「一流」と「二流」の差は、どこで生まれるのでしょう。実際のところは、ほんの些細なところで決まるのかもしれません。
『年収の高い人がしていて、年収の低い人がしていない4つのこと。』や『今すぐやめたい。ずっと低年収の人がしている4つの悪習慣。』といった記事でもたびたび取り上げてきた話題ですが、今回は「朝時間の過ごし方」に注目してみました。
皆さんは、毎朝何時に起きていますか? 朝起きたら、まず何をしますか? 1日のスタートの仕方で、将来の明暗が分かれるかもしれませんよ。
1.「一流」は朝型で早起きする
ビジネス総合誌プレジデントが実施した調査で、年収別の「朝型」「夜型」の傾向が判明しています。それによれば、年収400万円未満の層は朝型が3割程度であるのに対し、年収900万円前後では5割近くまで増え、年収1,400万円以上になると6割以上の人が朝型という結果に。総じて、年収が高くなるほど朝型の割合も多くなっています。
同様の結果は、アメリカの調査でも出ています。MSN(The Microsoft Network)が、朝の起床時間と年収の相関を調べたところ、やはり年収が上がるにつれて起床時間が早くなっていく傾向が示されたのだそう。具体的には、8時以降に起きる遅起きの人は、年収2万5,000ドル未満の層では2割近くを占めたのに対し、年収10万ドルを超えてくると数パーセントに減少。逆に、6時前に起きる早起きの人の割合は1.5倍の差があります。
とはいえ、安直に「とりあえず朝早く起きればいいんだ!」と考えるのは早計です。早起きは単なる手段。次項以降で紹介する「早起きして何をするか」の部分に、本質が隠れています。
2.「一流」は朝に読書をする
楽天株式会社が運営するオンライン書店「楽天ブックス」が、全国のビジネスパーソンを対象に行なった『ビジネスパーソンの読書の実態調査』。起業や副業を経験したことがある人とそうでない人との間で、読書習慣に差異があることが示されました。
起業や副業の経験がない人は、全体の半数近くに及ぶ45.8%の人が、1日の読書時間について「15分未満」と回答。起業や副業の経験者でも3割ほどいますが、およそ1.5倍の差が開いていることがわかります。『今すぐ変えたい。一生「二流」の人の危険な読書習慣。』でもご紹介したように、「年収が高い人ほど本を読む(≒読書時間が長い)」とはよく聞く話です。しかし、この調査で特に注目したいのは、本を読む時間帯として「朝」に大きな差が表れたということ。
「起床~朝食までの時間」に本を読むと答えたのは、起業経験者で9.2%、副業経験者で8.1%。一方で、いずれの経験もない人は1.8%に留まっています。同様に、「朝食中」に本を読むと答えたのは、起業経験者で7.9%、副業経験者で6.4%であるのに対し、いずれの経験もない人は0.8%。さらに、「朝食後から家を出るまでの時間」では、起業経験者で11.8%、副業経験者で8.1%である一方で、いずれの経験もない人は1.3%となっています。
読書時間といえば、多くの人は通勤時などのスキマ時間を思い浮かべるかもしれません。しかし、起業や副業を経験するなど、自身のスキルアップに余念がない人は、寸暇を惜しんで忙しい朝にも読書時間を確保しているのですね。読書の重要性を理解しているからこその行動なのではないでしょうか。
3.「一流」は朝によく歩く
ドコモ・ヘルスケア株式会社がまとめた『みんなの「からだデータ」白書2015』では、年収と1日の歩数との間に関係があることが示されています(年収400万円未満の人は1日の平均歩数が6,763歩。そこから年収が高くなるごとに歩数も多くなり、年収1,000万円以上になると8,516歩まで増えています)。
この調査では、歩く時間帯までは言及されていません。では、忙しい一流たちは、いったいいつ歩いているのでしょうか? ここでヒントになりそうなのが、『一流の育て方』の著者であるムーギー・キム氏の発言。彼は「一流の朝の過ごし方に不可欠なのが “朝の散歩” だ」と断言しています。
私は、日本中のさまざまな分野の第一人者であるお医者様に、とある理由から「彼ら彼女らの健康法」を聞いてまわっているが、いちばん多いのが「1日に1~2時間歩く」というものである。 そもそも人間はじっと座っているようにデザインされておらず、「歩き回ることが基本」という生活を何百万年と送ってきたので、現代人のように座ってパソコン漬けの生活が、自然の摂理に反していることを重々理解しているのだ。 かくいう私も、毎朝1時間、下手したら1時間半も歩いており、おまけに自分自身で誇らしくなるほど、ときには腕を大きく振って早歩きをすることで、さらに健康を増進している。
(引用元:東洋経済オンライン|「朝、起きた瞬間」バレる!デキない人の3欠点)
仕事で誰よりも成果をあげるためには、身体がそもそもの資本。それを知っているからこそ、一流たちは自分の健康に人一倍の気を使っているのでしょう。さらに、身体の健康以外にも、ウォーキングをはじめとした朝の適度な運動により、脳の神経細胞や血管の形成が促されるなど、脳が活性化することがわかっています。一流たちはそうやって、朝からスタートダッシュを切れる脳を作りだしているのかもしれませんね。
4.「一流」はテレビではなくオンラインでニュースチェックする
朝にテレビをつけるとやっている、ニュースや情報番組。最新の時事ネタや今を時めく旬な人の話題などが、次から次へと流れていきます。朝ごはんを食べながらニュースを何の気なしに眺め、最新情報を軽く仕入れてから仕事へと向かう。朝の習慣としている人も多いはずです。
では、一流はどんな方法で朝の情報収集をしているのでしょうか。前出のMSNによる調査(アメリカ)では、朝にニュースを見る手段について、低所得層はテレビでニュースを見る人の割合が最も多かったのに対し、富裕層や中流層はオンラインでニュースをチェックする人の割合が最も多かったとのこと。
なぜ、一流たちはオンラインでの情報収集を好むのか。一概には言えませんが、テレビは情報が向こうから勝手に流れてくる受動的な情報収集手段であるのに対し、オンラインは自ら情報を探しに行く能動的な情報収集手段であることが、理由のひとつとして挙げられるでしょう。
忙しい朝時間、一流は無駄な時間の使い方をしません。映像が流れ、コメンテーターが思い思いにコメントし、時には明らかに仕事に必要ない話題さえ取り上げられる “テンポが遅い” テレビに対し、フットワーク軽く種々雑多たくさんの情報にあたれるのがオンラインの良いところ。だからこそ、忙しい一流たちに好まれるのかもしれませんね。
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朝は “たった数時間” ですが、そこで「一流」と「二流」の差が生まれます。ご紹介した4つ、どれも突飛なことではありません。だからこそ、誰もがこれから大切にしていける習慣であるはずです。
(参考)
プレジデント・オンライン|なぜ年収1400万以上の6割が"朝型"なのか
BUSINESS INSIDER JAPAN|収入レベルで大きな違い、アメリカ人の朝のルーティン
PR TIMES|楽天ブックス、「ビジネスパーソンの読書の実態調査」を発表
StudyHacker|今すぐ変えたい。一生「二流」の人の危険な読書習慣。
東洋経済オンライン|「朝、起きた瞬間」バレる!デキない人の3欠点
みんなの「からだデータ」白書2015
ダイヤモンド・オンライン|朝のウォーキングが脳を活性化させる