“サボれない環境” を作り出せ! 目標達成のための「パブリック・コミットメント」3つのコツ

みなさんは、自分の立てた目標を実際に達成した経験はどのくらいあるでしょうか。「今年は試験に合格する」、「今月中に3kg減量する」、「今度行われるマラソン大会で完走する」など、私たちは何かにつけ目標を立てて努力しようとしますよね。

しかし、立てた目標を実現できるかどうかはまた別の問題です。口だけで行動が伴っていなかったということも多いのではないでしょうか。そこで今回は、より成功に近づくための「パブリック・コミットメント」という方法をご紹介します。

1人で目標達成は難しい?

目標を立てたとしても、それを自分の心に秘めているだけではなかなか達成することはできません。なぜならば、たとえ行動に移せていなくても誰かから叱られることはありませんし、ただ少し罪悪感が残る程度でしかないからです。

よほど忍耐力のある人でなければ、1人きりで目標を達成するのはその目標が大きければ大きいほど難しいことが多いでしょう。しかし、工夫次第では誰でも目標を達成することが可能なのです。その工夫の1つとして挙げられるのが、「パブリック・コミットメント」という方法になります。

「パブリック・コミットメント」とはなにか

「パブリック・コミットメント」とは、自分が成し遂げようと決意したことを周囲に伝える行為を指します。

アメリカの心理学者であるレビン氏が行った実験によれば、第二次世界大戦中に食肉不足だった状況を打開するため、主婦を2つのグループに分け、片方には牛の臓物を使うことについての講習を受けさせ、もう片方にはディスカッションをさせたうえで「牛の臓物を自分の家庭で使う意志がある」と全員に決意表明をさせたところ、決意表明をしたグループにいた主婦の方が実際に牛の臓物を使っていた割合が高かったのだそう。

確かに、一度周囲に公言してしまうと、その責任を取らなければならないような気になってきますよね。実際、筆者も大学受験の際には目標をおおっぴらに公言していた時の方がうまくいったという経験があります。周囲に宣言してしまうことで、それに見合う行動をしなければという心理が自然と働き、目標が実現しやすくなるのです。

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「パブリック・コミットメント」のやり方とコツ

では、私たちはどのようにして「パブリック・コミットメント」を取り入れれば良いのでしょうか。具体的な方法をご紹介します。

1. 目標設定は高すぎてはいけない いくら周囲に自分の目標を伝えたとしても、そもそも目標が適切なものでなければ達成するのは大変です。

メンタルトレーナーの森川陽太郎氏によれば、最初は、目標を確実に実行できるレベルまで落とすべきなのだそう。例えば、いつも寝坊しがちな人が「毎日早起きをする」という目標を立てたとしましょう。しかし、その目標を周囲に伝えても実際に達成できると信じてもらうことはおそらく難しいでしょうし、それでは自分のモチベーションも上がりませんよね。

しかし、「毎日早起きできるようになりたい。まずは週に1回早起きすることから始めよう」と設定するとどうでしょうか。決して目標を低く見積もれというわけではありません。ただ、自分のレベルを見極め、確実に実行できる目標を立てることで、クリアできる可能性が上がり、結果として自己肯定感を得ることができるはずです。

2. 宣言は「具体的に」 アメリカの企業家であるデレク・シヴァーズ氏は、ただ目標を周囲に伝えるだけでは、まるでそれを実現したかのように心が錯覚し、逆に目標の実現から遠ざかってしまう可能性があると伝えています。

心が満足してしまうことのないよう、例えば営業の場合なら「今月は1週間にA社B社C社D社E社から1件ずつ、全部で5件の仕事を新たに取ってくる」というように、より具体的に目標を設定してみてはいかがでしょうか。それを上司に宣言しておけば嫌でも努力することができるはずです。そしてまた、「もし自分がサボっているのを見たら喝を入れてくれ」と同僚に頼むのも良いかもしれません。

3. SNSを活用する 周囲の人に口頭で伝えるだけだと記録が残らないため、せっかく宣言したにもかかわらず効果が薄くなってしまう場合があります。そこで、TwitterやFacebookなどといったSNSを使ってみましょう。

例えば、Twitterで「試験合格のために毎日〇〇問題集を解くぞ!」などとツイートし、その日から毎日「今日は第1章の問題を解く」、「今日は3ページだけしか進まなかった」などのログをつけて、周囲に知らせます。ツイートしなくなった時に「今日は勉強しなかったのかな」、「試験に受からなかったのかな」と周囲に思われてしまうことを考えると、追い込まれて学習がはかどるのではないでしょうか。

このようにSNSを利用し、自分の目標を定期的に文字として伝えることで、きっと日々の努力を怠ることが少なくなるはず。勉強アカウントとして新たにアカウントを作成するのもオススメです。

*** みなさんも、「パブリック・コミットメント」を用いれば目標の達成が身近に感じられるようになりますよ。ぜひ試してみてください。

(参考) ゆうきゆう著(2017),『マンガでわかる! ホンネを見抜く心理学』,西東社. 渋谷昌三著(2003),『面白いほどうまくいく心理戦術:説得・交渉・駆け引き・対人関係の上級テクニック』,東洋経済新報社. TED Talks|デレク・シヴァーズ「目標は人に言わずにおこう」 logmi|目標を公言することは効果あり DaiGoの心理テクニック ダイヤモンド・オンライン|「弱い自分」のままで三日坊主を克服する方法

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