これをやれば年間「463時間」もお得!? ムダな時間の節約術。

なかなか早く仕事が終わらない。どうも肝心な仕事以外に時間をとられている気がする。そんな方々に、ちょっと見なおしてほしいムダな時間があります。それらを削減すれば、年間約「463時間」の余裕が生まれるかも?

さっそく説明しましょう。

1日「2.6時間」のムダ:メールの読み書き

大手コンサルティング会社・マッキンゼーの分析によると、アメリカのビジネスパーソンは、1日の就業時間の28%をメールの読み書きに費やしているそう。これは、1日のうち「2.6時間」も、メールのやりとりに奪われていることを示しています。

アメリカで行われた分析ではありますが、パソコンの扱いや、労働時間、週休などは日本と大きく変わらないので、参考になるはず。「2.6時間」のなかに、どうしても必要な時間が含まれているとしても、ずいぶん長い時間を費やしています。

1日「36分」のムダ:探しもの

また、日本の大塚商会が行った調査によると、ビジネスパーソンは勤務中に、なんと年間150時間「探し物」をしているそうです。

年間の勤務日数が250日だとすると、150時間×60分/250日で、1日平均「36分

前項のメールよりも時間は短いですが、「ペンがない」「あの書類はどこ?」「USBは?」「wifiパスワードのメモがない」「社員証どこに置いたかな?」等々、探しものの時間には、生産性が全くありません。

ならば、次に紹介する削減術で、ムダな時間をなくしてしまいましょう。

ムダな時間の削減術:メール編

時間管理術などを提案するゼルバナ(Zarvana)は、データに裏付けられた「メールに費やす時間を削減する方法」を調査したそう。その結果、なんと5割以上、時間を節約できるとわかったのだとか。具体的には、1日に「1時間21分も節約」できるそうです。その方法をまとめました。

1.メールチェックの時間枠を設ける

メール受信のデスクトップ通知機能をオフにして、代わりにメールチェックの時間枠を設けましょう。

アメリカの知的労働者は平均的に、メールを1日に37分ごと、15回チェックするそう。しかし、実際には、40分以内にメールの返信を要求するクライアントや社内の人は、ほとんどいないといいます。これは、日本で働く人にも通じる部分があるのではないでしょうか。

したがって、あえてメールチェックの時間枠を設けて、37分ごとではなく、1時間~1時間半ごとにチェックするように改めればいいわけです。小まめに立ち上がり休憩することで、血流が良くなり、頭の働きが良くなるといわれています。1時間~1時間半ごとに小休止するタイミングで、5分程度のメールチェックをしてみてはいかがでしょう。

2.受信トレイを空にしておく

メールに一度目を通したら、すぐに受信トレイから移動させましょう。

たとえば受信トレイに200件を超えるメールをためていて、毎日100件以上の新しいメールを受信している場合、メールチェックに費やす時間は膨大です。

ゼルバナ創立者のマット・プラマー 氏によれば、あふれ返った受信トレイを1日に15回チェックして、各メール1件あたりに4秒を費やし、そのうちの10%を再読する場合、毎日27分を浪費することになるのだそう。

そうならないためにも、前項の方法でメールチェックの回数を減らし、一度目を通したメールは、アーカイブするか、削除するなどして、受信トレイをスッキリきれいにすることが大切です。

あとで対応が必要なメールは、受信トレイから「ToDoリスト」に移してしまうといいでしょう。

3.「検索機能」と「ToDoリスト」の活用

膨大なメールから、フォルダをクリックして必要なメールを探すのは手間がかかります。そんなときは、「検索機能」と「メールとToDoリストの統合」を活用することで、グッと時間を省略できます。

プラマー 氏にによれば、これで1日に14分を節約できるとのこと。

たとえば Gmail には、受信したメールを ToDo リストにドラッグ&ドロップするだけで新規タスクとして登録できる、便利な機能があります。

4.上手なメールファイリング

分類フォルダは2つ程度にして、メッセージのファイリングは、ショートカットを使いましょう

多くの人はメールアプリケーションを開くと、左側に多くの分類フォルダが積み重なっているのではないでしょうか。しかし、プラマー 氏によれば、ほとんどの人はメールの分類フォルダが2つあるだけで事足りるそう。

