皆さんは記憶力に自信がありますか? テスト前など暗記事項が多い時には誰もが1度は「もっと記憶力が欲しい!」と思ったことがあるのではないでしょうか。今回は様々な記憶術のうち、古代ローマ時代から知られている、場所に結びつける記憶術、「場所法」についてご紹介します。
場所法とは
場所法とは、2000年前のローマ時代からあった方法で、場所でイメージを結びつけるのが特徴です。別名「ローマンルーム法」とも呼ばれています。それは、ローマ時代に自分の部屋の場所にイメージを貼り付けた故事からです。
(引用元:読んだら、きちんと自分の知識にする方法|宮口公寿)
場所法は記憶力の中でも歴史が古く、有名な方法です。記憶力がいい人は勉強した内容がその日食べたものやそれを勉強した場所などと一緒に思い出されるそうです。それと同じように、場所法は意図的に場所のイメージと暗記対象を結びつける、という方法です。 日本人がまだ洞穴で生活していたこの時代に、既に「効果的な記憶法」についてあれこれと試して実践していた、ローマ人の知能の高さにまず驚かされますね。しかしこれだけ古来から有効とされている方法。試してみる価値はありそうです。
具体的な場所法のやり方
「場所法」という名前の通り、場所法では暗記事項を結びつけるための場所が必要です。何かを記憶する際に、普段通学、通勤に使っている道や、自分の家、よく行く場所など、慣れ親しんだ場所をイメージします。グーグルストリートビューなどで新しい場所を探しても良いですが、写真が平面的だと暗記事項を結び付けにくいので注意が必要です。具体的には、このように利用します。
例えば、自分がよく知っている場所、自宅などに記憶したい順番にアイテムを配置して行くのです。とんかち、ねぎ、携帯電話、自転車という単語を順番に覚えるのであれば、まず玄関の土間にとんかちが刺さっていて、玄関ホールにはねぎが生えていて、玄関付近のトイレに携帯電話を落とし、洗面所にある自転車のせいで落とした携帯電話が洗えなかったというように配置して行くのです
(引用元:記憶術で人生を変えよう|記憶術・場所法)
この時にイメージは、奇妙であればあるほど強烈に記憶に残るそう。最初はなかなか難しいと思いますが、ぜひイメージを膨らませて場所とうまく結びつけてみてください。
場所法は長期記憶が可能
この場所法が、2,000年以上利用されているのは、単に「覚えやすい」からではなく、すぐに消えてしまう短期記憶ではなく、長期記憶として残る可能性が高いからです。
場所法が何故、このように長期記憶が可能なのかといえば、脳の大脳辺縁系にある海馬と関連があるからと言われているからです。海馬付近には記憶に欠かせないニューロンが発達していて、海馬が刺激されることで長期記憶が可能になると言われています。場所法は、イメージと空間を利用しますので海馬を使いやすい、あるいは刺激しやすいのかもしれません。
一夜漬けですぐに忘れてしまうテスト勉強ではなく、長期に残したい記憶こそ、この「場所法」をうまく活用したいですね。 (引用元:記憶大辞典〜記憶術の全てが分かる|場所法)
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いかがでしたか。わざわざ暗記事項と場所と結びつけるのは遠回りのように感じるかもしれませんが、慣れてきたら記憶もしやすく、さらにテストでも思い出しやすくなります。ぜひ色々な例を思い浮かべながら試してみてください。
参考: 読んだら、きちんと自分の知識にする方法|宮口公寿 記憶大辞典〜記憶術の全てが分かる|場所法 記憶の力・記憶術および記憶力アップ法|場所法 Wikipedia|記憶術 記憶術で人生を変えよう|記憶術・場所法