長しているかもしれません。しかも、それらは特に必要ないこと。

「ヨーガ行者の王」の称号をもつ成瀬雅春氏でさえも、音の無い部屋で瞑想なんか始めたら、短時間で落ち着かなくなると述べています。また、「瞑想はただじっと坐って目を閉じるだけのものではなく、むしろ日々の生活や仕事のなかで有効に利用されてこそ意味がある」とも伝えています。

2.時間が長く感じる 初めから無理に長い時間で行うのも挫折の原因です。2016年に東京・青山で開催された「マインドフルネス」の体験セミナーで、講師役のマインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事の荻野淳也氏は、IT技術の進化で増大した情報量のせいで、人間の集中力が続くのはたった8秒と伝え参加者を驚かせました。それなら初めての瞑想は15分でも長いわけです。

3.効果が感じられない 1や2のような状況で億劫ながら瞑想を続けたものの、効果を感じず意欲を無くした場合もあるでしょう。しかし、瞑想が米国で受け入れられたのは、実際に科学的なデータがあったから。感情などを認識する「島皮質」と、集中力に関わる「前頭前野」という脳の領域の厚みが、瞑想経験者の脳を調べたところ増していたからです。とはいえ、人によって効果の現れ方も、実感の度合いも違うでしょう。また、自分で「さて脳の厚みは増したかな?」と調べるわけにもいきません。まずは信じて始めて習慣づけて、実感するしかないのです。

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瞑想を続けるコツ

こちらでは、「瞑想」を習慣づけていくためのコツを3つご紹介します。

1.はじめは3分から 瞑想は慣れていないと15分でも長いと感じるはず。そこで、オススメは3分間からのスタートです。

メンタリストのDaiGoさんは朝と夜に5分間ずつ毎日瞑想していますが、「続けることが大事なので、最初は無理のない範囲でやることが肝心」と3分間からのスタートを推奨しています。「そこから5分、15分とできる範囲で伸ばしていくといい」とのこと。

2.小さな習慣と一緒に行う 長年、行動変化のメカニズムを研究しているBJ Fogg博士は、「定着した小さな習慣は、新たな習慣を身につける際に活用できる」と説明しています。つまり、大きな習慣を個別に定着させるのではなく、小さな習慣を1つ、2つ、3つと積み上げていくのです。

例えば「朝起きたら必ず1杯の水を飲む」が定着したら、今度はそれに「3分ほどストレッチ」や「10回ほどスクワット」を積み上げ、それも定着したら「3分間瞑想する」も積み上げていきます。すると、そのうち、毎日この小さなタスクをすべて難なくこなすようになるわけです。定着によって、スクワットが10回から15回へ、瞑想の時間が5分、10分、15分へと充実していくはずです。

3.通勤やランチ中に行う アメリカの有名企業も実践している「マインドフルネス瞑想」は、日常生活に取り入れやすい“どこでもできる瞑想”と言われています。

この瞑想は座って行うだけでなく、食べ物のかたち・色・味・食感などに注目し、五感でゆっくり味わう「食べる瞑想」や、自分の歩数などを意識してゆっくり歩行する「歩く瞑想」などもあります。毎日の通勤やランチで気軽に行えますね。

瞑想を成功させるコツ

早稲田大学の熊野宏昭教授は、瞑想の時に余計な考えが浮かんだら「雑念、雑念」「(呼吸に)戻ります」と心で唱えるようアドバイスしています。また、呼吸で変化する自分のお腹や肺を「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況すると、呼吸をあるがままに感じられるとのこと。これなら雑念も入り込めません。

なお、瞑想の時に親指と人差し指で輪をつくるのは、指が離れると「眠っていた」と気づけるから。これで適度な緊張感を保てるのです。

*** 失われた海馬の回復や、免疫力が高まるなど、瞑想の恩恵は他にもたくさん。気軽に始めてくださいね。

(参考) NHKオンライン | NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第2回内容 ダ・ヴィンチニュース | 茂木健一郎氏の人生を変えた!? 30年以上実践している「茂木式マインドフルネス」とは Wikipedia |瞑想 Wikipedia | マインドフルネス 安藤治著(2003),『瞑想の精神医学 トランスパーソナル精神医学序説 〈新装版〉』,春秋社. 協会けんぽ 健康サポート | 瞑想で頭の中を空っぽにして、気持ちをリセットしよう 看護師求人・転職ならジョブデポ看護師 | 瞑想効果|実はすごかった瞑想の驚くべき効果9選 ダイヤモンド・オンライン | グーグルも注目の瞑想法「マインドフルネス」が集中力UPに効く | 週刊ダイヤモンド特集セレクション 成瀬雅春著(2003),『仕事力を10倍高める瞑想トレーニング』,PHP研究所. 日経ウーマンオンライン | 【目からウロコの仕事ハック】 | 知らないと絶対に続かない!習慣づくりの秘訣とは? MYLOHAS | 簡単で効果バツグン!メンタリストDaiGoさんが実践する瞑想法

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