年収が高い人と低い人。仕事がデキる人とデキない人。その差を生んでいるのは、いったい何なのでしょう?
これまで、『年収の高い人がしていて、年収の低い人がしていない4つのこと。』や『今すぐやめたい。ずっと低年収の人がしている4つの悪習慣。』といった記事でもたびたび取り上げてきた話題ですが、今回注目したのは「読書」です。
読書量、本の読み方、そして本の選び方。読書ひとつ取ってみても、そこには「一流」と「二流」の差を生む歴然とした違いがありました。一生「二流」のままで終わらないために。一流たちの読書法を参考に、今日から改善すべき3つのポイントをお伝えします。
【1】一生「二流」は、読書量が圧倒的に少ない
ビジネス総合誌『PRESIDENT』の調査から、興味深い結果が出ています。ビジネスパーソンを対象に読書量をたずねたところ、20~30歳代の一般的な人は1年に3冊しか本を読まないのに対し、30歳代で年収3,000万円を超えている人は、1ヶ月に3冊読むのだそう。じつに12倍、1年あたり33冊もの違いが生まれていることになります。仮に、1年に3冊しか本を読まないAさんを年収500万円、1ヶ月に3冊のペースで本を読むBさんを年収3,000万円だとすれば、33冊の違いで年収差が2,500万円もひらくことに。1冊あたりに換算してみると、なんと75万円もの差が生じていると言えます。
ビジネスで大成功している著名人の中にも、読書家と呼ばれる人は多数存在します。例えば、ソフトバンググループ創業者である孫正義氏は、創業2年目に、慢性肝炎による3年6ヶ月間の入院時代がありました。その期間、孫氏は約4,000冊もの本を読んだといいます。1日3、4冊のペースということを考えると、その読書量のすごさがわかりますね。
皆さんは、普段から本を読めていますか? 「読もう」とは思うものの、もしかしたら「忙しいから」という理由でなかなか読書に時間を割けないという人も多いかもしれませんね。しかし、『最強の働き方』などを著した “グローバル・エリート” ことムーギー・キム氏によれば、「読書習慣は “仕事の忙しさ” と関係ない」のだそう。
たとえば私が尊敬する竹中平蔵先生は、大臣時代の激務の中でも毎日2時間、必ず机に向かって読書に費やすという素晴らしい読書習慣をおもちだ。 竹中先生の大臣時代の側近の方が、竹中先生を評して「先生は大臣時代もどれほど忙しくても、必ず毎日2時間、勉強に費やされていた」とおっしゃっていたのを印象深く覚えている。 「大人になってからまったく勉強しなくなる人が多い中、竹中先生は誰よりも勉強熱心で、常に進化・成長していかれる」とおっしゃるが、それは私が世界中の人を見てきた実感とも見事一致する。
(引用元:東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点)
大切なのは、本を読むための時間を “能動的に” 事前に確保しているかどうか。「時間が空いたら本を読もう」と受動的に考えていては、絶対に忙しさに負けてしまいます。例えば、「21時~22時の1時間は読書時間に充てる」「朝食前の30分間は食卓で本を読む」といった具合に、具体的な読書時間をあらかじめ予定に組み込むようにしてみてはいかがでしょうか。
一生「二流」は、本を読むスピードが遅い
2005年、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と、アメリカの株式投資家であるウォーレン・バフェット氏が対談した際、次のような一幕があったそうです。
学生「何か一つスーパーパワーを持てるとしたら何がいいですか?」 ゲイツ「ものすごい速度で本を読めるというのがいいね」 バフェット「それはすごくいいね。でもビルはすでに私の3倍速く読めるんですよ」
(引用元:佐々木豊文 (2010),『「1冊10分」で読める速読術』, 三笠書房.)
