プレゼンで緊張してしまう人へ。プレゼン成功のための、段階別3つのポイント

プレゼンが好きだ、壇上に上がって話すことが得意だ、と自信を持って言える人はあまりいないのではないでしょうか。準備不足や緊張から頭が真っ白になり、人前で恥ずかしい思いをしたという経験から、プレゼンなんて嫌いだし苦手だ、という人の方が多数なのではないかと思います。

しかし、ビジネスパーソンである以上、プレゼンは避けては通れない道。だからこそ巷には、プレゼン下手に悩むビジネスパーソンたちに役立つようにと書かれた書籍があふれているわけですが、話の展開の仕方やスライドの作り方などのテクニックを駆使するだけでは、良いプレゼンができるとは限りません。

また、いくらプレゼンの中身が良くても、ぼそぼそと言っていたり、理解が追い付かない程の早口で言ったりしては、伝わるものも伝わらないでしょう。逆に、月並みなことも自信のある口調で抑揚をつけて話した方が、説得力のあるプレゼンとなります。

つまり、プレゼンの内容やテクニックと同じくらい大切なのが、プレゼンの最中に落ち着きを保ち、堂々とした態度で話すことなのです。今回の記事では、プレゼン時の緊張をコントロールし、あなたのプレゼンの説得力を倍増させる方法を伝えていきます。

準備期間:発表のリハーサルを5回する

プレゼンの直前や最中に不安になる原因には、実にいろいろなものがあります。典型的な不安は、話す内容や言葉を度忘れしてしまうのではないかというもの。この不安は多くの場合、資料の準備や発表の練習というものがほとんどできていない時に起こるものです。

このような不安への対処法はとても簡単。それは、しっかり準備をすることです。

資料作成や原稿の準備などプレゼンの準備が一通り終わったら、実際のプレゼンを想定したリハーサルをしましょう。回数は5回程がベストです。

一度リハーサルをしてみると、原稿を作った段階では十分に情報を盛り込んだつもりの部分が物足りなく感じたり、逆に大切だと思い情報を満載した部分が逆効果であると気づいたりすることがあります。そうした反省を踏まえて内容を修正し、2回目のリハーサルをしてみてください。すると、再び改善すべき点等が明らかになり、より内容に磨きをかけることができます。

リハーサル→修正→リハーサル→修正→リハーサル……というプロセスを踏みながら、2回ほど修正を行ったのち念押しの意味で数回練習をしておくと、かなり精神的に落ち着きます。本番でもリハーサルと同じように、緊張せずに話すことができるでしょう。

発表直前:呼吸法を実践する

準備に十分な時間をかけることができたとしても、いざ大人数の聴衆を目の前にすると一気に不安がこみあげてくるということはあるでしょう。それに実際には、全てのプレゼンテーションにおいて長い準備期間を取れるとは限りません。そこで、この項目では、発表の直前にすべきことを紹介します。

緊張した状態でプレゼン本番に臨むと、声の調子は上ずり、呼吸も浅くなり、おまけに頭の中のまとまりがつかなくなるため、本来のパフォーマンスを発揮することが難しくなります。そうなると、たとえ準備に時間をかけていてもその準備が台無しになりかねません。ぶっつけ本番に近い状態であれば、なおさら緊張の度合いは増すでしょう。

ここでおすすめしたいのが、呼吸のコントロールによって落ち着いた状態で本番に臨めるようにするという方法です。教育学者で多くのビジネス書を執筆している齋藤孝氏は、著書『恥をかかないスピーチ力』の中で、以下のような呼吸法を紹介しています。

まず息を軽く鼻から吸って、肺を空気でいっぱいにします。次に口をすぼめてゆっくり「ふ~っ」と吐きます。ストローで息を吐くようなイメージで10~15秒、長くできる人は20秒くらいかけてふ~っと吐きます。

(引用元:齋藤孝著(2016),『恥をかかないスピーチ力』,筑摩書房.)

この呼吸法を実践すれば、浅い呼吸が深くなり、心臓の鼓動も穏やかになるのだといいます。プレゼン直前の緊張は、呼吸を整えることで解消しましょう。

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プレゼンの最中:口の中をうるおす

リハーサルを入念に行い、発表直前には緊張状態をコントロールしたうえでプレゼンに臨むことができれば、多くの場合はそのまま順調に話し続けることができます。しかし、途中で聴衆の反応がいまいちであったり、機材の不調など予想外のことが起きたりすると、突然緊張がよみがえることもあります。そんなときは、プレゼンの最中に水を飲んで、緊張を紛らわせましょう。

長く話していると、どうしても喉が乾いてきます。そうしたタイミングで動揺させるようなことが起きると、口の中はさらに渇き、話すことへの恐怖心が芽生えてしまうのです。

そのような心理状態を緩和するのに、実際に口の中を潤すことはとても大切です。プレゼンの壇上にはあらかじめ水が用意されていることもありますし、そうでなければ、自ら水を持参しましょう。

また、唾液の分泌を促すために、唾液腺とつながっている神経を持つ耳を刺激したり、聴衆をジャガイモやかぼちゃではなく、梅干しだと思うことも効果的であるという人もいます。自分なりに落ち着く方法で、口の中を潤す努力をしてみてください。

*** プレゼンの場で話すことに慣れるには、結局は、場数を踏んで慣れていくしかありません。しかし、慣れていくまでのプロセスにおいて、余計な緊張感を味わい失敗ばかりを繰り返すのは極力避けたいものですよね。これらの方法を実践して、プレゼン上手を目指しましょう。

(参考) 齋藤孝著(2016),『恥をかかないスピーチ力』,筑摩書房. 西脇資哲著(2015),『プレゼンは「目線」で決まる―――No.1プレゼン講師の 人を動かす全77メソッド』,ダイヤモンド社. 渡部欣忍著(2014),『あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!―シンプルに伝える魔法のテクニック』,南江堂.

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