同じ言葉ばかり使ってない? 「ボキャ貧」の人が成果をあげられない2つの理由

みなさん、ボキャ貧ということばはご存知ですよね。ボキャ貧=ボキャブラリーが貧困という意味で、会話や文章などで自ら発する言葉に多様性が無く、似たような言葉ばかり使ってしまうことを指します。

私自身最近「そやな」「ほんまに?」「やばい」くらいしか日常で使っていないな、と反省していたところ、実はこれ、今の若者の特徴のようで……。

ボキャ貧、実は“やばい”らしいですよ。心当たりのある方、この機会に直してみませんか?

そもそもなんでボキャ貧に?

最近、身の回りでボキャ貧な人が多いなー、と感じませんか? あるいは、自分ってボキャ貧かもしれない、と思うことはありませんか? 一時期「ヤバい」が多義語すぎて「ヤバい」、とネタにもなりましたが、どうやらそれをネタとして笑えないところまで事態は深刻化しているようです。

この理由は簡単。現在ますます広まってきているSNSの影響です。LINEでは、言葉でいちいち表現しなくても画像やスタンプを用いれば感情説明を簡単にすることができますし、140字の文字数制限のあるTwitterで使う語彙は自然と、短くて使いやすい言葉に限定されてしまうのも致し方ないでしょう。

短い言葉で済ませてしまったり、言葉を用いない代わりにイラストなどでコミュニケーションをとったりすることが可能になった結果、定型化された言葉で事象を説明する機会が増え、「ボキャ貧」に陥るという結果を招いてしまっているのです。

「ボキャ貧」は好奇心を奪う

では、そんなボキャ貧のどこがまずいのでしょうか。コミュニケーションが十分とれているのならば一見何の問題もないように思えますが、実際には、脳科学的にも社会的にも悪影響が生じてしまうのです。

まず、ボキャ貧が招くのは脳の機能の低下。いつも同じ語彙を使いまわしていると、会話中に頭をあまり使わなくなります。特に「マジ」「ヤバい」などは、たった一つの言葉で多様な感情を表すことができてしまうため、相手が何を言っているかきちんと把握していなくてもとりあえずこう言っておけば返答できてしまう魔法のワード。例えば「ヤバい」という言葉を使えば、良いことも悪いことも、驚きも喜びも、美味しいも不味いも、すべてこの一言で表現できますよね。なので、相手の言っていることにも注意を払わなくなり、上の空でも会話を進めることができてしまうので、結果的に脳を使わなくなってしまうのです。

これに関連する話として、次のような話があります。

言葉は頭を整理する道具ですが、音だけを気分で使っていると、頭の方がそれに馴れてきて、聞き馴れぬ言葉を聞いても、「それ何?」と問いかけなくなります。(中略)その記号の意味を問う、という自然な心の働きがなくなってしまいます。心から好奇心が失われ、心になまげぐせがつきます。

(引用元:DESIGN IT! w/LOVE|ボキャブラリが少なければ他にどんなすごい技術を身につけても仕事はできないのかもしれない

これは、脳科学者の山鳥重氏による解説です。同じ言葉ばかり使っていると、知的好奇心を失ってしまう。ボキャ貧にさらなる拍車がかかってしまうということです。なんとも恐ろしい話ですね。

「ボキャ貧」は失礼な印象を与える

また、ボキャ貧の人は、立場の違う人との会話や、オフィシャルな場面でのコミュニケーションが上手にとれません。目上の人に手紙を書いたり話しかけたりする際、さすがにいきなり用件だけ言うわけにもいきませんし、その人からの問いかけに対する返答も丁寧なものでなければいけません。会社や大勢の人の前といったオフィシャルな場面では、同じ表現ばかりを繰り返したり若者言葉を使ったりしては信用を失ってしまう可能性もあります。友人間で使えるような少ない語彙しか持ち合わせていなければ、礼を欠いたコミュニケーションしかできず、社会不適合者との烙印を押されかねません。

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脱・ボキャ貧! のための2つの方法

それでは、そんなボキャ貧から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。今回おすすめする方法は2つです。

まず1つは、本や新聞を読んで知識をつけること。本や新聞には、自分の知らない言葉がたくさん載っていると思います。自分のボキャブラリーを増やすために、そのような言葉に触れる機会を増やしましょう。また、言葉が増えて関連知識も増える分、それに対する自分意見なども持ちやすくなります。同じ話を振られても、「ほんまそれな」で済ませてしまうのではなく、自分なりの意見を多様な言葉で表現することができるようになります。

もう1つは、人とオンラインではなく、直接話す機会を増やすことです。SNS上でのコミュニケーションに依存していると、短い言葉で表現するばかりになってしまいます。ですので人と直接会って話す機会を設け、その際には「マジ」「やばい」などの“ボキャ貧ワード”を極力使わないように心がけましょう。本や新聞で得た語彙を使うようにするのもいいかもしれません。職場の先輩(目上の人)と食事をするだけでも効果はあるでしょう。意識するだけでだいぶん変わってくるものですよ。

*** 最近では「語彙数推定テスト」のようなものもあるようです。こういったツールで、まずはあなたが「ボキャ貧」かどうか、試してみては。

(参考) Yahoo!ニュース|感情表現は「キモい」「ヤバい」「ウザい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化  Yahoo!知恵袋|脳の働きと会話について質問です。人の脳は、… 日経ビジネスONLINE|東工大生が、ボキャ貧・コミュ障から脱出するには? DESIGN IT! w/LOVE|ボキャブラリが少なければ他にどんなすごい技術を身につけても仕事はできないのかもしれない

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