相手からすぐに信用を得られる人、なかなか信用されない残念な人、その違いはどこにあるのでしょうか?

信用される人には、じつは意外な共通点があります。ある場面では本心を包み隠さず話し、ある場面ではデキる人を演じ、ある場面では “あの言葉” を積極的に使い……知ってか知らずか、信用される人は「信用につながる行動」をしているのです。

今回は、信用されない人の残念な行動習慣をヒントに、信用を得るための方法を探ります。

「人の悪口を言わない人」は信用されない

暇さえあれば上司や同僚に対する不平不満をぶちまける。いつも仕事に対する文句ばかり垂れている。個人的感情の赴くままに他人を中傷したり、単なる憂さ晴らしのために声高に雑言を並べ立てたりするのは、それはそれでちょっと考え物です。

では逆に、いっさいの悪口を言わない “良い人” は評価されるのでしょうか。どうやら、そういうわけでもなさそうです。数々の選手たちを育ててきた “名将” 野村克也氏は、ずばり「人の悪口を言わないような人間は、信用するに値しない」と述べています

人の悪口とは、本来は否定的なものであるが、わたしは、悪口を言うか言わないかを信用度をはかるバロメーターとしても使っている。周囲との対立を極端に避ける人間は、自分の意見を押し隠したり、相手によって意見を翻したりする傾向がある。その人の本心が読み取れなければ、信用するかどうかの判断もできないではないか。

(引用元:StudyHacker|「人の悪口を言わない人間」を絶対に信用してはいけないワケ。

ここで述べられている “悪口” とは、“信念に基づいた批判” と言い換えることができるでしょう。批判を口に出せるのは、その事物に対して自分の確固たる考えを持っている証拠。そして、それを包み隠さず相手に伝える勇気も兼ね備えていると言えます。

顔色を窺いながら、本心を押し隠して迎合し続ける。これが相手への配慮だと思っているのならば、改めたほうが良さそうです。相手もきっと、「いつも頷いてくれるけれど、心の中ではどう思っているのかな……」と疑心を抱えてしまうでしょう。いっそのこと、悪口(=批判)を正直に伝えたほうが、腹を割って話せる “信用できる” 間柄を構築できるかもしれませんよ

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「初対面時に “信用されるための努力” をしない人」は信用されない

心理学者のソロモン・アッシュ氏が実験で証明した「初頭効果」をご存じですか。これは、「最初に与えられた情報が後の情報に影響を及ぼす」現象です。今回のテーマに当てはめれば、「第一印象がその後を大きく左右する」となります。

ある人物に対する印象を表した形容詞を書いた紙を2つのグループにそれぞれ見せます。
A:知的⇒勤勉⇒衝動的⇒批判的⇒頑固⇒嫉妬深い
B:嫉妬深い⇒頑固⇒批判的⇒衝動的⇒勤勉⇒知的

AとBの違いは、単に形容詞の順番だけ。その結果、順番を入れ替えただけにもかかわらず、Aの紙を見せられたグループはその人物に好印象を抱き、Bのグループは悪印象を抱いたのです。

(引用元:StudyHacker|「第一印象」ですべてが決まる! 初対面で失敗しないための3つの戦略。

また、心理学者のアルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」も知っておくべきでしょう。これは、話し手が聞き手に与える影響の割合を示した法則です。この法則によれば、話の内容や言葉そのものを指す「言語情報」が与える影響はわずか7%、逆に「聴覚情報(声質や口調)」が38%、「視覚情報(表情やしぐさ)」に至っては55%となっています。十数年前に『人は見た目が9割』という本も流行しましたが、印象の多くは言葉 “以外” の部分で決まるものなのです。

これら2つの心理効果を知れば、初対面時の声や見た目の重要性は容易に想像することができるでしょう。

元気よく挨拶をできていますか。笑顔を作れていますか。服装や髪型に乱れはありませんか。背筋はしゃんと伸びていますか。多少 “演じて” いたとしても、その努力がのちに功を奏するのです。初対面時に「自分は後から挽回するタイプだ」と斜に構えている人は、あまり良くなかった第一印象を拭うための余計な労力をゆくゆくは強いられることに、気づけていないに違いありません

「『ありがとう』さえ言えない人」は信用されない

“信用・信頼” を語るうえで重要なのが、「オキシトシン」という神経伝達物質です。このオキシトシンの役割は、以下の「信頼ゲーム」と呼ばれる興味深い実験により明らかになっています。

見知らぬ被験者が2人1組のペアになる。片方を被験者1,他方を被験者2としよう。被験者1はコンピューターの指示に促されて,所持金10ドルのうちいくらかを相手に送金するかどうかを決める。被験者1が出したお金の3倍が,被験者2の口座に加算される。次に,コンピューターが被験者2に入金を知らせた後,いくらかを被験者1に戻す機会を与える。ただし,被験者2はまったく返金しなくても構わない。返金する場合,被験者2の口座からその金額がそのまま差し引かれる(3倍額が引かれるのではない)。

(引用元:日経サイエンス|信頼のホルモン オキシトシン

簡単に説明すれば、
・被験者1が被験者2にいくらかを送金し、被験者2がそこそこの金額を返金した場合は、両者ともに利益を得る
・しかし、被験者2が被験者1を裏切って出し惜しみすると、被験者1は損をする
となります。そして、相手を信頼しているかどうかは、その送金額や返金額によって測ることができるのです。

そして、オキシトシンを鼻腔内投与したグループと、偽薬を鼻腔内投与したグループに分けて信頼ゲームを行なわせたところ、前者のグループのほうが、相手に多くのお金を預ける(すなわち、信頼している)ことがわかったのです。これが、オキシトシンが別名「信頼ホルモン」とも呼ばれるゆえんです。

では、相手にオキシトシンを分泌させて “信頼してもらう” にはどうすればいいのでしょうか? 何も難しいことはありません、「ありがとう」を積極的に使えばいいのです

些細なことでも「ありがとう」という習慣をつけましょう。感謝することでオキシトシンはどんどん出ます。同僚や部下から悩みを相談されても、「話してくれてありがとう」ということで、オキシトシンは放出されます。言われた人も受け入れてもらったことで安心し、オキシトシンが出ます。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|幸せホルモン「オキシトシン」で仕事のイライラを改善する5つの方法

「ありがとう」は、相手と信頼関係を作るうえで欠かせない “魔法の言葉” なのです。お礼をすべき場面で「ありがとう」を出し渋っている人は、信用をつかみ取る機会を自ら放棄してしまっていますよ

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皆さんに当てはまるものはありましたか? 「なぜか信用されない」と自覚がある方は、これら3つを肝に銘じて日々を過ごしてみてください。

(参考)
StudyHacker|「人の悪口を言わない人間」を絶対に信用してはいけないワケ。
東洋経済オンライン|信用されない人が軽視している見た目と礼儀
StudyHacker|「第一印象」ですべてが決まる! 初対面で失敗しないための3つの戦略。
日経サイエンス|信頼のホルモン オキシトシン
オキシトシン受容体遺伝子と信頼の関連に関する研究(PDF
リクナビNEXTジャーナル|幸せホルモン「オキシトシン」で仕事のイライラを改善する5つの方法