メールのファイリングは、メールに費やす総時間の約10%を占めるのだとか。

ゼルバナ社が「ヒックの法則(※)」で算出した結果、メールをどのファイルに入れるか決定する場合、37の分類フォルダから決定することは、2つの分類フォルダから決定するよりも、5倍の時間がかかるそう。

メール探しは検索機能を使えばいいので、分類フォルダを減らしたり、フィルター機能で自動分類されるようにしたり、キーボードショートカットを使ったりして、時間を省略しましょう。キーボードショートカットを使った場合、マウスを使いファイリングするよりも、50%時間を短縮できるそうです。ちなみに、 Gmail の場合は「設定」でキーボード ショートカットを ON にすると、使えるようになります。

(※「ヒックの法則」:選択肢の数と、意思決定の時間の数学的関係)

5.重要度の低いメールを回避

無関係なメールや、重要度の低いメールを、うまく回避しましょう。

効率的なメール使用のサービスを提供する「セインボックス(SaneBox)」によると、一般的にメールの62%は重要性がないそう。

たとえばニューズレターなど重要ではないものの20%を開封し、1件あたり15~20秒をかけると、1日に4分超を消費します。さらに、メール1件を削除するだけでも平均3.2秒かかるため、1日に3分超を要するのだとか。したがって、無関係なメールを処理していると、1日に8分を浪費してしまうわけです。

それを回避するためには、次の3つを行うといいとのこと。

  • ニューズレターなどが自動で専用フォルダに分類されるよう設定
  • 配信先からメールアドレスを削除(メルマガ配信解除)
  • スパムメールのブロック

ムダな時間の削減術:探しもの編

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』の著者、石川和男氏は、「探しものに費やす時間を1日平均6分に短縮できれば、毎日30分も残業を短縮することができる」と述べています。

モノがあふれかえっているオフィスで働けば、探すことに労力が注がれてしまいます。集中力が途切れ、効率も悪くなるでしょう。そうならないためにも、「整理整頓」が必要だと石川氏はいいます。

同氏いわく、「整理」とは、必要なもの・不要なものを分け、不要なものだけを捨てること。「整頓」とは、必要なものを、いつでも誰でも取り出すことができるように配置すること。したがって、文字どおり「整理」→「整頓」という順番になります。具体的には、以下のとおり。

1.机の中の不要な物を徹底的に捨てる
2.共有物を管理するルールを決める
3.重要な書類だけ紙ベースで残す
4.書棚を使う順に並べる
5.パソコンの中を整理整頓する

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|“年間150時間”も、ビジネスパーソンは●●●に費やしていた…――残業をしないチームの仕事術

このシンプルな方法に従うことで、使い勝手のいいオフィスになるはずです。日を変えて、一つずつ行っていくのもいいでしょう。

これをやれば年間「463時間」もお得!?

まとめると、ゼルバナ社の方法で1日のメール読み書き時間を「1時間21分」節約でき、石川和男氏の整理整頓術で1日の探しもの時間を「30分」節約できるということは、年間の勤務日数が250日だとした場合、なんと

  • 1日「1時間51分
  • 年間約「463時間

を、節約できることになります!

***
勤務の終了時間が近づくと焦っていた人も、ムダな時間の削減術で、余裕の2時間が生まれるかもしれません。ぜひお試しを!

(参考)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|HBR.ORG翻訳リーダーシップ記事|メールに費やす時間を大幅に削減する5つの方法
リクナビNEXTジャーナル|“年間150時間”も、ビジネスパーソンは●●●に費やしていた…――残業をしないチームの仕事術
Guanxi Times [グアンシータイムス]|アメリカで会社員として働くなら知っておきたい!勤務時間と休暇事情
週刊アスキー|Gmail連携のタスク管理アプリ「Google ToDo リスト」が便利

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