本は読破する必要はない。知識習得には「10秒」あれば充分だ。

皆さんは、本を購入した場合、最初から最後まで全て読もうとしていますか? 多くのインターネットコンテンツとは異なり、本は代金を支払って購入するものなので、「全て読まないともったない」という心理が働きやすいものですよね。

しかし、一冊の本の内容は多岐にわたっていることがほとんどで、実際には自分にとってそれほど重要ではない不必要な情報が書かれていることもしばしば。特にビジネス書や実用書を読む場合は、全てを読んだところで、書かれている内容全部を知識として身につけるのは不可能に近く、また時間の無駄にもなりかねません。

そこで今回は、本の内容を短時間で吸収する方法を教えます。時間は1日? 1時間? いいえ、もっと短く、“たった10秒” で可能になるかもしれませんよ

京大首席「本を読破することに意味はない」

京都大学に首席で合格という実績を持ち、現在は教育家として活躍する粂原圭太郎氏は、「本を読破することに意味はない。たった10秒読むだけでも情報は得られる」と述べます。

全ての本を最初から最後まで読もうと思っているから、記憶に定着せず、多読もできないのです。 本は「本当に読みたい」と思えたところ、必要な箇所を読めばいいわけで、無理して全部読む必要などありません。なぜなら、必要な情報を入れるためであれば、必要ない部分を我慢して読むことはないからです。

(引用元:プレジデント・オンライン|京大首席が実践する10秒で本を読む方法

考えてみれば当然のことですが、本(※ビジネス書や実用書など)を読む目的は「読破する」ことではなく、「自分にとって必要な知識を吸収する」ことですよね。それを仕事や実生活に活かせてこそ、読書が役立ったと言うことができます。逆に、最後まで本を読んだはいいものの、自分の中に残ったものが何ひとつなかったとしたら、それは単なる時間の浪費に過ぎません。

では、短時間で確実に知識が身につく効率的な読書をするには、どうすればいいのでしょうか? ここから実際に、読書の “工夫の仕方” を3つご紹介していきましょう。

1. まとまった時間で本を読もうとしない

皆さんは、本をどんなタイミングで読んでいるでしょうか。「電車に乗ってから降りるまでの数十分で」「夜寝る前のベッドの中で」など、ある程度まとまった時間を確保できたら、という方も多いのではないでしょうか。もちろん、これは決して悪くないことですが、前出の粂原氏は、もっと短時間でも本は読めるといいます。

多くの人は「今から10秒、出かける前に30秒の時間、本を読もう」と思わないでしょう。私はよく、出かける前の2~3分にも、10~30秒でも時間があれば本を開きます。この時、入手した情報が次に会う人との話のきっかけになることがよくあります。そこで、本を手に取って読んだかどうかで話の展開が大きく変わってくるのです。

(引用元:同上 ※太字は編集部が施した)

また、東大を首席で卒業し、弁護士資格も持つ山口真由氏も、こういったスキマ時間での読書を日常生活に取り入れているのだといいます。

そんなわたしもつねに本を必ず持ち歩き、誰かが約束に数分遅れたらどんな場所でもためらいなく本を開いています。ランチの行列のなかでも本を読むし、友人がトイレに立ってもすぐに読みます。図書館で本を借りたら、降りるエレベーターのなかで読みはじめ、1階に着くころには「このあたりを重点的に読めばいいかな」と判断を下しているほど

(引用元:StudyHacker|学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第2回】 ※太字は編集部が施した)

つまり、本を読むのに、まとまった時間は必ずしも必要ないということ。たった数十秒程度でも、本の太字部分を頭に入れたり、重要な見出しを知識として吸収することぐらいはできるはずです。無理して読破しようとするあまり、肝心の内容が頭に入らないという本末転倒な結果になるよりは、よっぽど効率的な読書術といえそうです。

