ちょっと自分に厳しすぎない? 自分を褒めて、肯定感を取り戻す「自信回復ノート」の作り方

ほめ日記、今度は自分ができたことに論理的な説明を補足するスタイル

誰かにほめられることは、自分ではコントロールできません。
だからこそ成果を出しても評価されないなどと、不満をため込む場合もあるでしょう。しかし、そうなると仕事や勉強に意欲を持ち続けることが、どんどん難しくなってしまいます。

今回はそんな不満を抱えている方々に、自分をほめてみることを提案します。きっと自家発電式に気分が上がり、仕事や勉強をもっと頑張ろうと思えるはずですよ。その理由と、メタ認知を働かせながら自分をほめる方法を紹介します。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

私たちは自分にひどい仕打ちをしている?

多くの人は、他者に優しくしたり尊重したりするよう、子どものころから教えられてきたのではないでしょうか。一方で、自分を労わり尊重することを教えられた経験がある人は、意外と少ないかもしれません。すると、こんなことが起こるわけです。

  • 他者が失敗したとき⇒その人を労わり元気づける
  • 自分が失敗したとき⇒なんて自分はバカなんだ! と罵る

  • 他者が評価されないとき⇒その人の価値を客観的にとらえて伝え、元気づける
  • 自分が評価されないとき⇒客観性を失い「やっぱり自分はダメな人間。どうせ何をやってもダメだ」などと決めつける

じつは筆者にとって、上記のような思考や行動はごく普通のことです。とはいえ、こうして文字にしてみると、いかに自分が自分自身に対して、辛辣なのかがよくわかります。

自分を罵倒し、責めて落ち込んだビジネスパーソン

もっと自分をほめるべき理由

秩序を保って社会生活を送るには、自分を厳しく律することが必要かもしれません。しかし、それだけでは自分を否定することが常態化し、少しずつでも確実に、自信を奪い取ってしまうのではないでしょうか。

公認心理師、臨床心理士の石上友梨氏いわく、自分の「悪い面だけに注目してしまうと、視野は狭くなり自己嫌悪に陥ってしまいます」とのこと。逆にほめられることが積み重なると、何かに挑戦する力が育つそうです。だからこそ、自分をほめてみるといいのだそう(参考およびカギカッコ内引用元:yoi|【"劣等感"を解消する「セルフ・コンパッション」】今日からできる9つの実践法を臨床心理士が紹介!【後編】)。

精神医学と性格心理学に詳しい公認心理師の竹内成彦氏も、自分をほめると自己肯定感や自尊感情が高まると説きます。そうすると、自分のことも好きになれるのだとか(参考元:Yahoo!ニュース|自分を褒めることが苦手な方へ、自己肯定感や自尊感情を向上させる方法を心理カウンセラーがお教えします)。

しかし、あまり慣れていないので、自分をどうほめていいのかよくわかりません。そこで、さらに石上氏や竹内氏のアドバイスを参考にしてみました。

自分のほめ方がわからないビジネスパーソン

自分はこうやってほめる

前出の石上氏は、自分の悪い面ばかりに目を向けさせないため、自分のいい面を書き出すようすすめています。まずは、小さなことから自分をほめる練習をしてみるのがいいのだとか。たとえば「ちゃんと念入りに歯を磨けた」「仕事の前に机をきれいにした」といったことです(参考元:前出の「yoi」記事)。

そして、言葉以外の方法もあるようです。

前出の竹内氏は自信がない人、自分をほめることが苦手な人に対し、ほめる代わりにご褒美をあげるようアドバイスしています。たとえば「週に2回ジョギングしたらパフェを食べる」「仕事が終わってから少しでも勉強できたら晩酌する」といった具合です。そうすることで、自分は成し遂げたからご褒美をもらっているのだと感じ、自分を誇らしく思えるのだとか。

また、日記にささやかな “できたこと” を書くのもいいそうです。たとえば「今日も朝食を抜かずにしっかりと食べた」「仕事の合間にきちんと休憩時間を入れた」といった具合。どんなことでも、それが事実であることには変わりないので、自己肯定感や自尊感情が高まっていくとのことです(参考元:前出の「Yahoo!ニュース」記事)。

こうしてみると、石上氏と竹内氏のアドバイスの共通項は書き出すことのようです。それなら書き出すことを前提に、両者がそれぞれ示す以下の要素も加え、

  • 小さなこと
  • ささやかなこと
  • 自分のいい面
  • できたこと
  • 事実
  • 日記

今回は、自分をほめる日記を実践してみようと思います。

ベッドの上で自分を褒める日記を書く女性

毎日、日記で自分をほめてみた

なお、竹内氏いわく、自分をほめる言葉は他者に否定・嫌悪される可能性があるとのこと。心のなかだけで行なうか、自分ひとりのとき声に出してほめるほうがいいそうです(参考元:前出の「Yahoo!ニュース」記事)。今回は紹介のために日記を公開しますが、みなさまが実践する際は、自分だけで書く・見るようにしてください。

ちなみに筆者は無理なく継続できるよう、1日30文字以下の1文にするという独自のルールを設けました。おかげで、毎日書くのがまったく苦になりませんでしたよ。

そうしてやっていくと、

ほめ日記、最初のシンプルな1文スタイル

「粗大ごみを出した」「荷物を消毒した」など、ささやかすぎる自分の “できたこと” を書いただけでも、ボンヤリと気分が上がる感じや、自己肯定感の高まりなどを感じることができました。

ただ、少し物足りない、もう少しその感覚を強めたいと感じたので、いったん30文字以下・1文ルールをリセットし、自分ができたことに論理的な説明を補足する方向に変えてみました。

論理的とは言っても、別に難しい話ではありません。

ほめ日記、今度は自分ができたことに論理的な説明を補足するスタイル

たとえば――何かを「スムーズに終えられた」と書いた場合、言葉のニュアンスだけで曖昧にせず、何がどうであったから順調に進んだのか、より具体的にしていくイメージです。

ささやかな “できたこと” を書いたあとに、「つまり」と続けると掘り下げやすいのではないでしょうか。

言葉のニュアンスだけで曖昧にせず、より具体的にしていくほめ日記

そうしてやってみたところ、

自分で自分をほめているのに、不思議となんだか誰かにほめられているような気分になれました。

誰かにほめられているような感覚になる、ほめ日記

経営コンサルタントの西村克己氏によれば、論理的とは「客観的に筋道が立っていること」であり、「論理的であるためには客観性が重要」とのこと(カギカッコ内引用元:PRESIDENT Online|「論理的」と「理屈っぽい」にある決定的な違い)。

とすれば、論理的な説明により客観性が増し、それでメタ認知が働いたのかもしれません。自分の行動を、もうひとりの自分が “できたこと” を通じて分析し、ほめてくれているような感覚になりました。

メタ認知を働かせるほめ日記?

そして肝心なのは、この試行によって自分を肯定的に評価できるようになったかどうか。その結果を正直に述べるとすれば、そうなりそうな予感は十分に生まれたといったところです。ただ、数日間続けただけの感想なので、今後はそうなると大いに期待できるのではないでしょうか。

先の西村氏いわく、相手の説得には「論理的であることが不可欠」とのこと(前出の「PRESIDENT Online」記事)。つまり、私は論理的な説明を心がけた自分の日記で、自分には価値があると、自分自身から説得されたわけです。メタ認知のトレーニングにもなりそうです。よろしければお試しください。

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誰かにほめられるのを待ち続け、思うように評価されず落ち込んだり不満をため込んだりしているのなら、自ら自分の価値を書いて認識してしまいましょう。早々に問題を解決できるかもしれません……!

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