ゲイツ氏の速読力がバフェット氏によって証明されたエピソードですが、同時に、一流のビジネスパーソンは読書の必要性を理解しているからこそスピードも重視するということもわかります。
皆さんの中には、本を一字一句丁寧に読む習慣がある方もいるはず。小説など、物語や文章を味わいながら読むタイプの本はそれでもよいのですが、仕事力に直結するビジネス書や専門書でも同じような読み方をしていては、時間がかかりすぎてしまいます。また、本の理解や知識の定着のうえでも、じつは逆に非効率なのです。とはいえ、いきなりテクニカルな速読法を実践するのは少し難しいかもしれませんね。そこでご紹介したいのが、簡単にできる「飛ばし読み」です。
東京大学に現役合格、大学3年時には司法試験にも合格し、現在は弁護士として活動する傍らテレビ出演や執筆などでも大活躍中の山口真由氏は、読み方を変えながら同じ本を7回読むのだといいます。
まず1~3回目は見出しなどを拾いながら読み流します。これを「サーチライト読み」と呼び、本の全体像をつかんでいく作業。次の4、5回目は「平読み」と呼び、重要キーワードを意識しながら普通のスピードで読んで要旨をつかむ。1~3回目で全体像を捉えているので、内容はより頭に入りやすくなっているでしょうね。そして、6、7回目は「要約読み」と呼び、内容を頭で要約しながら読んでいきます。この方法で1冊の本を7回読めば、その内容を頭のなかに写し取ることができるというロジックです。
(引用元:StudyHacker|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】)
キモは、初めからすべてを理解しようとはしないこと。さらさらと何回も繰り返すことで、本に書かれてある内容を徐々に自分の知識として溜めていき、少しずつ理解を深めていくのです。全体の骨子をつかんでうえで、自分に必要な知識を吸収していく、この読書法。つい時間をかけて精読してしまいがちな人は、一度試してみる価値がありますよ。
一生「二流」は、読む分野が偏っている
自分の仕事の専門分野を極めるために、本や雑誌を使って知識や情報を仕入れているという方もいるでしょう。それゆえ、読む本のジャンルがいつも偏ってしまってはいませんか? 前出のムーギー・キム氏は、「偏った読書は視野を狭めさせてしまう」と述べています。
読書で重要な要素のひとつは、視野・視点を広げることだ。これに対し、二流の人に限って、マニアックな特定分野の、自分の偏見を助長してくれる著者の本ばかり読みたがる。こういう「二流の読書」では、読書量が増えても、自分の視野を狭め、偏見を増長させるだけだ。
(引用元:東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点)
そしてまた、仕事につながるからとって、なにもビジネス書や専門書だけに固執する必要はありません。ドリームインキュベータ代表取締役会長である堀紘一氏は、「ビジネス書40%、小説30%、その他30%」の比率で本を読むのがよいとすすめています(※ビジネス書とは、経済・経営・マーケティングといった各分野の専門家たちが書いた本のこと)。
小難しいビジネス書を気楽に読める胆力があれば、それはそれでたいしたものだが、多くの若い世代はビジネス書ばかりではどうしてもしゃちほこばってしまうだろう。読書には気分転換の効用もあるから、肩の力を抜いて読める小説も読むべきなのだ。 そうはいっても、小説は単なる気分転換の道具ではない。再三触れているように、小説を読むと語彙や言い回しが広がる。それがコミュニケーション力やストーリー構築力といった表現力の向上につながってくる。 ビジネスパーソンに読んでほしいジャンルとしては生物学、歴史、軍事学、哲学の4つを挙げたい。これはその他の30%に入る。ほかにも、ノンフィクション、エッセイの類いが入ってくる。
(引用元:東洋経済オンライン|学歴不要!人生は「読書次第」で大きく変わる)
1週間に1冊のペースを本を読むビル・ゲイツ氏も、公衆衛生や疾病、エンジニアリング、ビジネス、科学といったノンフィクションものはもちろん、小説を読むこともあるのだそう。知識や見聞を広げるためにも、多彩なジャンルに挑戦してみたいものですね。
*** 一生「二流」の人の危険な読書習慣、当てはまるものはありませんでしたか? 一流たちの読書法をヒントに、さっそく今日から行動を変えていきましょう!
(参考) 大下英治 (2005),『孫正義 起業のカリスマ』, 講談社. 東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点 佐々木豊文 (2010),『「1冊10分」で読める速読術』, 三笠書房. StudyHacker|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】 BUSINESS INSIDER JAPAN|著名な成功者8人が強調する「読書のパワー」 東洋経済オンライン|学歴不要!人生は「読書次第」で大きく変わる