2.「カラーバス効果」で、自然と気になった箇所にだけ目を通す

皆さんは「カラーバス効果」という言葉を聞いたことはありますか? これは心理学用語で、「自分が意識していることほど、それに関係する情報が自分のところに舞い込んでくる」という現象を指します。カラーバス(color bath)とは「色を浴びる」という意味。例えば、「赤いものを探そう」という意識で街を歩いてみると、郵便ポストだったり、止まれの標識だったり、赤い色が使われた看板だったり、赤色に関連する物が自然と目に入ってきやすくなりますよね。こういった現象のことです。

メンタリストDaigo氏の著書『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』(セブン&アイ出版)の冒頭には、次のように書かれています。

この本は今まで私が出版してきたどの本とも異なり、1ページずつ前から読む必要はありません。何となくページをめくっていけば、あなたの脳があなたの必要な言葉を見つけてくれるようになっています

(引用元:Daigo (2016),『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』, セブン&アイ出版.)

これがまさに、カラーバス効果を利用した読み方といえるでしょう。

つまり、ある一冊の本のページをパラパラとめくってみるのです。すると、なんとなく引っかかる(=視線が止まる)箇所に遭遇するのではないでしょうか。それは、目につきやすい太字かもしれませんし、皆さんが日頃から自然と意識している事柄に関連するワードだったりするかもしれません。そうしたら、その周辺をぜひ積極的に読み進めてみてください。あなたの脳が必要としている知識が、より効率的に身につく可能性がありますよ。

3. 目次を「クイズ」だと思って読む

もうひとつ、メンタリストDaigo氏がすすめる読書法をご紹介しましょう。メンタリストDaigo氏は、著書『自分を操る超集中力』(かんき出版)の中で、本を効率的に速く読むコツとして「目的を持つ」ことを挙げています。

仮に「この本を暗記すれば、確実に試験に受かる」といった明確な目標があれば、その本は容易に読み進められるでしょう。しかし、ベストセラーをなんとなく買ったといった場合、もしかしたら、読み進める動機としては不充分かもしれません。そんなときは、目次をクイズにしてみましょう。

例えば、『自分を操る超集中力』の「あなたが疲れる本当の理由」という目次を読んだら、(理由って何だろう? 仕事付き合い……? スマートフォンの使いすぎ……?)、「トップアスリートが鍛えていたのは『脳』だった…」という目次を読んだら、(「脳トレという言葉は聞いたことあるな……どんなふうに脳を鍛えていたのだろう……?)など、自分なりに疑問や予想をあらかじめ考えておくのです。

そのうえで、“その疑問を解決する” という目的のもと、本の該当部分を実際に読んでみてください。そして、自分の予想と違っていたところがあったら、その箇所だけ集中して読めばいいのです。数十秒もあれば、「目次」と「該当部分」の1セットぐらいは読めそうですよね。「自分の予想が外れていた」という気づきも、知識吸収を加速させてくれるでしょう。

*** 現代社会では、本よりインターネットのほうが、情報ツールとして盛んに利用されています。その理由としては、「手軽に見られる」「リアルタイムで情報が更新される」「情報の要点をかいつまむことが可能」といったことが挙げられます。しかし、本には「文章が固定されているため、内容が頭に残りやすい」「専門家が手がけている場合は多く、情報の信憑性が高い」「情報の密度が濃い」といった利点があることも忘れてはなりません

「本を読む時間がない」とはよく聞きますが、実際は「本を “全部” 読む時間がない」というだけかも。この記事でご紹介した方法を実践すれば、数十秒程度で、あるいは “たった10秒” で、知識をさくさく身につけていくことが可能になるかもしれませんよ。

(参考) 桑原圭太郎 (2019),『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』, KADOKAWA. プレジデント・オンライン|京大首席が実践する10秒で本を読む方法 StudyHacker|学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第2回】 月刊朝礼|本日の朝礼は「カラーバス効果」です。 Daigo (2016),『メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉』, セブン&アイ出版. Daigo (2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版.

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